時透無一郎
奈那
時透無一郎
奈那
笑顔で毒を吐く無一郎は奈那によって一度命を救われていることを忘れているのだろうか。
それ以上に奈那が無一郎に救われた回数が多すぎるのが原因だろうか。
時透無一郎
時透無一郎
奈那
奈那
玉壺
玉壺
玉壺まで奈那を無視し始めた。 そして奈那を置いて無一郎と玉壺の悪口合戦が始まった。
奈那は無視に驚きながらも、「この鬼がいなければ今私は無一郎様とふたりきりなのに」と別の方向から玉壺を憎んでいた。
玉壺
奈那
奈那
玉壺
女の子に便所虫と言うのは鬼とはいえどうなのだろうか。
そもそも男の子であったとしても有り得ない。 奈那は少し腹が立った。
時透無一郎
奈那
時透無一郎
奈那
きっと、ひとりで上弦と遭遇していたら震えて動けず、今頃餌となっていただろう。
突然想定外の毒舌が飛んでくるが、無一郎といると安心する。
だからこんなにも鬼に歯向かえる。震えずに刀を持っていられる。
時透無一郎
玉壺
時透無一郎
奈那
瞬間、空気が変わった。
あんなに"安い挑発だ"やら"取り乱すとでも?"やら言っていたのに。
玉壺
奈那
玉壺
時透無一郎
──血鬼術 一万滑空粘魚──
無数の魚が空を呑み込む。
玉壺
咄嗟に飛び退く。しかし広範囲に広がる技から抜け出すことはできない。
玉壺
フウウ、と無一郎の呼吸音が聴こえる。 奈那も刀を構え、大きく息を取り込む。
──霞の呼吸 陸ノ型 月の霞消──
──恋の呼吸 参ノ型 恋猫しぐれ──
上空の魚を全て斬り刻む。しかし断面から溢れる魚の体液…嫌な予感がする。 無一郎もそれは同じだったようで。
時透無一郎
奈那
──霞の呼吸 参ノ型 霞散の飛沫──
奈那
時透無一郎
奈那
即座に無一郎が玉壺の頚を狙う。 無一郎の刃は確かに玉壺の頚を飛ばした。
奈那
時透無一郎
奈那
時透無一郎
玉壺
時透無一郎
玉壺
時透無一郎
玉壺の発言の全てに口を挟む無一郎。 恐ろしい。
奈那は決して無一郎に口論を挑まないようにしようと誓った。
玉壺
時透無一郎
メキメキと音を立てる玉壺。それに怯えずずっと舐めた態度をとる無一郎。
玉壺
共? 私は何も言っていないのに。と奈那は密かに思ってみたが、たった今口を閉じろと言われた為に言葉になることはなかった。
玉壺
黙っていろと言われたため、言葉にはしないが…気持ち悪いな、というのが玉壺の変化に対する奈那の第一印象だ。
ふと横を見ると思わず吹き出してしまいそうなほど表情一つ変わらない無一郎の姿。
思わず口角が上がってしまった。
玉壺
玉壺
時透無一郎
時透無一郎
奈那
奈那
は? と、言葉の続きを紡ごうとした瞬間、玉壺の拳が無一郎の眼前に迫ってきていた。
玉壺はあくまで無一郎を狙ったらしく、奈那は拳の軌道から少し外れていたため後ろに飛び退き難なく避けられた。
しかし、無一郎がいない。 あるのは魚だけ。
慌てて上を見上げると、隊服が一部溶かされた無一郎の姿。
まずは避けられていた事に安堵した。
そして次に、心臓がこれでもない程に高鳴る。
溶けた隊服の隙間から、鍛え抜かれた男らしい身体が覗いていたからだ。
奈那
奈那
奈那
時透無一郎
奈那
並大抵の努力では到達することができないあろう身体から目が離せないでいる。
無一郎はそれに気付き、ふっと柔らかく笑う。 その仕草ですら愛おしく思う
時透無一郎
玉壺
時透無一郎
奈那
上弦と戦っていることを忘れているかのようにはしゃぐ奈那。
彼女は無一郎さえいれば、どれだけ強い鬼も怖くはないと思えた。
玉壺
──血鬼術 陣殺魚鱗──
明らかに怒り狂い、青筋を浮かべる玉壺。 感情的な攻撃の割に動きが、予測できない…!
遠くで無一郎が刀を構えるのが見えた。
それならば、無一郎が頚を斬るための支援をすれば良い。
玉壺を狙わずに無一郎の導線を確保すれば良い。
──恋の呼吸 陸ノ型 猫足恋風──
──霞の呼吸 漆ノ型 朧──
無一郎の周辺の攻撃を斬り落とす。 それを見た無一郎は、瞬く間に姿を消した。
遠く離れた場所に無一郎の姿を確認する。 玉壺はそこに向かって攻撃を放つ。
しかしそこにいたはずの無一郎はまた消える。
まるで霞に巻かれているようだ。 それには、どんな攻撃からも無一郎が確実に守ってくれるであろう安心感。
そして、確実に頚を斬ってくれるであろう信頼がある。
勿論、守られるまでもないけれど。
コメント
2件
本当に天才すぎる😱
今回も最高隊服から見えたのって、、、やばい考えただけで興奮して来た!