れい
レイ
レイ
れい
れい
れい
れい
レイ
れい
ゾム
"その知らせ"を聞いた俺はあやうく 部下が作ってくれたおにぎりを ぶち撒けそうになる。
しかし彼はそんなことを気にする ことなく涙ぐみながら 続きを報告してくれた。
部下
部下
ゾム
俺は敵地のど真ん中にも関わらず でかい声で叫んだ。
俺の声が森の木々に吸い込まれたころ クリーム色の髪をした男が 拠点としているテントから出てきた。
男は俺を見つけるや否や、 少し興奮した様子で口を開く。
○○
ゾム
エーミール
エミさん、と呼ばれた男はようやく 落ち着いたように、はぁ〜、と椅子に 腰を下ろす。
エーミール
さっきから涙ぐみながら明らか 軍人とは思えないぽわぽわした空気を 醸し出しているのは、エミさん!
独立部隊副隊長で、隊長である俺の 戦闘オペレーションをしてくれたり、 本部とのパイプ役をしてくれたりしている。
エーミール
ゾム
先程から会話の中で 祝福されているのは、 グルッペン・フューラー。
彼は1年前のa国殲滅作戦の ゴタゴタで殉死した総統の 補佐役だった男だ。
前総統の後任には大勢の権力者が 候補に上がったが、兵達の 圧倒的支持を得たグルッペンが、今回 めでたく新総統に就任したわけだ。
皆で笑顔で笑い合った。
ーー昨日の出来事。
ゾム
ゾム
ゾム
ゾムが抑えた横腹から血が滲み出る。
ゾムはあの翌日敵地に攻め込み 敵数が予想より多かったため 全員殺せたものの敗走に近い傷を 負ってしまい、 今は足を引きずりながら ミッション完了後の集合予定場所に 向かっているところだった。
だんだんと、視界もぼやけてくる。
ゾム
エーミール
エーミール
インカムからノイズ混じりに エーミールの声が聞こえてきた。
ゾム
エーミール
ゾム
「俺は大丈夫」
ゾム
エーミール
ゾム
エーミール
エーミール
ゾム
エーミール
ゾム
エーミール
ゾム
エミさんが珍しくしつこい。
それと、心なしかさっきから だんだんと声が近づいてきている 気がする。
いやな予感。
エーミール
ゾム
今のは、インカムから流れ出た声ではない。
見ると、荒く積み上がった岩の上に 人影があった。
エーミール
ゾム
エーミールは静かに地面に降り立つ。
ゾム
いつもぽわぽわなエーミールの目に 黒く光が差し込んでいるのを見て、 ゾムは危機を感じ取る。
ゾム
無言で近づいてくる威圧感割り増しの エーミールに弁明をしようとゾムは 試みたが、エーミールの口から 出てきたのは 予想に反する言葉だった。
エーミール
ゾム
エーミール
エーミール
エーミール
先程の威圧はどこへやら。持ち前の 敬語も崩れ去って多少ぽわぽわ感を 残したままエーミールはわあわあと ゾムに説教をし始めた。
ゾム
エーミール
キレ気味でエーミールが返す。
ゾムは一拍置いてから話し始めた。
ゾム
ゾム
ゾム
ゾムは自分が矛盾しまくったことを 言ってることに気付いていない。
そして、それが半ギレ状態の エーミールを刺激した。
エーミール
ゾム
エーミール
エーミール
エーミール
スコーーーン!
声と共に放ったエーミールの チョップがゾムの顔面に直撃する。
ゾム
俺はそれで………全身の力が 抜けて………。
ゾム
目を覚ますと、そこは俺が毎度 戦闘後愚痴を言いながら 治療を受ける、我々国防衛基地の 医務室だった。
ただいつもと違うのは、俺はベッドに 横たわっていて、全身に 包帯が巻かれていることと、 端のほうでエミさんがベッドに つっぷつす形ですぅすぅと寝息を 立てながら眠っていることだった。
ゾム
起こしては悪いかと一瞬 躊躇ったものの、隣で気持ち良さげに 眠る相棒を前に俺はイタズラ心を 抑えきれなくなる。
ゾム
俺がエミさんのほっぺたを つっついたり引っ張ったりしていると 目の前のカーテンがシャーッと 開け放たれた。
しんぺい神
カルテを持って現れた無精髭の男は、 我々国防衛軍幹部兼救護班長兼軍医の しんぺい神だった。それともう一人…
ロボロ
ゾム
ゾム
ゾム
ロボロ
わざとらしく辺りを見渡すゾムに ロボロが笑顔(怨念入り)を向ける。
しかし、それ以上に恐ろしい笑顔を しているのはもう一人の方だった。
しんぺい神
しんぺい神
ロボロ
ゾム
しんぺい神
ゾム
ガチトーン&大声の説教タイムが 始まり、その騒ぎにエーミールが目を覚ます。
エーミール
ゾム
エーミール
俺が声を掛けると、エミさんは 勢いよく跳ね起き、俺の顔をじっと 見たかと思うと突然だあーっと涙を 流し出した。
エーミール
ゾム
突如泣き崩れたエーミールに、ゾムは おろおろしながら食害宣言をする。
ロボロ
ゾム
ゾム
ロボロ
ロボロはそう言うと、バスケット いっぱいに積んだリンゴを持参した ナイフで剥き始めた。
酸のきいた甘い匂いが部屋を満たす。
ロボロ
通常より細切れにしたリンゴを ロボロはまずさっきからずっと 泣きじゃくっているエーミールの口に 突っ込んだ。
エーミール
ゾム
ゾム
単独行動するゆうたんは俺や………。 というかエミさんはその意見に反対 やったんや。やのに俺が ワガママゆうて行って………。
「エミさんのせいやない」
そう言いたかったのに、口は 渇いたように動かない。
なんでだよ。言わなきゃ。
………その意思を汲み取ったように ロボロがエミさんに告げる。
ロボロ
エーミール
まだ自分を責めるエーミールに、 ロボロがそれに、と付け加える。
ロボロ
もっともなロボロの言葉に俺は首を 縦に何回も振る。
エーミール
エミさんに不安そうな顔で上目遣いに 見つめられ、そろそろ何か喋れと ロボロに小突かれた俺は 静かに答えた。
ゾム
ゾム
ゾム
ゾム
エーミール
エミさんの口元が、少し緩む。
ゾム
エーミール
いい笑顔で大量のリンゴを盛った皿を 差し出すゾムにエーミールは 素っ頓狂な声を上げた。
エーミール
初めとはうって変わりエーミールは 笑顔でリンゴを頬張る。
そしてそんなエーミールをロボロと しんぺい神さんが引きつった顔で 見つめていた。
もっとも、一番近くにいるゾムは そんな彼を見て満足そうに 笑っているが。
しんぺい神
ロボロ
ロボロが虚無の顔で再び新しい リンゴを手に取る。
と同時に、何か思い出したように 口を開いた。
ロボロ
ゾム
ロボロ
ガタン
しんぺい神
しんぺい神
エーミール
しんぺい神
エーミール
しんぺい神
医務室を出ようとしたしんぺい神の 驚いた声と共に"誰か"が部屋に 入ってきた。
噂をすればなんとやらだ。
漆黒と言うが正しい真っ黒のマントを 翻し、後ろに赤いマフラーの彼を 連れた某人物はニヒルな笑顔を 浮かべて言った。
グルッペン
ゾム
グルッペン
ゾム
グルッペン
ゾム
ロボロ
感心するような呆れるような声を 吐き出すロボロに、トントンが その空気に似合わない 重い口を開いた。
トントン
ゾム
ゾム
ユラァッと黒い殺意がゾムから漂う。
トントン
グルッペン
ゾム
グルッペン
グルッペン
グルッペン
グルッペン
グルッペン
ゾム
グルッペン
グルッペン
ゾム
グルッペン
そう言うと彼は、味方さえも 恐れさせる不敵な笑みを浮かべた。
エーミール
エーミール
ゾム
エーミール
不意に声をかけられたエーミールは 体を震わせる。
エーミール
ゾム
エーミール
エーミール
ゾム
あの後、グルさんが俺に持ちかけて 来たのは、 「暗殺部隊隊長にならないか」という ものだった。
なんか俺の能力をもっとフル活用 できるようになるらしい。
俺はあんま興味無かったけど、 グルさんの役に立てるならと、 二つ返事で了承した。
ちなみにグルさんの 「軍を根本から作り直す」 というのは、隊や幹部、並びに隊員を 根こそぎ入れ替える というものだった。
トントンは聞かされて 無かったみたいで、「はあ⁉︎」って 叫んどったけど、グルさんは全く 気に止めんと嬉々として続きを 話してくれた。
そんなん絶対不満を持つ奴が 出て来るに決まってるのに、グルさん なら何とかしてまいそうで笑ったわ。
ま、トントンの3徹は決まったな。
ゾム
ゾム
エーミール
俺が別の隊に入ったと同時に、 エミさんはなんと幹部をまとめる "参謀役"に大出世した。
ちなみに、独立部隊は残しておく らしい。
エーミール
ゾム
長年の相棒の出世は嬉しくて……… ちょっと寂しくもあんねんよなぁ。 だって………
ゾム
ボソッと呟いたつもりやったけど エミさんには聞こえたらしい。
エーミール
エミさんが普段見せないにやっとした 笑顔をする。
エーミール
ゾム
エーミール
ゾム
ゾムは嬉しさのあまりエーミールに 飛びつく。
ゾム
エーミール
そう言うエーミールも顔には笑顔が 溢れていた。
シャオロン
シャオロン
ゾム
シャオロン
ゾム
シャオロン
シャオロン
ゾム
シャオロン
ゾム
シャオロン
そう言うとシャオロンはそのまま 屋根に飛び乗ってどこかに 行ってしまった。
ゾム
俺はインカムの電源を入れる。
すると、ノイズ混じりにあの 安心する相方の声が。
エーミール
ゾム
エーミール
エーミール
ゾム
エーミール
ゾム
エーミール
ゾム
ゾム
エーミール
エーミール
ゾム
エーミール
お説教タイムが始まりそうな雰囲気に 俺はインカムを胸ポケットに 突っ込む。
ゾム
少し漏れ出る焦った相棒の声を BGMに、俺は足を進めた。
れい
れい
レイ
れい
れい
れい
れい
れい
れい
れい
コメント
5件
四流良いですよねぇ(*˘︶˘*).。*♡(タメ口いいですか?)
はえ〜!ありがとうございます!四流書くのがリアルに初めてで心臓潰れそうになりながら更新しました^o^
面白かったです