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グリーンスリーブスが流れるこのバーは、僕が人と会うときに利用する行きつけの場所だ。
マスターにいつものカクテルを頼み、
今日、会う約束を交わした人間を待つ。
コンコンッ
近くのカウンターを叩く音がして顔を上げると、
栗毛の男が微笑みかけていた。
鶴崎さん
鶴崎さん
鴨野
鴨野
鶴崎さん
鶴崎さん
鴨野
鴨野
鴨野
鴨野
鶴崎さん
互いに微笑み合い、高校時代の日々に思いを馳せる。
鴨野
鶴崎さん
鴨野
マスターに自分のお気に入りを注文し、隣に座る鶴崎さんをジッと眺めた。
栗毛から覗く黒い瞳は、吸い込まれそうなほどの不思議な魅力を持っている。
加えて小細工の凝った腕時計を左腕にはめ、皺一つないスーツを着こなす姿は
人伝に聞いた通り、眉目秀麗の起業家だと実感させられた。
鶴崎さん
鶴崎さん
鶴崎さん
鴨野
鴨野
鴨野
鶴崎さん
鶴崎さん
鴨野
鴨野
鴨野
鶴崎さん
この場に少しの緊張が走る。
愚弟というのは、鶴崎さんの弟である諒のことであり、
僕が学生時代にずっと仲良くしていた親友だ。
鶴崎さん
鶴崎さん
鴨野
鶴崎さん
鶴崎さん
鴨野
頷く鶴崎さんと静かに微笑み合う。
芳醇な香りを纏うワインで喉を潤すと、 僕は記憶の糸を手繰り始めた。
“あの日”も今日と同じような時間帯で、
僕の好きなグリーンスリーブスの流れるバーで待ち合わせをしていた。
ダン、ダン、ダンッ!
後ろから大きな足音が聞こえたかと思うと、足音の正体は僕に腕を回し、
耳元で悪役のように喋り始める。
???
???
鴨野
鴨野
???
鶴崎諒
声の主と顔を合わせた時、僕たちは堪えていた笑いを一斉に吹き出した。
親友の諒が、昔と変わらない笑顔でそこにいた。
ひとしきり笑い終わると、諒から話しかけてくる。
鶴崎諒
鴨野
鴨野
鶴崎諒
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
諒は笑いながら隣の席に腰を掛ける。
諒は言葉遊びが大好きな奴で、ダジャレを言っては周りの雰囲気を凍らせていた。
そしてちょうどその時期、僕もダジャレにハマっていたことから意気投合し、勢いで自分たちだけの文化部を作ったことが思い出に残っている。
ちなみに、この変な会話も文化部の時に作ったものだ。
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
諒が神妙な面持ちで、こそこそ話をするように顔を近づけてくる。
鶴崎諒
鴨野
急いでズボンのチャックを確認する。
が、 チャックはきっちりと閉まっていた。
顔を上げると、ニヤニヤと笑いを堪えた諒がジッと僕を見ている。
鴨野
鶴崎諒
諒の肩を小突いて、顔の熱を誤魔化すようにワインを煽った。
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
鴨野
鴨野
鴨野
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
お互いに口をつぐみ、 しばらくバーの音楽を聞く。
この、気を遣われている雰囲気に耐えられなくなって、
切り替えようと手を二回叩いた。
鴨野
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
ふにゃりと笑う諒から、幸せオーラが溢れていた。
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
諒は右耳にかかる髪を掻き上げ、銀色に輝くそれを見せてくる。
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
鴨野
鴨野
少しぼやいてみると、ふと、諒の顔が少し曇り、
実は……と言葉を漏らす。
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
白鳥の話を聞いた第一印象は、良いものではなかった。
鴨野
鴨野
鴨野
鴨野
鴨野
ただ、恋人の所在を疑いなく 心配する親友に
騙されていると伝えるのも 酷だろうと思い、 あえて言葉を飲み込んだ。
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
鶴崎諒
鶴崎諒
鶴崎諒
鴨野
どうやら親友は、素直さ以外にも観察眼を持っているらしい。
僕はグラスを傾けて、中身を空にする。
鴨野
鴨野
鴨野