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夏休みが終わって一週間
文化祭準備のざわつきにも少し慣れて来た頃
放課後
教室には夕日が差し込んでいる
呼ばれて振り向くと
同じ学年の男子が立っていた
名前は知ってる程度の相手
廊下の端
人の少ない廊下
窓から入る風が
まだ少し
夏の匂いを帯びていた
男子は緊張した様子で言う
真っ直ぐな言葉
〇〇は一瞬目を丸くする
なんか
久しぶりかも
胸がざわつく感覚はない
ただ
静か。
少し寂しくなると付き合って
少し面倒になると別れて
好きだったのかって聞かれると
よく分からない関係ばかり
隣に誰かがいる安心感が欲しかっただけ
でも今は…
○○
男子が息を止める
○○
○○
驚いた顔
○○
○○
○○
男子は少し寂しそうに笑って去っていく
足音が遠ざかる
〇〇は小さく息を吐いた
廊下の窓をガラッとあけ
秋に変わりそうな風を浴びた
翌日
B棟の屋上
透華はパンをむしゃむしゃ食べ
夜々はジュースをストローで鳴らしている
夜々
夜々がニヤリと笑う
夜々
夜々
矢野
○○
〇〇はお弁当を開ける
○○
○○
夜々
夜々
○○
2人が止まる
矢野
矢野
透華の手が止まる
夜々
夜々
○○
夜々
矢野
夜々
○○
矢野
矢野
夜々
夜々
夜々
夜々
○○
ふたりは顔を見合わせる
夜々
矢野
○○
夜々
矢野
○○
○○
二人は笑いを堪えながらジュースとパンに戻る
〇〇は卵焼きをひとくち食べる
秋がまた少し
近づいている
朝の教室
窓から入る光が
机の上に広がっている
〇〇の机の上には
スケッチブック
色ペン
定規
大量の消しカス
学校全体の装飾デザイン
入口看板
廊下装飾、案内表示、各教室のテーマ
ほとんどは埋まった
でも
いちばん大きい
正門のメイン看板
文化祭の顔
そこだけが決まらない
○○
線を引く
消す
また書く
○○
紙をめくる音が、少し強くなる
矢野
透華は唐揚げを食べて言う
夜々
○○
ページをまためくる
まとまらない
少しイライラしてシャーペンを置く
その時
ガラッと教室のドアが開く
担任が入ってくる
ざわつきが一瞬だけ広がる
仲本
仲本
仲本
ざわざわと広がる
担任は横に一瞬視線をやり
仲本
1拍
次の瞬間
男子が入ってくる
教室の空気が止まる
そして爆発
隣の透華はパンを落としていた
矢野
矢野
ちょっと離れたとこにいる夜々は
鏡を確認してスマホを触っていた
夜々
夜々
そんなみんなの姿を見て
〇〇も前に顔を向けた
視線が止まる
ほんの一瞬
目が揺れる
それは驚きでも
興奮でもなかった
ただ、何かを確かめるような
そしてスケッチブックに視線を戻した
周囲の歓声だけが跳ね続ける
担任が咳払いをする
仲本
教室はさらに賑わう
仲本
男子は困ったように小さく笑う
恭弥
きゃーーーーーーー!!!!
名前を言っただけで悲鳴
なにかの事件かと思われるレベルだ
仲本
恭弥は少し苦笑しながら続ける
恭弥
恭弥
席は窓側後方
〇〇の斜め後ろ
椅子を引く音
また小さな歓声
矢野
矢野
と透華が小声で
LINEでは夜々が「事件」とだけ送っていた
〇〇はペンを持つ
線を引く
止まる
後ろのざわつきがまだ消えない
小さく息を吐く
○○
ぼそっと呟いて
もう一度線を引いた
HRが終わった瞬間
教室の空気は再び爆発した
人だかりの中心で
佐上は困ったように笑っていた
透華はその光景を一瞥し
矢野
夜々
〇〇はスケッチブックを閉じる
○○
○○
○○
3人は教室を抜け出した
女子トイレ
静か
さっきの騒ぎが嘘みたいに落ち着いている
透華は手を洗いながら言う
矢野
矢野
夜々
夜々は鏡を覗く
夜々
矢野
○○は壁にもたれてスマホを開く
文化祭装飾の参考画像をスクロール
夜々が思い出したように振り向く
夜々
夜々
矢野
矢野
矢野
矢野
〇〇のスクロールの手が止まる
夜々
夜々
矢野
矢野
夜々
矢野
夜々
矢野
矢野
2人は頷き合う
〇〇はスクロールをしながら無言
夜々がちらっと見る
夜々
反応なし
矢野
〇〇は少し遅れて顔をあげる
○○
一瞬言葉を探す
○○
また視線を元に戻す
矢野
矢野
夜々
○○
スクロールの手が止まる
○○
○○
○○
透華は手を拭きながらにやっとする
夜々は鏡越しに○○を見る
外ではまだ歓声が遠く響いている
〇〇のスマホの画面には
たくさんのデザイン案
未完成の中央スペース
〇〇はそれを見つめながら
無意識にペンを持つ仕草をした
昼休みの美術室
〇〇は1人
机に向かっていた
文化祭のメイン装飾
いちばん大きく飾られるもの
文化祭の顔
鉛筆の音だけが静かに響く
数分後〇〇は手を止めた
書き上げたデザインを見つめる
完成度は高い
整ってる
綺麗
でも
○○
紙をぐしゃりと丸める
その瞬間
静かな声が響いた
〇〇の肩は僅かに揺れる
ゆっくり振り返る
入口に立っていたのは
佐上恭弥
〇〇は一瞬目を見開き
すぐに笑顔を作る
○○
恭弥
恭弥
恭弥
○○
納得
それは容易に想像できた
恭弥は机の上の紙を見た
近くで見た彼は綺麗な顔をしていた
これが...芸能界か
恭弥
恭弥
恭弥
〇〇はサッと隠す
○○
○○
恭弥
○○の口元がわずかに引きつる
○○
○○
恭弥
恭弥
1拍
○○
〇〇は立ち上がる
廊下
昼休みのざわめきが遠くに聞こえる
ふたりは並んで歩く
恭弥は静かに話しかける
〇〇は短く返す
会話は続かない
階段へ向かう途中
恭弥が言う
恭弥
〇〇は前を見たまま答える
○○
少し考えて
○○
○○
それだけ言う
階段の前
登ろうとした瞬間
恭弥
恭弥
〇〇の足が止まる
振り向かない
○○
○○
恭弥
〇〇は再び足を進める
その背中に向けて
恭弥は言う
恭弥
恭弥
呼吸が止まる
足が止まる
ゆっくり振り返る
○○
○○
静かな声だった
再び前を向く
しかし
恭弥
恭弥は穏やかに続ける
〇〇は小さく息を吐く
○○
○○
わざと軽く言う
○○
○○
少し笑う
○○
○○
冗談の調子
防御
階段を指さす
○○
恭弥
○○はポケットからペンを見せる
○○
○○
美術室の備品
わざと持ってきていた
恭弥は小さく頷く
恭弥
恭弥
恭弥
階段を上っていく
足音が遠ざかる
○○はその場に立ったまま
しばらく動けずにいた