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訓練場

和田 留美

は……っ!!

留美はいつものように剣を揮う

神崎 翔也

お嬢様、今日も凛々しいですね。

翔也が穏やかな顔色で留美を見守っていたその時─

和田 留美

……!!

サ──────────ッ

和田 留美

翔也……!危ないっ……!

急に矢が翔也目掛けて飛んできたのだ。

だが、

ス──────────っ

ギリギリで留美が剣で矢を撒いた。

神崎 翔也

お嬢様、お怪我はありませんか…!?

和田 留美

私は大丈夫、翔也も大丈夫のようね

和田 留美

……っ!

和田 留美

この矢は───

???

あら、さすが留美。

???

あたしの高速弓矢を跳ねくとはね笑

和田 留美

和田 留美

やっぱり……!

神崎 翔也

お嬢様、此奴は…私がすぐさま始末を───

和田 留美

えっ、あっ違うの翔也!

和田 留美

この人は殺さないで

和田 留美

私の姉なんだから!

神崎 翔也

……!

神崎 翔也

こ、これは失礼致しました…!

神崎 翔也

留美お嬢様のお姉様にとんだ御無礼を!

雫香

そんなに謝らないでいいよ~笑

雫香

執事さん結構イケメンだし?

麗奈はそう言いながら、翔也の頬に手をやる

神崎 翔也

は、はい…?

少し照れくさそうにする翔也。

和田 留美

さ、触らないで…っ!

留美が慌てて麗奈を翔也から突き放す。

雫香

なによ~?

雫香

ちょっと触っただけじゃない笑

和田 留美

そ、それでもダメ…っ!

雫香

なに?もしかして

雫香

執事さんのこと

雫香

好きなの?

和田 留美

は、はぁ…っ?!

雫香

あっそれか付き合ってるとか?笑

和田 留美

なな、なわけないじゃない……!

雫香

ならいいじゃない笑

和田 留美

……っ

和田 留美

しょ、翔也が、怠けるからやめて頂戴…!

雫香

え~笑

雫香

じゃあ聞くけど執事さん彼女とかいないの?

神崎 翔也

え…っと

神崎 翔也

プライベートなことですのですみませんがそれはお答えできかねます。

雫香

あら、秘密主義なのね。

和田 留美

だからとっとと帰って……!

雫香

なにを焦ってるんだか知らないけど

雫香

今日はお父様に頼まれてきたのよ?

和田 留美

え…っ?

和田 留美

お父様から…!?

雫香

ええ、その反応は聞いてないのね

雫香

まあ、留美に稽古をつけて欲しいってわけよ。

和田 留美

私の稽古…?

和田 留美

和田 留美

まぁ…それなら仕方ないわよね…

留美は渋々、零香と訓練をする事に。

和田 留美

ふぅ……っ

雫香

今回も私の勝ちかしらね?

和田 留美

油断してると、痛い目あうわよ……!

サッ

雫香

……っ…!

和田 留美

和田 留美

雫香

はぁ…はぁ…小さい頃にしては強くなったじゃない…っ

和田 留美

ふうん……?
まだ、強気ね…?

神崎 翔也

はい。ここまでですよ、留美お嬢様?

背後から翔也に肩をポンっと叩かれ、我に返る留美。

和田 留美

和田 留美

わ、わかってるわよ

2連勝負で、小さい頃は2連敗していた留美だったが

今日、初めて2連勝負で宿敵の姉に勝ったのだ。

雫香

雫香

あっそうだ!折角だし

雫香

このあと、私お稽古もないし

雫香

執事さん。いや……

雫香

翔也さ~ん♪あたしとお茶でも如何ですかぁ?

雫香がぶりっ子をし、翔也の腕をギュっと掴むとわざとらしく自分の胸を翔也に押し付けてくる。

神崎 翔也

雫香お嬢様、自分を売るようなことはおやめください。

和田 留美

(やめて……っ)

和田 留美

早く離れて…っ!

雫香

なに、執事を取られて悔しいのかしら?笑

雫香

翔也さん?

雫香

2人きりが嫌なら、3人で行きましょうよ

雫香

私がいい店、紹介してあげるから♪

和田 留美

いや、そういう問題じゃなくて……!

神崎 翔也

それに、私もまだ仕事が御座いますので──

和田 留美

ほっほら!私も翔也も忙しいんだから───

雫香

雫香

あっそれなら安心しなさい?

雫香

お父様と私の執事には連絡済みだから

和田 留美

はっはあ…?!

神崎 翔也

あ、あの…それと、雫香お嬢様の執事は……っ

雫香

ああ、まぁ執事ぐらい1人でもいいわよ

雫香

私達だって、剣士なんだから。ね、留美

和田 留美

た、確かにそうだけど…

和田 留美

和田 留美

(まぁ、ただランチするだけだもんね…っ)

雫香はそう言い残し、普段着に着替えるため、一旦城に戻っていった。

すると突然、留美に翔也が──

神崎 翔也

あの、留美お嬢様…

和田 留美

えっ、あ…翔也…っ?

和田 留美

ご、ごめんなさいね…!

和田 留美

折角の休みなのに付き合わせちゃって…

和田 留美

いつも私の事で疲れている筈なのに……っ

神崎 翔也

私は大丈夫ですよ笑

神崎 翔也

いつもの凛々しい剣士とはまた違った可愛い留美お嬢様をご拝見出来そうなので…笑

いつものように優しい言葉をくれる翔也に胸が熱くなる留美──

神崎 翔也

あっ、それとお嬢様…

和田 留美

……なっ、なにかしら?

神崎 翔也

雫香お嬢様には私達の関係をお話していないのですか……?

和田 留美

ええ。

和田 留美

姉に言うと、また取られそうだから。

神崎 翔也

また、取られる…?

和田 留美

姉と私は住む城が違ったけど

和田 留美

よく私は姉の家に遊びに行っていたでしょう?

神崎 翔也

はい。それはもう毎日のように…

和田 留美

だけど、私が可愛い洋服やアクセサリーを身につけているといつも揉め事が起きたわ。

留美達が幼かった時。

幼い頃の雫香

るみのそれ、かわいい~!

幼い頃の留美

でしょ?

幼い頃の雫香

すかーふ、だっけ?

幼い頃の留美

うん!

幼い頃の留美

たんじょうびにしょうやおにいちゃんがかってくれたんだぁ!

幼い頃の雫香

しょうやおにいちゃんってるみのしつじさんの…?

幼い頃の留美

うん…!

幼い頃の留美

わたし、しょうらいはやさしいおうじょさまになって

幼い頃の留美

しょうやおにいちゃんとけっこんするの…!

幼い頃の雫香

幼い頃の雫香

ほんと、るみはゆめみがちだよね

幼い頃の留美

え?

バッ

幼い頃の留美

きゃっ!

突然、雫香が留美が首に巻いていたスカーフを引きちぎったのだ───

幼い頃の留美

あっ…!わたしのすかーふが…っ

泣きそうになる留美を見ながら雫花は留美のスカーフをハサミで切った。

幼い頃の留美

れいか、ちゃんやめて…!

幼い頃の留美

幼い頃の雫香

るみなんて、じょうおうになれるわけないじゃん!

幼い頃の留美

え…

幼い頃の雫香

ふつう、おねえさまのあたしがなるんだよ?

幼い頃の雫香

るみは、いらないこなの♪

幼い頃の雫香

それに、しつじとけっこんなんかできるわけないじゃん

留美を嘲笑いながらそう言う雫香。

幼い頃の留美

え……?

幼い頃の雫香

としうえだよ?とししただよ?としのさどんだけあるとおもってるの…??

幼い頃の雫香

しかもるみにはなんのとりえもかわいさもないじゃん

幼い頃の雫香

だから、るみのおかしはぜ~んぶわたしのもの!

幼い頃の雫香

もちろん、このあくせさりーもね!!

幼い頃の留美

幼い頃の留美

ひ、ひどいわ……っ!!

幼い頃の留美

ひどすぎるよ…っ……うぅ……っ

幼い頃の雫香

……っっ

幼い頃の雫香

幼い頃の雫香

(そうよ、泣き喚きなさい。そしてあたしを宿敵にしなさい…そうすれば、留美はもっと強くなれる……)

幼い頃の雫香

(あたしは、かわいいシンデレラ(妹)を虐める継母(姉)よ。)

幼い頃の雫香

(私を憎んで、殺意を抱かれたっていい……大切なたった1人の妹の為だもの───)

幼い頃の留美

れいかちゃんなんて……大嫌い……っ!!

バタン───ッ

幼い頃の雫香

幼い頃の雫香

はぁ……えんぎするのとくいなはずなのに…

幼い頃の雫香

だいすきないもうとにあんなひどいことばっかり……あくまね、あたしは。

幼い頃の雫香

って……えんげきかいのジョウオウとよばれるあたしがこんなことでおちこんでたらダメダメ!

自分の頬を2回両手で叩き、気合いを入れる雫香。

神崎 翔也

……!

神崎 翔也

お嬢様、雫香お嬢様がなぜ優しくなかったのか

神崎 翔也

まだ聞いてないんですか…?

和田 留美

え?

和田 留美

そんなの、私の事が嫌いだからに決まって───

神崎 翔也

それは違います!

和田 留美

……えっ

和田 留美

え?…違うって…

和田 留美

和田 留美

どういうこと……?

神崎 翔也

実は、雫香お嬢様が留美お嬢様だけに吉く当たっていた理由は

神崎 翔也

──留美お嬢様を強くする為だったんです。

和田 留美

和田 留美

え………っ?

この作品はいかがでしたか?

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コメント

10

ユーザー

雫香さんは実は優しい性格の持ち主ってことね!

ユーザー

雫香さん、いい人だったんですね…😢✨ 続きがとても楽しみです!

ユーザー

留美ちゃんにお姉さんがいたんだ……!! お姉さん演技が得意とかすごくないですか……!?妹を想ってやってる意地悪…… 今回も最高でした✨ 続き楽しみにしてます🤭

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