木鷺 凜鬼
ねえ、菊
保萩 菊
なあに?
木鷺 凜鬼
僕は....君のことが好きだよ
保萩 菊
.......告白?
木鷺 凜鬼
うん、だからこの銀木犀を受け取ってください
保萩 菊
私も凜鬼の好きだよ
菊は凜鬼から銀木犀(ぎんもくせい)を受け取った
保萩 菊
でも、金木犀と銀木犀の違いって何なのかしら
木鷺 凜鬼
よく見てみると分かるよ
葉の形とか違かったりするんだ
葉の形とか違かったりするんだ
保萩 菊
そうなのね!
保萩 菊
私は花言葉に特化してるけど花の違いはあんまり分からないの
菊はふふふと静かに笑う
木鷺 凜鬼
逆に僕はそれが羨ましいよ
僕は花に特化しているが花言葉には疎いからね
僕は花に特化しているが花言葉には疎いからね
保萩 菊
そうなの?!
保萩 菊
ってことは私達2人が合わされば最強ね!
木鷺 凜鬼
そうだね笑
数年後 僕達は結婚した
保萩 菊
私はとっても幸せだわ
木鷺 凜鬼
そうか
保萩 菊
凜鬼はどう?
木鷺 凜鬼
僕だって君と結婚出来てとても幸せだよ!
保萩 菊
ですよね
木鷺 凜鬼
なあ、これからどうする?
保萩 菊
花屋でも経営しちゃう?
木鷺 凜鬼
それ、いいね!
保萩 菊
でしょ?
木鷺 凜鬼
僕達の可愛い子供達が巣立っていくんだよね
保萩 菊
例え方が面白いわね笑
たしかに自分達で育てた花が他の人に渡って
幸せになる....良い未来だね
たしかに自分達で育てた花が他の人に渡って
幸せになる....良い未来だね
木鷺 凜鬼
だね....良い未来だ
数日後
保萩 菊
ゴホッ....苦しい
木鷺 凜鬼
菊....?何飲んでるんだ?
保萩 菊
あ...睡眠薬...最近 寝付きが悪くてね
保萩 菊
大丈夫よ 病気とかの薬じゃないから
木鷺 凜鬼
そ、そうか
木鷺 凜鬼
あまり、無理はするなよ?
保萩 菊
うん!ありがとうね
木鷺 凜鬼
(チラリ)
抗癌剤....か
木鷺 凜鬼
なあ、お前は癌....なのか?
保萩 菊
えっ...?何言ってるの?
木鷺 凜鬼
だって、抗癌剤って癌の薬だろ?
木鷺 凜鬼
最近 髪の毛 抜けてきてるし
木鷺 凜鬼
思い違いか?
保萩 菊
髪の毛はわざと抜いてるのよ...そう癌じゃない
木鷺 凜鬼
隠すなよ!なあ、癌なんだろ?
保萩 菊
....うん...癌だよ?
保萩 菊
発見が遅くなってもう、死ぬのを待つしかないの でも最後の希望に賭けて薬飲んでるの わかる?
木鷺 凜鬼
そんな薬飲んだって
木鷺 凜鬼
治らないんだろ!
保萩 菊
もしかしたら治るかもしれないし 少し長く生きれるかもしれないじゃない!
保萩 菊
わかってよ....
木鷺 凜鬼
っ....
木鷺 凜鬼
(でも...でも)
木鷺 凜鬼
俺はおまえに生きてて欲しいけど
お前が変わって窶れていくのを見ていたくない。
お前が変わって窶れていくのを見ていたくない。
保萩 菊
窶れてなんかいない!私は元気よ!
木鷺 凜鬼
嘘つけよ...目が虚ろになってるんだよ
話も聞いてないだろ?
話も聞いてないだろ?
保萩 菊
そんな...訳
木鷺 凜鬼
なあ、菊...もう薬なんて飲むなよ
木鷺 凜鬼
潔く死のうぜ
保萩 菊
.......うん...とは言わないから
保萩 菊
私は私のやり方で長く生きていく
木鷺 凜鬼
....そうか...そうだよな
木鷺 凜鬼
じゃあ、頑張ろう
木鷺 凜鬼
僕は応援するよ
保萩 菊
ありがとう
3ヶ月後 菊は言い渡された寿命より1ヶ月長く生きた
木鷺 凜鬼
なあ、菊...あの3ヶ月間 僕は不安だったよ
木鷺 凜鬼
さあ、今日は秋の花を持ってきたんだ
木鷺 凜鬼
僕 彼女出来たんだよ
木鷺 凜鬼
この花の名前はシュウメイギクって言ってね
木鷺 凜鬼
花言葉はね
薄れゆく愛
木鷺 凜鬼
僕が君にあげた銀木犀の花言葉は初恋
木鷺 凜鬼
君ならこの言葉の意味 わかるよね?