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主
主
夜は、やけに静かだった。 時計の音だけが、 やけに耳に残る。 眠れない夜なんて、 もう慣れてるはずなのに。 今日は、少しだけ違った。 理由は分からない。 ただ、落ち着かなくて—— 気づけば、外に出ていた。 冷たい空気が、頬に触れる。 見上げた先には、 やけに綺麗な月。
Abe
小さく笑ったその瞬間
Meguro
知らない声が、すぐ後ろから落ちた。 心臓が、跳ねる。 振り返ると、そこにいたのは—— 見覚えのない男。 でも。 なぜか、目が離せなかった。 月明かりに照らされたその顔は、 どこか冷たくて。 なのに、 引き寄せられるみたいに綺麗だった。
Meguro
軽く笑いながら、近づいてくる。 距離が、少しずつ縮まる。 逃げた方がいい。 そう思ったのに—— 足が動かなかった。
Abe
やっとのことで出た声。 するとそいつは、少しだけ首を傾けて
Meguro
そう言って笑った。 ぞくっとした。 その笑い方が、 どこか壊れてるみたいで。
Meguro
さらに一歩、近づいてくる
Meguro
——図星だった。 何も言えないまま、 目だけが揺れる。 するとそいつは、満足そうに笑った。
Meguro
そして、ゆっくり手を伸ばしてくる。 触れるか、触れないかの距離。
Meguro
その瞬間。 なぜか、分かった。 ——ああ、ダメだ。 この人に関わったら、終わる。 でも。 それでも。 目が離せない。 逃げられない。
Abe
思わずそう言った。 するとそいつは、少しだけ目を細めて
Meguro
くすっと笑う。
Meguro
次の瞬間、 指先が触れた。 一瞬だけ。 それだけなのに。 体の奥が、熱くなる。
Meguro
低い声が、落ちる。
Meguro
心臓が、うるさい。 逃げなきゃいけないのに。 なのに、足が動かない。
Meguro
そいつが、囁く。 耳元で。
Meguro
───その一言から、全ては始まった