この作品はいかがでしたか?
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りうら
一瞬、何が起こっているのか分からなかった。
足元を吹き抜ける冷たい風、
窓から見える、眩しいくらいに青い空。
でも、
振り向いた時に見えたしょにだの、
水滴が浮かぶスミレ色の瞳と、
乗り出された体を見て瞬時に悟った。
りうら
しょにだはきっと、
そこから飛ぶつもりだ。
りうら
ほとけ
ほとけっちが駆け出して、しょにだの胴体を抱きしめる形で包んだ。
しょにだは明らかに困ったような、
悲しいような表情を浮かべる。
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
見てることしか出来ない。
しょにだが危ないのはわかる、分かるけど、
今の場所から足が1歩も動かせなかった。
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
嫌われるから。
みんなに迷惑かけるから。
昔から、体が弱かった。
外で遊ぶことなんて滅多にできないし、
体育の授業もいつも見学で、
少し歩いただけでも疲れ、
少しのことですぐ体調を崩す。
入退院を何回も、何回も繰り返したけど、
結局体が良くなることは無かった。
不満はあった。
自分だけ、人と違うのが辛かったりはした。
でも、それなりに毎日が楽しくはあった。
友達はいた。
幼なじみもいる。
学校へ行けば話しかけてくれる友達だっているし、
大好きないむくんがいたから、
何とか楽しく生きてられた。
不幸じゃない。
僕は可哀想な子じゃない。
それなのに、周りの大人たちは口を揃えてこう言った。
「初兎くんは可哀想な子だから、仲良くしてあげるのよ」
「初兎くん、お友達と外で遊べなくて可哀想ね。」
「初兎くんは可哀想だから特別よ?」
「特別に、初兎くんは今日お勉強しなくていいわよ。」
特別扱い?
そんなのいらない。
僕が可哀想?
違う、僕はちっとも可哀想じゃない。
先生や周りの大人たちが僕に特別扱いをし、
僕だけに『特別』を与えれば、
周りの友達はすぐに離れていった。
そりゃそうだ、
僕だけそんな扱いを受ければ他の子達は気に食わないだろう。
日に日に、話しかけてくれる子も、
入院中にお見舞いに来てくれる子も居なくなって行った。
その上、僕は出来ることが少なすぎる。
頭も悪いし、
運動音痴だし、
魔法も下手で、
要領も悪い。
友達だった子達は、
いつしか僕を除け者にして、
邪魔者扱いし始めた。
「約立たず」
「アホ」
ずっと言われた。言われ続けた。
でも、
「初兎ちゃん、ずっと友達だよ。」
いむくんだけが、
世界で唯一、いむくんだけが
心の支えだった。
大好きだよ、
ずっと一緒だよ。
いむくんにあの時言われたその言葉を何回も、何回も反復しては、
自分を安心させていた。
でも、
いむくんはみんなの人気者で、
何でも才能があって、
優しくて、
かっこいい。
対し僕は、
嫌われ者で、
出来損ないで、
役立たずで、
いむくんみたいに優しくない。
いむくんと僕の差はどんどん、どんどん開いてゆく。
進んでいくいむくんと、
止まった僕の隙は、
もう誰にも埋められない。
隣に立つなんて、僕には出来ないから、
せめて、追いかけさせて欲しいのに、
追いかけることも出来ないくらいに隙は広がって············
離れて·······
1人が怖い。
1人になりたくない。
でも、僕は悠くんを守れなかったから、
きっとみんな、僕のこと役立たずだって、
疎ましく思ってるだろう。
いむくんにも、もうきっと二度と追いつけない。
·········あぁ、なら、
欠陥品の僕が、他の人にもう迷惑をかけないように。
もう、他人を傷つけないために。
僕が、嫌われないために。
みんなが、僕の事をまだ好きなうちに、
この世から去ろう
初兎
初兎
りうら
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
しょにだがぽつり、ぽつりと少しずつ言葉を紡ぐ。
いつしか、窓枠に掛かっていた足も床につき、
青空が2人を照らした。
りうら
初兎
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ずっと最初から、ずっと僕達は同じだよ。
もし追いつけなくなったら、
焦らず、ゆっくり、休みながらおいで、
それまで、
ほとけ
星夜空
星夜空
星夜空
???
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
???
星夜空
星夜空
???
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
???
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
???
星夜空
星夜空
星夜空
???
コメント
19件
感動しました!
あまのじゃく ですね! 一様ひらがなにしときます! めっちゃよかったです(*´˘`*) 何か色々平仮名になってるのはきにせずー、
バチくそ泣きました