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哀歌
何も無い部屋が、広く感じた。
私にまとわりついた温もりが、
すぐに冷えていく。
沢山泣いて、疲れてしまっていたのだろう。
気がつけば、目は閉じていた。
サッチの師匠
サッチの師匠
サッチの師匠
サッチが消える数分前――
in 廊下
哀歌
ドアに手をかけたが、
入るようなことをせず、少しの隙間から見ていた。
サッチの師匠
彼は、未練がなくなってしまったのだろう
もう、この世には、いられなくなってしまったのか。
彼女は、沢山泣いていた。
結局、俺以上に泣かせてやがる
そんな文句を言ってやりたかった
しかし、部屋の中に入る雰囲気ではなかった
死者の話を持ち出すのは、
きっと辛かったのだろう。
サッチが笑った姿を、久々に見た。
神はそんなふたりをまた引き離す。
可哀想、だなんて他人事じゃねぇ
俺の能力で、出来ることなら救ってやりたかった
でも、出来ることはわからなかった
きっと、最後の二人の時間だ。
俺は、邪魔にならないように見ていた
ただ、消えゆく弟子を。
1人の、可哀想な男を。
それと同時に、自身の能力を恨んだ
見えて、触れて、それだけしか出来ない能力を。
彼女は、サッチがいなくなっても泣いていた
すると、疲れてしまったのか、
そのまま、寝てしまっていた。
彼女を1人にできず、ドアを開けて入った
いや、サッチの部屋に入りたかっただけか。