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最初からめっちゃいい
主
主
夏野千夏
主
あらすじ(第三者視点の物語)
雄英高校へ入学した千夏は、二つの個性を持つ珍しい生徒として注目される。 とくに回復系の「天使」は戦闘サポートとして重要視され、先生たちも期待をかけていた。 そんな中、千夏は実技訓練で轟とよく組まされるようになる。 理由はひとつ。 「氷結による凍傷を、千夏がすぐに治癒できるから」だ。 最初は必要だから組んでいるだけ—— そう思っていた千夏だったが、轟が時々見せる“優しい言葉”に、胸がざわつき始める。 しかし、轟は不器用ゆえにその優しさを言葉で伝えるのが下手だった。 そして千夏も、自分の気持ちに気づきながら上手く距離を縮められない。 やがてインターン、期末試験、USJ、林間合宿—— いろんな出来事の中で2人は何度も近づき、そしてまた離れていった。 千夏は思う。
夏野千夏
轟もまた、千夏の背中を守りながら考えていた。
轟焦凍
すれ違いながらも、互いを想う心は確実に強くなる。 それでも、2人が素直になる日はもう少し先のようだった——。
千夏の過去
幼少期──“二つの個性”ゆえの恐怖
千夏は幼い頃、 「水」と「天使」の異なる系統の個性を二つ持って生まれた珍しい子だった。 幼児期の千夏は感情が暴れやすく、 不安になると周囲の水分が一気に集まって部屋を濡らし、 泣き出すと天使個性が勝手に発動して周りが眩しく光ることもあった。 その制御不能さのせいで、 近所からは“危ない子”と距離を置かれ、 母は何度も謝り続けていた。
転機──“ヴィラン襲撃事件”
小学生の頃、母と買い物に出かけたとき、 偶然遭遇したのは 水を利用するヴィラン だった。 ヴィランは千夏の個性に気づき、
ヴィラン
と千夏を掴み、連れ去ろうとした。 千夏は恐怖で個性が暴走。 周囲の雨水が一気に渦を巻き、 建物のガラスが割れ、 人々が驚いて逃げ惑う混乱が起きた。 被害者こそ出なかったが、 千夏の暴走で街の一部が水浸しになり、複数の建物が壊れた。 その光景を見た千夏は、自分のせいだと強く思い込み、 そこから個性を極端に抑えるようになった。
母は千夏を強く抱きしめて言った
ちなつの母
けれど千夏には、その言葉はうまく届かなかった。
心の傷──“助けたいのに、壊してしまうかもしれない”
それ以来、千夏の中には 「人を助けたい」気持ちと 「また誰かを傷つけるかもしれない」恐怖 がいつも同時に存在していた。 その矛盾が苦しくて、 笑って誤魔化す癖がつき、 本音を言うことが極端に苦手になった。 だからこそ、雄英に入る決意をした理由はひとつ。 “あの日の自分を変えたい” ただそれだけだった。
主