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キヨくんが固まったまま、微動だにしなくなった
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そう小さくつぶやき、大きな手で顔を覆った
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そう言うキヨくんの耳は、真っ赤だった
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ky
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双方顔を赤く染め、目を逸らす
でも、ずっとこうしてるわけにもいかない
意を決して、顔をあげる
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ピクリと眉を動かし、恐る恐る顔を上げるキヨくん
その顔は、不安で満ちていた
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気づけば、そう口に出していた
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ky
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そこまで言って、口をつぐんだ
…どうやら、予想は的中したみたいだ
rt
彼は驚いた顔をしていた
とにかく、キヨくんを安心させたかった
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早く安心させたいのに、言葉が喉をつかえて出てこない
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声が震える
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またも、声が出なかった
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顔がひきつり、額に汗が滲む
ドクドクと脈が速くなっていく
rt
あの出来事と同じ、喉がどんどん渇いていく感覚
俺、また「怖い」って思ってるの?
また、焦ってるの?
まだ、成長できてないの?
…前に、進めてないの?
あんだけキヨくんに「大丈夫」と言ってきたくせに?
ky
呼吸が浅くなり、視界が暗く狭くなっていく
…結局、誰よりも怖がっているのは、勇気が出ないのは、自分の気持ちに目を背けてきたのは、相手を見れてなかったのは…
俺の方、だった……
ky
彼に呼ばれ、ハッと顔を上げた
目線の先には、心配そうに俺を見つめるキヨくん
ky
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rt
彼の言葉でぐっと込み上げてきた熱い何か
気づけばまた、その熱は俺の頬を濡らした
もう何回目かもわからない
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キヨくんは石のように硬直した
すぐにハッとして、慌てて
ky
行き場を失った手は空を切り、オロオロしている
ky
髪をぐしゃぐしゃと掻く
ky
悔しそうに、そう呟いた
ぼたぼたと落ちる涙を拭いもせず、俺はただ立ち尽くしていた
「違うよ、キヨくん。」
「どうか謝らないで。」
今すぐに伝えたいのに、喉奥になにか詰まったかのように息苦しい
その間も、涙は止まらない
ねぇ、キヨくん。
俺、やっと気づけたよ。
…俺、逃げてたの。
今までずーっと、自分の気持ちから。
自分の気持ちを大事にしなきゃいけないのに、無意識のうちに蓋をして、気づかないようにしてたの。
今の関係が崩れるのを、恐れて。
キヨくんの気持ち、今では痛いほど分かるよ。
伝えたくても伝えられない、もどかしさ。
自分の想いに蓋をしたとしても、その想いを持っていたことに変わりはないこと。
そして、それらは…とても辛く耐え難いものだってこと。
それがもし、相手のためを思っての行動なら尚更…
…ごめんね、キヨくん。
許す、許さない、の問題ではないけれど。
俺の未熟さがきっと、キヨくんの気持ちを傷つけて、重ねるように蓋をしてしまってたんだね。
俺に気持ちを打ち明けるまで、辛さや悲しさを背負わせてしまってたんだね。
キヨくんを心配させたのも、不安にさせたのも、気を遣わせたのも。
全部全部、未熟者である俺が招いた結果。
…カッコ悪いのは、俺の方だよ。
rt
俺は…どうしようもない奴だ。
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静かだった
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何を言われるのか、怖くて仕方がなかった
でも、逃げないと決めたから
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彼は続ける
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彼は、俺の冷えきった手をぎゅっと包みこんだ
ky
彼の手は熱を帯びていて、力強くて
泣きたくなるくらい、心地いい
ky
そう言うと彼は、ぽすっと俺の頭に手をおいた
あの時と同じように、髪を梳くように優しく撫でてくれて…
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ky
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俺をまっすぐ見つめるその瞳は、真剣そのものだった
そしてキヨくんは、俺と目線を合わせるように少し屈んで
ky
噛み締めるように、ゆっくりと呟いた
rt
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ky
ky
ky
ky
”ちゃんと聞くよ、最後まで"
rt
心臓がはねた
それは、俺が今までキヨくんへ伝えてきた言葉たちだった
rt
その言葉は、表面上の慰めでもお世辞でもない
それは、俺がいちばん分かっている
…もし、俺の言葉で、彼の心が救われていたのなら
俺の過程は、選択は、少なくとも間違ってなかったのかな
だって今、心がふわっと軽くなったから
rt
やっと出た声は、小さく掠れていた
脈拍も落ち着きを取り戻していた
ky
彼はニカッと笑って
ky
rt
「俺ら」という言葉に、深い意味はないのだろう
だが俺は、どうしてもそこに意味を見出してしまっていた
ky
目尻を下げ、柔らかく微笑むキヨくんの揺れる瞳に、俺が映る
rt
今の俺は、彼の目にどう映っているんだろう
俺は自分を客観的に見ることはあまりない
が、二つ確定していることがある
一つは…
顔が、身体が…赤く、芯まで熱く火照っていること。
そして、もう一つ
今、彼に向けている感情が…以前とはまるで別物になっていることだ。
To be continued...