君の恋のお話

警戒しないでよと言われても

貴方の言葉1つで誰かの人生が変わるなんて

警戒しないはずがないと思います

彼はいじめられている生徒の事を

ドブネズミと言っているのでしょうか…

国語が得意なのかな…ではなくて

彼は本当に人間のなのでしょうか

自分の言葉のせいで

人1人の人生がめちゃくちゃになっているというのに

彼は無関係という顔をしている

これはいつか刺されて死ぬやつですね

先程まで男子生徒をいじめていた男達は

顔色を変えてそそくさと席に戻って行きました

彼は可愛らしく首を傾げます

可愛い…ではなく

なぜ彼は僕に優しくするのでしょうか

僕らは初対面です

面識はありません

僕に優しくする理由はなんでしょう

彼はほんの少しだけ微笑みます

彼は美形なので笑顔はとても綺麗です

では無意識という事でしょうか

なぜいじめられっ子の生徒に

それをしてあげなかったのでしょう

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

やっぱり彼は優しい…

僕は席につきます

とりあえず転校初日は

色んなことがあったけど

クリアでいいのでしょうか…

僕はそんな呑気な事を考えていて

いじめられっ子の生徒からの

視線に全く気づきませんでした