哲汰
はい、ココアでいい?
直弥
あ、ありがと
哲汰
…………
直弥
…………
直弥が急に家に来て、話があると言うから家にあげた。
……けど、一向に話す気配はない。
何かあったのか、そう思い直弥の方を見る。
視線に気づいたのか、こちらを向き、じっと見つめてくる。
すると髪に伸びてきた直弥の手。
哲汰
直弥?
あれから勢いで哲汰の家に来てしまったけど、 まだ心の準備が……。
しばらく、沈黙が流れる。
隣から視線を感じ、哲汰の方を見ると目が合った。
何も言わないまま、見つめあう。
優しい目。
さらさらの髪の毛。
哲汰
直弥?
無意識に哲汰の髪の毛に手を伸ばしていた。
何を考えてるんだろ。 自分でもよく分からない。
直弥
(ああ、俺、相当哲汰に惚れてるわ。)
直弥
――好き