また昔聞いた あの話を思い出した。
過酷な場所を出たくても 出られなかったあの子達と同じ様に。
竜胆
竜胆
なんもなかったけど?
竜胆
取り敢えず病室は抜け出したものの、 こりゃ私どうすりゃいいんだ。 傷も多少マシになっているが、 ジンジンとほのかに痛い
竜胆
今は行かねー方がいいけど。
竜胆
竜胆
竜胆
また何か無くなるかもだろ?笑
っと、私は部屋を出た。
竜胆
言わなくてもいーじゃん。
俺の心臓が少し ギューーっと なるのを感じた。
と、出たはいいものと、 私マイキーの部屋なんて しらねぇんだよなぁ
ちょうどいいのが居んじゃん
ココ
ココ
いーねいーねー
ココ
毒薬とかでやられとく?
ココ
ココ
似たような死に方だな
ココ
ココ
ココ
ココ
ほかの幹部たちの部屋と並んでるぞ
ダメナビ
ココ
ココ
ココ
ここから2階上にあがれ
ココ
さすがの貞子も老けたか、
ココ
ココ
ココ
って言ってたのに?
お前の方が老けてんじゃねぇか
ココ
ココ
年中不調貞子ー
ココ
ココ
なんであいつがここにいんだ……?
ココ
幻覚と幻聴まで見始めたか……
ココ
エレベーターは乗ろうとしたら 何か嫌な気配、 というかどっかのキス魔が 居そうな予感がしたので、 階段を駆け上がって来た。
長々とした病室暮らしで 体力が落ちているのか すぐ息が上がった。 今考えるとこんな広い場所で よく顔見知りに会えたな なんて思う。
私のこと知らない奴と 会っていたら間違いなく心臓を 貫かれていただろう。 恋では無いからな。 断じて違うからな。
あの貞子型ナビ
お望み通り霊界と言うなの 住処に送ってやろうかなあいつ。 まぁ、デスク周りだけしていると言っても腐っても反社。 そこそこというか 幹部なんだからもちろん私よりも 強いだろう。
マイキーの声じゃん
部屋を見る限り、 相当暴れたのか 物はわれたり床に落ちていたり と悲惨な状態に。 電気は着いておらずそこそこ暗い。
ベッドの隅にはジップロックに 入っている薬が置かれている
と、ゆっくり近寄り声をかける 近寄って見た顔は、 涙でぐちょぐちょ 狂っているかのような表情 をしていた。
どうしたのかねぇ…
と思うと私にばっと 抱きついた。
猫かよお前は
佐野
満更でもないかのように 目の前のクロネコを撫でた。 未だ静かに こちらに甘えているように見える。
目元を優しく少し擦る。 だが何も答えない。
今のお前すんごく。
佐野
やっと言葉を発したかと思えば、 結構どうでもいいことだった。 そんな問題私にとっての 回答はたった1つだ
今みたいにうじうじ
してないし話してて
楽しかったよ
クソうぜぇけど
嫌いでは無い
佐野
そうだなぁ
頭をばっと私の顔が見えるくらいまで 頬を掴んで持ってきた。
昔より可愛げがある笑
佐野
そこでやっとこいつが寝るのを感じた。 ほんっと今も昔もめんどくせぇよ お前は、 二重の意味でだけど。
なんもみんなよ。
不良の夢見て外れる くらいだったら、 最初から何も見ないで。
夢見るのは、 いい事ばかりじゃないから。