TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ウタイテ!

一覧ページ

「ウタイテ!」のメインビジュアル

ウタイテ!

2 - 地味なわたしと、人気者の彼

♥

502

2024年04月09日

シェアするシェアする
報告する

じゃあ、そういうことで!

行きましょー!

続きどうぞー

ウタイテ!知らない人は、この物語読んでねー

⚠️注意⚠️

長くなります

私の名前は内藤ないこ

どこにでもいる普通の中学一年生。

好きなのは、絵を描くことと静かな場所。

苦手なのは、目立つことと…………男の子。

悠莉

ないこ!おはよう!

朝。学校の近くで、親友の悠莉ちゃんと会った。

悠莉ちゃんとは、小学五年生のころからずっと仲良しの友達。

ないこ︎︎ ♀

悠莉ちゃん、おはよう!

悠莉

一緒に行こ〜

ないこ︎︎ ♀

うん!

笑顔でうなずいて、ふたり並んで歩いた。

私は、私立天空学園と言う中学校に通っている。

校舎がきれいで

お城みたいな学校。

制服も可愛くて

女の子から人気みたい。

私がここを選んだ理由は校舎や制服じゃなく、

学校推薦をもらうことができたから。

学費が高い中学校だけど

特待生として学費免除で通うことができているんだ。

もちろん、勉強は頑張らなきゃいけないから

学年三位の成績をおさめるという

特待生の条件を守るため勉強を頑張っている。

学校が大好きだから、毎日が楽しい

悠莉

にしても、この建物いつ見てもでかいよねぇ

学校の隣に立っているおうちを見て

悠莉ちゃんが顔を引きつらせていた。

お城みたいな学校の隣には、本物のお城があるんだ。

ここには、理事長が住んでいるとか…………

こんなおうちに住めるなんて、理事長は、お金持ちなんだろな……。

そんなことを思いながら、正門をくぐった。

ふたり並んで、一緒に教室に向かう。

悠莉

あー、外暑かった〜!

悠莉ちゃんは手でパタパタと風をつくるようにあおいでいた。

今年は例年より暖かく、

まだ五月の下旬なのに

夏本番くらいの暑さだ。

ないこ︎︎ ♀

毎日いい天気だね

私も暑さに強い方ではないけど、

真っ青な空を見るのは好き。

今日も、一点の曇りもない青い空が広がっていた。

ないこ︎︎ ♀

(気持ちがいい朝だなぁ)

廊下の窓から空を見ながらそんなことを思っていたとき、誰かとぶつかった。

ないこ︎︎ ♀

きゃっ……

悠莉

……ないこ!

思わずふらついたけど、悠莉ちゃんが支えてくれたからころばずにすんだ。

男の子(なんでぶつかってんねん‪💢

あ、ごめん!

ぶつかった相手は、男の子だった。

男の子だと気づいた瞬間、

私の身体が金縛りに会ったみたいにこわばってしまう。

怖いという感情が浮かんで、思わず視線を下げた。

ないこ︎︎ ♀

こ、こちらこそ、ごめんなさいっ……

相手と目を合わせないまま、私も謝る。

ないこ︎︎ ♀

(って、感じ悪いかな……)

悠莉

ないこ、大丈夫?

ないこ︎︎ ♀

う、うん、平気。悠莉ちゃんありがとう

悠莉

あいつ、ちゃんと前見て歩きなさいよね

悠莉ちゃんははっきり言えるタイプの女の子だから

そう言ってさっきぶつかった子をにらめつけていた。

悠莉

行こ!

悠莉ちゃんが私の手を引っ張って、歩きだす。

ないこ︎︎ ♀

(はぁ……怖かった……。)

ないこ︎︎ ♀

(悠莉ちゃんが一緒にいてくれてよかった……。)

ないこ︎︎ ♀

悠莉ちゃん、ありがとう

悠莉

もー、何回もお礼なんていらないって!

そう言って微笑んでくれる悠莉ちゃん。

私はいつも、悠莉ちゃんに助けてばっかりだ。

男の子(なんでぶつかってんねん‪💢

なあ、今のって内藤ないこ?

さっき、ぶつかった男の子の声がうしろから聞こえた。

男の子(なんでぶつかってんねん‪💢

噂には、聞いてたけど、ほんと地味だなぁ

男の子2(何、喋ってるんだよ‪💢

男の子嫌いらしいぜ

男の子(なんでぶつかってんねん‪💢

えー?べつにこっちもあいつにようなんてないよな

こそこそとはなしてる会話の内容に、ちくりと胸が痛んだ。

悠莉

なにあいつら!ムカつく!!

悠莉ちゃんも聞こえていたのか、

鬼の形相で振り返った。

ほうっておいたら、このままあの男の子たちに

つかみかかっていきそうな勢いだ。

ないこ︎︎ ♀

ゆ、悠莉ちゃん、落ち着いて……!

私は、ぎゅうっと悠莉ちゃんに抱きついて

必死に悠莉ちゃんをなだめる。

私のために怒ってくれるのはうれしいけど、

悠莉ちゃんが誰かとケンカしちゃうのはイヤだっ……!

悠莉

放してないこ!いっぱつ殴ってやる!

ないこ︎︎ ♀

わ、私は平気だから……!

そう言えば、悠莉ちゃんは納得してくれたのか、

振りあげていた腕を下ろした。

悠莉

はぁ……もー、ないこもいいかげん、こんな地味な格好するのやめればいいのに!

悠莉ちゃんが言っているのは、このメガネと、シンプルにふたつくくった髪型のことだと思う。

私はいつも、分厚いメガネをかけているから。

ないこ︎︎ ♀

(ちなみに視力はどっちも2.0でとてもいい。)

このメガネも伊達メガネ。

悠莉

あたし知ってるんだから!ないこがメガネ外したら、めちゃくちゃかわいいこと!

ないこ︎︎ ♀

か、かわいくないよ……

実は、悠莉ちゃんとふたりきりのときはメガネを外している

家でもつけないし

つけるのは外に行くときと、学校にいる間。

悠莉

あいつらも、空の素顔見たらびっくりするんだから……!

ないこ︎︎ ♀

(びっくり……?)

ないこ︎︎ ♀

(私はメガネがあってもなくても、そこまで見た目に変化はないと思うけどな……?)

悠莉

髪型はいいけど、せめてメガネ外しなよ

ないこ︎︎ ♀

でも……メガネなきゃ、怖くて顔も見られないから、これは手放せなくて……

このメガネは、私にとってお守りみたいなものだ。

ないこ︎︎ ♀

(男の子が苦手になったのは、まだ小学校低学年の時だ)

私はいつもクラスメイトの男の子たちからからかわれたり

いじめられていた。

男の子(何悪口言ってんねん‪💢

ブスだ!

って言われたり

ないこ︎︎ ♀

きゃっ//

スカートをめくられたり……

そんなイヤがらせを受けて、

いつの間にか男の子が怖くなってしまったんだ。

学校に行くのも怖くなって、一週間家に引きこもった。

そんな私に、お母さんがこのメガネをくれだんだ。

お母さん(ないこ)

どう?レンズ越しなら、怖くない?

次の日メガネをかけて学校に行くと、少しだけ恐怖心が薄れていた。

この一枚が、私と男の子たちの間に壁をつくってくれているみたいで

安心できたんだ。

ないこ︎︎ ♀

(それから……私はこのメガネを、手放せなくなった。)

悠莉

ま、ないこがいいならいいけどさ〜。

悠莉

でも、ないこが地味だって言われるのは許せない!

瞳の奥に、メラメラと怒りの炎を燃やしている悠莉ちゃん。

ないこ︎︎ ♀

悠莉ちゃん、いつも私のことで怒ってくれてありがとう

ないこ︎︎ ♀

(こんな親友をもって……私は幸せだなぁ)

と、感じた。

悠莉

も〜!かわいいなぁ〜!

悠莉ちゃんが、ぎゅっと私を抱きしめてくれる。

悠莉

優しいないこはなにも言い返さないから、あたしがそのぶんやり返してやるんだから!

ないこ︎︎ ♀

(ふふっ、ありがとう悠莉ちゃん。)

本当は口に出して言いたかったけど、また言いすぎだって怒られる気がしたから

心の中でお礼を言った。

教室に着くと、仲のいいクラスメイトたちが集まっていた。

クラスメイト

あ、ないこと悠莉、おはよ〜!

みんなに

ないこ︎︎ ♀

おはよう

と挨拶を返して、席に着く。

クラスメイト

ねえ、昨日のいれいすの新曲聴いた!?

クラスメイト2

聴いたよ〜!今回も最高だったよね

みんなが話を始めて、私はその話題に首をかしげた。

ないこ︎︎ ♀

いれいす……?

ってなに……?

ないこ︎︎ ♀

(なんだか、聞いたことあるような、ないような……。)

クラスメイト

え……まさかないこ、知らないの?

友達のひとりが、驚いた顔で私を見ている。

クラスメイト2

もー、この前も教えたじゃん!

クラスメイト2

今超人気の歌い手グループ!

ないこ︎︎ ♀

(そういえば……聞いたような……。)

悠莉

空は男子が苦手だから、そういうのには興味ないんだって

そのとおりだけど、興味がないとはいえ友達から聞いた話を

忘れていたことに、申し訳ない気持ちになった。

クラスメイト

それにしても、いれいす知らないのはやばいよ……!

クラスメイト2

もう女子の間ではその話題で持ちきりだよ!

ないこ︎︎ ♀

(そうなの……?)

クラスメイト

ネットで活動してる五人組グループなんだけどね、もう最高なの!

くわしく知らない私に、みんながあらためて説明してくれる。

クラスメイト2

顔出しはしてないんだけど、全員超美声で、トークもおもろいし

ないこ︎︎ ♀

(ネットで、活動しているって……動画配信、とかかな?)

ないこ︎︎ ♀

(最近は、いろんなタイプの人がいるって聞くけど……ネットの配信でグループ活動までできるんだ。)

どうやらみんなそのグループに夢中らしく、「いれいすの話?」とほかのクラスメイトたちも集まってきた。

クラスメイト

あたしは初兎くん推し!

クラスメイト2

あたしはいふくん!

ないこ︎︎ ♀

初兎?いふ……?

口々にみんなが言う単語に、また首をかしげる。

クラスメイト

メンバーが好きな物とかの名前なの!

クラスメイト

りうらと-hotoke-と悠佑と、初兎といふ!

ないこ︎︎ ♀

(なるほど……。)

ないこ︎︎ ♀

そうなんだ……

クラスメイト

もー、反応薄い!

ないこ︎︎ ♀

(そ、そうかな?)

男の子が苦手だからか、男の子に関する話題には昔から無頓着というか……

ないこ︎︎ ♀

(どう反応をしていいのかがわからない。)

ないこ︎︎ ♀

(とにかく、いれいすさんっていうグループが人気なことはわかった。)

(もう忘れないように、覚えておこう)

クラスメイト

それよりさ、今月の『レイン』読んだ?

急に変わった話題に、びっくりして肩が跳ねる。

ないこ︎︎ ♀

(話題が変わったことにびっくりしたんじゃなくて……その"内容"に対して。)

レインというのは、女子中高生に大人気の少女漫画雑誌。

クラスメイト2

見た見た!今回もめっちゃおもろしろかったよね!

クラスメイト

とくに"凪衣"先生の漫画が面白かった!

ーギクッ。

さっき以上に身体から大きな効果音が鳴った気がした。

ないこ︎︎ ♀

(この話題だけは、避けたいのに……!)

クラスメイト3

わかる!凪衣先生のイラストほんとにかわいいよね!

クラスメイト3

あたしSNSもフォローしてるもん!

みんなが、スマホを取り始めた。

ちなみに、私の中学校は私立で、スマホの持ち込みはオッケーだ。

ただ、授業中は電源を切っておかなきゃいけなくて、スマホがなったら没収になっちゃう

クラスメイト

見て!昨日投稿されたイラストも超かわいい!

ひとりの友達が、そう言って"凪衣"のイラストを見せてきた。

ないこ︎︎ ♀

(ひぃっ……)

と、思わず心の中で悲鳴をあげる。

クラスメイト2

って、フォロワー十万人もいるんだ……!

完全に凪衣の話題になってしまって、私は耐えきれず立ち上がった。

ないこ︎︎ ♀

ちょ、ちょっとお手洗い行ってくる……!

近くの空き教室に入って、

ないこ︎︎ ♀

ふぅ……

と息を吐く。

ないこ︎︎ ♀

(あ、朝からひやひやした……。)

ないこ︎︎ ♀

(実は……私にはひとつだけ、秘密がある。)

ないこ︎︎ ♀

(それは……漫画家として、活動してること。)

本名ではなく、『凪衣』というペンネームで活動している

さっきみんなが話していたのは……まさに私のことだった。

昔から絵を描くことが好きで、

趣味で漫画を描いていた。

そして、小学生コンテストが開催されていたから応募してみたら……なんと、賞を受賞して

デビューできたんだ。

ないこ︎︎ ♀

(小学五年生で、賞をとって、今も漫画を連載している。)

SNSでもイラストをアップしていて、気づけばいつの間にか、フォロワーは十万人規模になっていた。

ないこ︎︎ ♀

(でも、このことは誰にも内緒。)

だって……私があの漫画を描いているって知ったら、恥ずかしいから……!

べつに恋愛漫画ではないけど、バレちゃうこと自体が恥ずかしいんだ。

ああやって自分の作品の感想を聞けるのはうれしいけど……同時にバレないかなってひやひやしちゃう。

ないこ︎︎ ♀

(もう少しここにいてから、教室に戻ろう)

ないこ︎︎ ♀

(その時までには、話題が変わっているといいな……。)

そう思ったとき、突然教室の扉が開いた。

りうら

あ、やっぱり内藤だ

現れたのは……クラスメイトの男の子だった。

ないこ︎︎ ♀

お、大神くん……

大神 りうらくん。彼は唯一私に話しかけてくれる男の子。

クラスで一番身長が高くて

さわり心地がよさそうな赤い髪がトレードマーク。

笑うとえくぼができる

人あたりのよわいさわやか系の男の子。

りうら

さっき、この教室に内藤が入っていくのが見えて……あせってるみたいだけど、なにかあった?

ないこ︎︎ ♀

う、ううん、なにもいです……!

ないこ︎︎ ♀

(もしかして、心配して来てくれたのかな……?)

大神くんは、ほかの男の子とは少し違う。

ないこ︎︎ ♀

(私が男の子が苦手だっていうのは、クラスの男の子はみんな知ってる。)

だから、男の子たちはわざわざ地味な私には話しかけてこない。

でも、大神くんだけはいつも挨拶をしてくれるし、こうして声をかけてくれる。

ないこ︎︎ ♀

(私だから特別声をかけてくれてくれているわけじゃないってことも、もちろんわかっている。)

ないこ︎︎ ♀

(大神くんは、クラスの人気もので、誰にでも優しいから。)

りうら

なにもないならよかった

笑顔を浮かべた大神くんは、そのまま教室から出ていくかと思ったらなぜか空き教室の中に入ってきた。

りうら

俺もここにいていい?

ないこ︎︎ ♀

(えっ……ど、どうして……!?)

ないこ︎︎ ♀

(大神くんのことは尊敬してるし、ほかの男の子よりは苦手意識がないけど……ふたりきりになるのは、ちょっと……。)

大神くんが優しい人だってことはもちろんわかってる

けれど、ただ男の子ってだけで……どうしても怖いと思ってしまうから。

りうら

ダメ?

ないこ︎︎ ♀

(ど、どうしよう……いい人だから、断りづらいっ……。)

ーキーンコーンカーンコーン

まるで、私に助け舟を出すみたいに、

ちょうどいいタイミングで予鈴のチャイムが鳴った。

ないこ︎︎ ♀

あっ……予鈴……!私、教室に戻ります……!

わざとらしいくらい大きな声でそう言って、逃げるように空き教室を飛び出した。

ないこ︎︎ ♀

(大神くん、ごめんなさいっ……。)

それにしても……今日は逃げてばかりで疲れたな……

ないこ︎︎ ♀

(あはは……。)

続き ♡=1000(欲張りすぎ?)

この作品はいかがでしたか?

502

コメント

2

ユーザー

好き💕 やっぱウタイテ!おもろいしキュンキュンするわぁ! パロ最高!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚