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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

渡辺

やっぱり、あなたが殺したのは1人だけではなかったのですね。

渡辺

母親には恐らく明確な殺意があって、そしてあなたの罪を隠蔽しようと奔走してくれた兄は、そのつもりはなかったのに、結果的に殺してしまった。

芒尾

……おっしゃる通りです。

芒尾

井戸に落ちた兄と目が合った時、恐ろしい考えが頭に浮かんでしまった。

渡辺

兄が遺書を書いたことにして、罪を全て兄になすりつけようと考えたんですよね?

芒尾

えぇ、慌てて家に戻って遺書を作成し、井戸のそばに置きました。

芒尾

兄が母を殺害してしまったと思われるような供述も添えて。

渡辺

それを水道業者が発見して、事件が発覚した――ということですよね?

芒尾

えぇ、もしかしてどこかで綻びが出るかもしれないと思っていましたが、思ったよりもうまい具合にことが運びました。

芒尾

やはり、兄が関与した大人達は、兄のことを不審に思っていたらしく、駐在さんの証言も追い風になってくれましたよ。

芒尾

これが事件の真相です。

芒尾

渡辺さんに話して良かったと思います。

芒尾

ずっと、胸の奥でつかえていたものが取れたような気がします。

渡辺

問題なのは、それが事実なのかどうか、私には分からないというところですか。

渡辺

この作品はノンフィクションかもしれないし、フィクションかもしれない。

渡辺

このサイトを利用したメタ作品なのかもしれないけど、あなたが人殺しだという証拠はないんです。

渡辺

あくまでも、あなたが書いたものに従って、こちらが勝手に出した答えですので。

芒尾

……そうですね。
こちらとしては、誰かに話を聞いてもらえただけで充分なのですがね。

渡辺

それで芒尾さん……いえ、日比野さんとお呼びしたほうがいいですかね。

渡辺

もし良かったら、今後ともこちらのサイトをご利用いただけると幸いです。

芒尾

それは、こちらからお願いしたいものです。

芒尾

次の話の構造も練ってありますから。

芒尾

チャットノベルというものは、実に手軽でいいですね。

芒尾

小説の裾野を広げるものになるのではないかと思います。

渡辺

ありがとうございます。

渡辺

もしかすると、また連絡をさせていただくことがあるかもしれませんから、その時はよろしくお願いします。

芒尾

それはお仕事の話――ということですね?

芒尾

商業ベースになるような作品を書けるよう精進します。

渡辺

はい。よろしくお願いします。

渡辺

この事件のことは、フィクションだった――ということにしておきたいと思います。

渡辺

あなたを詮索するつもりはありませんから。

芒尾

そう言っていただけるとありがたいです。

芒尾

それではまた、いつかの機会に。

渡辺

はい、失礼します。

渡辺

……回らない寿司からのスイーツで終わりかと思ったら、焼肉まで行くか?
普通。

進藤

だってぇ、結果的に進藤大手柄ですぅ。

進藤

これでも足りないくらいだと思いますけどぉ。

渡辺

確かに手柄なのは間違いないが、お前と事件を追ってたら、そのうち俺が破産する。

進藤

あ、先輩。
そのカルビ、私がキープしてますから、食べちゃだめですよぉ。

焼き上がったものをトングで拾おうとするが、しかし目の前の自称焼肉奉行がそれを許さない。

渡辺

じゃあ、俺は何を食えばいい?

進藤

……すみっこのほうで焼け焦げてる玉ねぎとかですぅ。

渡辺

お前、俺のことなんだと思ってんだよ?

進藤

……恋愛対象ではないことだけは先に言っておきますぅ。
変に勘違いされても嫌なのでぇ。

渡辺

それはこっちからも願い下げですぅ。
お前と一緒にいたら、金がいくらあっても足りない。

わざとらしく進藤の口真似をすると、進藤は明らかにムッとしながらも、カルビを口に放り込む。

渡辺

まぁ、事件なんてものはそうそう起きるものじゃないし、そもそも警察に任せておけばいいんだ。

渡辺

今回は知的好奇心を満たすための代償だと考えれば、まだ安いか。

進藤

そうですよぉ。
先輩はあんまりそういうことを気にしちゃだめですぅ。

渡辺

奢られる側が言っても説得力ないんだよ。

進藤

あー、でも作品を読んでてひとつだけ謎が残りましたね。

進藤

結局、日比野響さんは何者なんですかぁ?

渡辺

……ただのススキオアキノリさんだよ。

進藤

なんですかぁ?
その意味深な返しかた。

渡辺

まぁ、多分これは、この作品を読んだ人に向けての、あの人なりの挑戦状なんじゃないかな。

渡辺

もしかすると、本人がいずれ公表するかもしれないし、俺の口からはあえて言わないでおこう。

進藤

えー、そんなこと言われたら気になって、上カルビ追加しちゃいますぅ。

渡辺

気にならなくても追加してただろうが。その大盛りごはんを見りゃ分かる。

進藤

ぐえっへっへっへ……。
ばれましたぁ。

渡辺

え?
進藤、お前笑い方変じゃなかった?

進藤

へ、変じゃないですう。

進藤

おほほほほほっ……ですぅ。

渡辺

いや、絶対に変だった。

渡辺

お前、もしかしてその間抜けそうな口調……キャラを作ってるんじゃ……。

進藤

先輩、世の中、踏み込んではいけない領域があることをご存知ですか?

急にドスのきいた声を出した進藤に驚く渡辺。

渡辺

そ、そうだな……。
改めて考えたら、そこまで変ではないわ。お前の笑い方。

進藤

……なら良かったですぅ。

進藤

それじゃあ、生ビールも追加しちゃいますかぁ。

渡辺

もうなんとでもなれ!
俺にはクレジットカードという魔法のカードがあるからな!

進藤

わー、頼もしいですぅ!

渡辺と進藤。

このコンビ、実はこの後様々な事件に巻き込まれることになるのだが……。

それはまた、ご要望あれば別の機会に……。

―完―

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コメント

2

ユーザー

駐在さんが存在していたからアキノリは、コンビニの話をかけたのかな

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