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真夜中の体育館には…

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真夜中の体育館には…

第1話 - 真夜中の体育館には…

47

2022年05月20日

#ホラー

マッシュ(メンヘラ化)

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マッシュ(メンヘラ化)

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自分

真夜中、体育館にひとりでいると、なにかが起きる━━━。

自分

それはある中学校に昔から伝わる、学校の七不思議でした。どこにでもある、ただのウワサなのかもしれません。しかし、その学校では、部活も行事の準備も必ず18時までに終わらせ、そのあとには誰も体育館に入れないようにカギをかけていたそうです。生徒たちは幽霊がでるらしいとウワサしていました。

自分

これは20年以上前、ウワサを確かめようとした、村田君という男の子のお話です。

友人

村田さ〜、本当にやるのかよ。先生が見まわりしてるだろ？

村田

見つかんなきゃいいんだって。真夜中の学校なんて、度胸試しには最高じゃん？１回やってみたかったんだよな〜。七不思議の調査ってやつ？

友人

けど、カギがかかってるんだし、学校にも体育館にも入れないだろ

村田

へへっ、実はさ、合いカギがあるんだよ。バスケ部用にひとつ

友人

じゃあどうせなら、ひと晩体育館に泊まれよ！

村田

いいね！朝練で出迎えてやるぜ！

自分

お調子者だった村田君は軽い気持ちで、友人にそう言いました。

自分

そして数日後のある夜、ひとりきりで学校へと向かったのです。

村田

……見まわりは……もう行ったな。よし……楽勝！

自分

先生の見まわりが終わり、パチンと校舎の電気が消えたのを確認してから、村田君は、体育館まで急ぎました。

自分

こっそり持っていた合いカギで体育館に入ります。電気をつけるとバレてしまうので、電気はつけられません。ぼんやりとともる非常灯だけが頼りでした。

ペたん……ペたん……。ペたん……ペたん……。

自分

誰もいない体育館に、やけに大きく足音が響きわたります。

自分

体育館は昼間とは違い、不気味な空間でした。真っ暗な闇からなにかがあらわれそうで、村田君は体育館にしのびこんだことを少し後悔し始めました。

村田

…でもこれで帰ったら、バカにされるよな。気分転換に運動でもするか

自分

気をまぎらわすために、シュート練習を始めたそうです。

タッタッタタッ……ドーン……ッ。

自分

音は何重にもはね返って、まるでほかにもシュートをしている人間がいるかのように聞こえてきます。

タタッ、タタタッ……キュ、キュ……！。

村田

(なんだ……今の、バスケシューズの音…。ほかにも誰かいるのか…？)

タタッ、バタタッタッ。キュ、キュ……ッ。

村田

おい、誰か来てんかよ？怖がせるのとかやめろよな

自分

呼んでも返事はありません。でも確かに、足音は闇の奥から聞こえるのです。

タタタッ。バタタタッ。キュッキュッ…

タタッ、タタタタタッ……キュキュッ……ダ、ダンッ……！

村田

……なんだよ、どこにかくれてたんだ。出てこいって！

タン、タン、タタン……。コロコロ……。

自分

ボールがステージのほうから、転がってきました。

……ダーン！……トン、トン、トン……コロコロ……。

自分

背後のゴールでシュートを決めた音がしました。

……ダーン！……トン、トン、トン……コロコロ……。

自分

今度は右横のゴールで。━しかし、誰の姿も見えません。なあ……冗談よせよっ！誰なんだよっ！

自分

村田君が大声をあげると、

ダダダ、ダンッ……キュキュッ……ダン！ダン！ダン！ダン！

自分

ゴールの場所それぞれで、いっせいに鳴りだす音、音、音。

村田

うわああああああああああっ!!

自分

村田君は体育倉庫にかけこみ、内カギをかけて、ぎゅっと耳も目もふさぎました。

………………ダン！ダン！ダン！ガン！

自分

体育倉庫の扉に、ボールがぶつかる音がしました。まるで誰かが扉をこわそうとしているかのように、何度も何度も何度も…。

ガンガンガンガンガンガン!!

村田

やめろ、やめろ、やめろ、やめろぉっ……！

自分

━━━━…………………。

自分

村田君が思いきり声をあげると、ボールの音がピタリとやみました。そして、

？？？

……アハハ……ハハ……

自分

扉の向こう側からやけに高い男の子の笑い声がしたのです。

村田

……な…なんだ、やっぱり誰かいたのか。冗談きつすぎるぜ

自分

村田君は体育倉庫のカギを開けて、体育館に出ました。

自分

けれどもいくら目をこらして見まわしても、あたりに人影はありません。

村田

なんなんだよ。いい加減にしろよっ!!

自分

イライラした村田君はもう寝ようと床にあおむけになりました。天井を見た瞬間、

子供達

モットアソボウ

自分

天井からいっせいに手を伸ばす、たくさんの子どもたちが━━。

自分

村田君は朝になった体育館で、目を覚ましました。村田君のまわりには、彼をかこむように無数の足跡がついていたそうです。