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夏の風

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夏の風

4 - 夏の風〜四の風〜

♥

29

2019年08月14日

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⋯⋯。

カランコロン(下駄音)

響希

響希

⋯⋯

⋯ どうかした?

響希

ううん,それより着物バッチリ似合ってるよ!

響希のおかげだよ

ありがとう

響希

大したことしてないよ

響希

花火どこで見る?

この前の湖のほとりから見たら,よく見えるよ

行こっか

響希

何,この手?

足元おぼつかないから,手繋ご?

響希

うん⋯/////

ギュッ

湖のほとり

ここら辺かな

響希

⋯⋯。

響希?

数時間前

響希

この人って,どんな人だった?

響希祖母

風間君かい?

響希祖母

そうだねぇ⋯

響希祖母

風間君はあまり学校に来てなくてね

響希祖母

なんでも心臓が悪くてね

響希

心臓⋯

響希祖母

現代はそれぐらいの病気,簡単に治せるけど

響希祖母

この頃はあまり医療が発達してなかったから

響希祖母

治せる人はそう居なかった

響希

で,今この人は?

響希

(ダメ,これ以上聞いたら!)

そう心の中で思ってたはずなのに,時は既に遅かった⋯

響希祖母

風間君は,死んじゃったよ

響希祖母

卒業する一ヶ月前に

響希

!?

響希

(あの話が本当なら)

響希

(然は幽霊なの?)

響希

(なにか未練でもあるの?)

ヒヤッ

響希

キャッ!

響希

えっ?

驚いた?

響希

然⋯

はい,ラムネ

響希

あ,ありがとう

もうすぐ花火始まるよ

響希

うん

ヒュー⋯

ドーン!

始まった

響希

(私はどうするべきなんだろう)

⋯ 元気ないね

響希

えっ⋯

俺でよければ,話聞くよ?

響希

⋯ 変な事きくね

うん

響希

然は私と居ない時,何してる?

うーん,特に何も

響希

じゃあ,然ってなんでいつもここに居るの?

気持ちいいから

響希

じゃあ⋯

響希

然は病気持ちなの?

え⋯?

響希

然は,もうこの世には居ないの?

⋯⋯

響希

お願い,なにか答えて

響希

然!

ゴメン,答えられない

響希

!!

響希

ゴメン,帰るね

ダダダ

響希!

響希

ただいま

響希母

あら,随分早かったのね

響希

うん,友達が用事あったからさ

響希母

そう

響希母

じゃあ,明日の準備しましょうか

響希

明日の準備?

響希

明日,なにかあったっけ?

響希母

何言ってるの

響希母

あなたがクラスメイトと遊ぶから

響希母

例年より早く帰るんじゃないの?

響希

⋯!!

響希

そうだったね

響希母

引き伸ばしたいなら別にいいけど?

響希

ううん,大丈夫

響希

着替えてくるね

翌日 朝

響希母

じゃあ,お世話になりました

響希祖母

帰り道気をつけてね

響希

⋯⋯。

響希

(然⋯)

響希

お母さん,ちょっと待ってて!

響希母

響希!?

タタタッ

響希

然!

響希!?

なんでここに?

響希

私,然がどこの誰でも構わない

響希

嫌わないから全部話して欲しい!

響希

私ちゃんと向き合うから!

⋯ 響希

響希

私,然がおばあちゃんの同級生って知って考えちゃったんだ

そっか,響希は冴縞さんのお孫さんだったんだね

響希

おばあちゃんの事知ってるの?

病院でクラスメイトがどんな人かいつも,考えてたんだ

いつか病気が治った時のために

でも,結局死んでしまった

そして気づいたら,ここに居たんだ

何年もここに居て,ここら一帯はだいぶ変わったよ

でも,何年もここに居てわからないことがあるんだ

響希

それって未練のこと?

うん,何故俺はここに居るのか

俺の未練はなんなのか

響希

⋯ 私,その答えなにかわかったかもしれない

本当?!

響希

それは,友達が欲しかったんじゃないかな?

⋯!!

響希

だって,私が然の事を友達って言った時から

響希

然の体,だんだん薄くなってたから

響希

気のせいかなって思ったけど

響希

違ったんだ

響希

響希

ここに居てくれてありがとう

響希

私は然と友達になれて嬉しかったよ

⋯ 響希

俺の未練を叶えてくれてありがとう⋯

フッ

来年から,裏山に行っても然には会えなかった

そしてその次の年,私には弟が生まれた

そして月日が経ち⋯

響希母

響希!

響希母

早くしないと会社に遅刻するわよ!

響希

わかってるよ!

響希

あれ,あの子は?

響希母

もう行ったわよ

響希

ええ!

響希

待ってよ〜!!

響希

いってきまーす

響希

ちょっと待ってよ

響希

然!

お姉ちゃんが遅いんだよ

響希

そういえば,中学入って友達出来た?

何今更そんなこと聞いてんの?

出来たに決まってんじゃん

響希

そっか!!

響希

良かった!

私は然と裏山で会った日から,夏に風が吹くと

どこからか風鈴の音がする

私が思うにもしかしたら,それは然が楽しいと思ってる証拠に聞こえてるんだと感じている──

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