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子供の頃 パパとママの歩幅はグレイの倍はあった

だから、追いつくのは大変で ちょっと駆け足にならないといけなくて

パパとママに置いていかれて迷子になったりしないように 背中から絶対に目を逸らさないようにしてた

グレイ

(…速い……)

パパの革靴とママのヒールは いつも一定のリズムでコツコツと鳴ってて

振り向いたり、速さが遅くなったりしたことは 本当に一回もなかった

だからか、滅多に無かったパパとママと出かけた時の記憶は ずーっと置いてかれないように少し息切れをしながら追いかけて

パパの少しカールしている金髪や、ピンと伸びた背筋 ママの長い黒髪が揺れていることくらいだった

だからか、歩く時は他の人たちのことを見る余裕なんて無かったけど

なんでか、異様に目に映っている人達が居た

親子

《手を繋いで歩いてる》

グレイ

幸せそうな笑顔を浮かべながら歩いている親子

大抵の場合は手を繋いでて、 親が子供から目を離してなかった

子供の頃のグレイから見たら、 その人たちの方が異質だったけど

なんでかな

そういう家族を見た時は 大体、胸元がキュッとしてたんだよね

グレイ

あっ!次あそこ行こ〜っ

セレス

はいっ!♡

ステラ

ブラン

ステラちゃん?どしたの?

ステラ

えっ?あ、あぁ…いや…

ステラ

グレイさんって出掛ける時とかいつも

ステラ

大体手握るか歩幅合わせたりしてくれてるなー…って

レグル

俺には全く合わせないよ、彼奴

ブラン

論外はちょっと下がってて

レグル

セレス

まぁ、ですが確かに…

セレス

グレイ様はいつも奴隷である私めのことを気遣って下さいますね

ステラ

ですよね

ステラ

…それが、どうしてかなーって

グレイ

え?あー…

パパとママと手を繋いだことも 一緒に笑ったりしたことも 歩く時に横並びになったことも無い

グレイにとってはそれが普通だったし 多分パパとママにとってもそれが普通だったよね

でもね、おっきくなってから知ったんだけど

普通は親が子供の手首や手をしっかり握って歩くらしいよ

普通は親の後ろ姿じゃなくて横顔や正面からの表情の方が覚えてるんだって

普通は年に一回くらいじゃなくて 一週間一回くらいの頻度で親子で出掛けるんだって

それも、高級フレンチとかじゃなくって 公園や、遊園地とかなんだって

高級だからって良いわけじゃないんだって パパとママは知ってた?

…手を繋ぐ理由…か

なんだろ…

グレイ

…だって、

グレイ

寂しいじゃんか

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