晴明
………んん………っ、?
目覚めたか、我が子よ
晴明
?!
晴明
貴方はッ?!
葛葉
我が名は葛葉
葛葉
安倍晴明………そなたの先祖の母親の妖狐じゃ
晴明
?!
葛葉
よく、「安倍晴明は狐の子」…と言うだろう?
葛葉
安倍晴明は半妖………
葛葉
そして、退魔の力を使っているのも、私が比較的神に近しい妖怪だからだ
晴明
ほ、ほぅ…?
晴明
と、というか………僕………
葛葉
あぁ
葛葉
そなたは、死んだ
晴明
…ッ
葛葉
………安倍晴明公は、白澤という神に殺されたんだ
晴明
!?
葛葉
神にとっては、運命を変えるであろう我が子の存在が危なく、目の上の瘤だったからな
葛葉
そして………お主も、本来死ぬ運命であったもの、生まれてくるはずのなかったものを、救ってしまったのだ。
葛葉
だからやはり、安倍晴明の魂は、我々が管理することになったのだ
晴明
?じゃ、じゃあなんで僕が…?
葛葉
………何を思ったのか,はたまた事故だったのか………白澤は現世に安倍晴明公の魂を逃がした。それで神々の怒りを買い高天原から追放されたんだ
葛葉
そう………倉橋は………
晴明
?!
葛葉
倉橋は、安倍晴明公の力の一部を蘆屋道満に渡すのと引き換えに、蘆屋道満に罪を被ってもらったんだ
葛葉
並の人間である蘆屋道満には、あまり使えないと踏んだのであろう
晴明
そ、…そうなんですか………
葛葉
それで、どうじゃ?
葛葉
そなたは、また生まれ変わりたいか?
晴明
…!は、…はい…!
晴明
白虎とも約束したし………
晴明
何より皆と会いたいです!
葛葉
ふむ、…白虎達には会えるが………
葛葉
生徒や友人達とは、恐らく出会えない
晴明
?!何故ですか?!
葛葉
何故ならば
お主はこれから別世界の大正時代にゆくのだから
晴明
?!
葛葉
もうこれ以上、安倍晴明の魂を此方の世界の現世に留めておくことはできない………
葛葉
せめて………別世界の現世に行ってもらうしか方法はない
葛葉
其処なら、四神をそっちに呼び出しても結界は守られるしな
晴明
み、皆は………
葛葉
………彼らがお主に会いたいと望めば、会えるはずじゃ
葛葉
つまり、お主と仲間を出会わせるのは………
お主の生徒達への寵愛と………
生徒のお主への信頼のみだ
晴明
っ!
葛葉
どうじゃ?このままこの世界に閉じ込められるか………
葛葉
その世界に行って仲間達と出会える機会を待つか………
晴明
…!行きます!別の世界へ…!!
葛葉
………わかった
葛葉
着いたらなるべくはやく、四神と契約を結び、呼び出してやってくれ
葛葉
白虎達が、待っているからの………
葛葉
契約の結び方は覚えているだろう?
晴明
…!はい…!勿論です!
葛葉
………では、行って参れ
晴明
ありがとうございます…!
晴明
葛葉さん!!
シュンッ
葛葉
………はてさて、
葛葉
彼を「あの世界」に導いたことが吉と出るか凶と出るか………
楽しみじゃのぉ………







