しかし凪菜が学校に来る事はなかった
神崎さとり
先生!
先生
なんですか?
神崎さとり
凪菜の家ってどこですか?
先生
凪菜さんの家に……?
神崎さとり
はい、プリントをとどけようと思って
先生
それが……
先生
凪菜さんは転校したの、
神崎さとり
えっ?
神崎さとり
どういう事ですか?
先生
本人が言わないで欲しいって言ったから言えなかったんだけど……
神崎さとり
転校先の学校ってどこですか?
先生
それは先生も知らないの。
ごめんなさいね……
ごめんなさいね……
神崎さとり
そ、そんな……
その頃凪菜は……
凪菜
……
凪菜
…両親ってどんな顔だっけ…
友達a
凪菜、帰ろ〜。
凪菜
うん
凪菜
(神崎君元気かな?)
3ヶ月後
凪菜
寒いな〜
凪菜
もう12月だし、スカート長くするかな
凪菜
帰りだし肉まんでも買っていこう
神崎さとり
ね、ねぇ
凪菜
えっ?どちら様…
凪菜
神崎君!
神崎さとり
はあはあ、はぁ
凪菜
走って来たの…?
神崎さとり
う、ん
神崎さとり
久しぶり
凪菜
久しぶり
神崎さとり
僕…ごめん!
凪菜
な、何を…
凪菜
両親のことなら…
凪菜
もう悲しくないよ
神崎さとり
じゃあなんで泣いてんの?
凪菜
別に泣いてな…
凪菜
あれっ?なんで私…
神崎さとり
強がらないで、僕には本音で話してよ、お願い…
神崎さとり
僕、凪菜の事分かってたのに…
ついて行かなかったし、連絡だってしなかった……
ついて行かなかったし、連絡だってしなかった……
凪菜
わた、し…
凪菜
私のせいで両親が死んだの!
凪菜
私が忘れてしまうから…だから私は今度こそ忘れないようにって思ってたのに……なんで……
神崎さとり
忘れてしまった…?
凪菜
う、ん
ギュッ
凪菜
……
神崎さとり
泣くなよ!
神崎さとり
凪菜が何かを忘れても僕は覚えてるから…だから死にたいとか思わないで、苦しいなら助けを求めて欲しい
凪菜
あり、がと
神崎さとり
うん
現在に戻る
凪菜
あの事件に関わったりその時期によく話していた人は覚えてるの……
神崎さとり
大丈夫?
凪菜
うん、もう泣かないって決めたから
凪菜
…あっ!そろそろ時間だ
私帰るね!
私帰るね!
神崎さとり
うん分かった
凪菜
あっ、そういえば神崎君の好きな人って誰だったの?
神崎さとり
秘密
神崎さとり
だけどその好きな人は現在進行形だよー
凪菜
一途なんだね
神崎さとり
……うん
凪菜
じゃあバイバイ
神崎さとり
また会おうね
カフェを出た
凪菜
あっ!もうこんな時間ハルくん待ってるかな?
マンションに着いた
凪菜
私の家のドアの前に誰かいる…ってハルくんだ!
ハルくん
あっ!お姉さん
凪菜
わざわざ外で待ってなくていいのに
ハルくん
じゃあ僕の部屋で待ってて
凪菜
ハルくんはどこかへ行くの?
ハルくん
ちょっと近くのコンビニに
ハルくん
紅茶が無くなってたから…
凪菜
(なんか元気ない?)
凪菜
なんか元気な……
神崎さとり
ドアあいてるから入ってて
凪菜
あ、うん
凪菜
行っちゃった…
ハルくんの家に入った
凪菜
お邪魔します
凪菜
前に1人暮しって言ってたから散らかってるのかなって思ってたけど凄くキレイに片付いてる。
凪菜
あれ?
凪菜
このハンカチ見たことがあるような
凪菜
でも男の子がなんで女の子っぽいハンカチを持ってるんだろう?
ハルくん
あっ……
凪菜
戻って来るのはやかったね
ハルくん
そのハンカチ……
凪菜
コレ見たことあるんだけど思い出せないんだ
ハルくん
お姉さんが思ったより元気でよかった
凪菜
あっ、倒れた事なら迷惑かけてごめんね
ハルくん
ううん
ハルくん
やっぱり覚えてない、か
凪菜
ん?
ハルくん
僕お姉さんと会ったの引越しの時って言ったけどうそなんだ…
ハルくん
本当は僕が小学生の時からお姉さんが人の顔を覚えられないの知ってたんだ……