君の恋のお話

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

僕が教室を開けたところで

生徒は静かにはなりませんでした

だけどみんな

ある人を気にしながら話しているみたいで

そのある人に視線を向けると

そこには

イケメンが立っていました

彼には人を魅了する力があると確信しました

僕も

彼に目を奪われました

彼は少しも笑わずに

こちらを見つめています

僕は気づきました

きっと

いじめの主犯格は彼なのでしょう

人をランク付けするような

あの目

権力者しか出来ません

ではいじめの被害者は誰なのでしょう

僕は探しました

そして見つけたのです

教室の隅で

数人の男子生徒に囲まれて

縮こまっている男の子を

僕はこれまでで

こんなに胸糞悪いものを見たことがあったでしょうか

いえ

きっとありませんでした

これが人間の本質で性質

それは分かっているのですが

僕は

耐えられるのでしょうか

まさか声をかけられるとは

なんと！

彼は意外にも優しい気がします

もっと極悪非道な人間かと思いましたが

もしや彼がいじめの主犯格ではないのでしょうか

訂正します

この律輝という男は

悪魔でしょう