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色とりどりな短編集

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色とりどりな短編集

8 - 罪を犯す魔術師は魔物になったのか

♥

110

2022年05月09日

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━俺は、深い森に住む”魔術師”だ。

皆俺を、俺たち魔術師を悪しき魔物だと言う。

...魔術師だって人間だというのに。

仕方ない。人というのは他者との違いに耐えられない生き物だ。 魔法を使い、寿命が圧倒的に多い魔術師を魔物とみるのは、あまりに愚かだが、それを”正せる力”は持ってはいない

もしそうでなければ、こんな場所に住んでは無いはずだ

純粋な人間など、愛など、ありやしないのだ

Smile

今日は雨か...

Smile

全く、ローブが濡れてしまう

Smile

(万一顔が透けでもしたら、)

Smile

(━殺されてしまうな)

Smile

今日は食料だけ調達したらすぐ帰るか…

街は人間の声が多すぎる。...あまり慣れていない

雑音しか響かぬのだから嫌になるが、ご生憎。ここしか材料や生活必需品は売っていないのだ。

魔術師というのを盾に脅したり、あろう事か交易なんぞしよう物ならこの首は無いだろう。 実に難しい

城...という名の家に入ると、どっと疲れが押し寄せる。

恐らく緊張がとけたせいだろうが…

思わずベットにへたり込む

Smile

(。´-д-)ハァ-...こんな所誰にも見せられないな…

...見るような相手がいる前提? おかしな話だ。 ━その瞬間

コンコンコン

Smile

∑( '-' ;)ビクッ

Smile

(だ、だだっだだ誰だ?!
こんな辺鄙な場所に来るなら…なんかの族か?!)

Smile

...いや、あの音は...

恐らく子供だろう。どうせ迷い込んだとかそんな感じだ。めんどくさい

Smile

(しかしここで助けないと更に悪い噂が広まるやもしれん…)

Smile

めんっっどくせぇぇ...

赤い”少年”

あれ?出るんだ

Smile

お前が扉叩いたんだろ

Smile

何の用だ。街への道だったらそこの先を曲がって━

赤い”少年”

んーん。それは良い

Smile

...はぁ?

赤い”少年”

道なら知ってる。何回も来てるから

Smile

いやいや初対面だろ

赤い”少年”

うん。でも知ってる。

Smile

(なんだコイツ...)

赤い”少年”

今なんだコイツって思ったでしょ。いけないんだぁ

Smile

うるせぇななんだお前。用事ないなら帰れ

赤い”少年”

ふーん

赤い”少年”

ね、ここに居候させてよ

Smile

へーはいはいそうです...かっ?!

Smile

なっおまっ!
りょ、両親とかいるだろ?!

赤い”少年”

んー?居ないよ

赤い”少年”

へんしたいになっちゃった

Smile

それで良いだろ。冗談なら帰れ!

赤い”少年”

冗談じゃないなら良いんだね。おじゃましマース

Smile

あっおい!

赤い”少年”

へー案外ひろーい

Smile

おいっっ!!

Smile

何当たり前みたいに入ってるんだ?!

赤い”少年”

んー?だって冗談じゃないもん。それに僕を追い出して迷惑するのはおじさんだと思うなー?

Smile

うぐっ…

赤い”少年”

じゃあ今日からよろしくね〜

Smile

(クッソ...意外とこの生活気に入ってたのに...)

Smile

(今日は厄日だ...カレンダーと日記に書いとこう。)

Smile

(あれ、結構日記サボってんな...ん?何日だ...?俺は物覚え良いし日記欠かさないタイプなのにな…)

Smile

クソ俺の未来のタイムカプセルが...

赤い”少年”

なんか言ったー?

Smile

言ってない

赤い”少年”

そっかァ

赤い”少年”

ねーねー部屋案内して!

Smile

はぁ?!自分で勝手に見ろよ!

赤い”少年”

良いの?出てっちゃうよ?噂広めちゃうよ?

Smile

悪魔!鬼!人でなし!

赤い”少年”

酷い言われようだなぁ…

それからというもの、あいつに毎日付き合わされた

赤い”少年”

ねーねーあの本取ってぇ!

Smile

あー...?

Smile

まあ良いけど...

Smile

んー...あれ、意外と高い...ん〜!!

赤い”少年”

あっやべ

\ドンッ/

Smile

はっ...?...?!

ドンッガラガッシャーーン!!!

赤い”少年”

い、いてて、大丈夫?おじさん...

赤い”少年”

...?

Smile

フルフルフル...

Smile

お前は図書室出禁だー!!!💢

赤い”少年”

えぇぇぇぇ!!?!

赤い”少年”

ほらほらおじさん早く来なよ!

赤い”少年”

お城の中の本の虫のままじゃ腐っちゃうよー?

Smile

うるせぇ!

Smile

運動ぐらいしてるわ!!

赤い”少年”

外出るのはいっつも夜のくせによく言うわー!!

Smile

うるせぇ!(×2)

赤い”少年”

あ!魚!かわい〜!

Smile

お、ほんとだな

赤い”少年”

おじさん今日のご飯は魚にしよう!あと肉!

Smile

時々サイコパスになるよな...

Smile

後肉は食い過ぎだ!お前こそ体に悪いだろ!

赤い”少年”

育ち盛りだったから良いのー!

Smile

ダメに決まってんだろッ!!

赤い”少年”

おじさんのケティー!!

そして、そんな日々を楽しいと思ってしまう自分も...

大概だ

人の愛が知れなかったが、幸せを感じるというのはきっとあいつ無しでは叶わないのだろう

俺は今、とても幸せだ

だがそんな日々は永遠では無い事は

誰にでもわかる

愛を知らず望まれない俺には、到底無理な願いだった。

赤い”少年”

カヒュー...カヒュー...カヒュー...カヒュー...

無機質な機械音と彼の苦しげな声が響く

Smile

おい...おい!!

Smile

大丈夫だよな?!なぁ!おい!

いつだってそうだ。俺は自分の願いを他人に押し付けていた。

赤い”少年”

ハァ...ハァ...Smile...

Smile

...!ッ...今になって名前呼ぶなよ…■■■■...

喋る余裕など無いだろうに、振り絞って俺の名前を呼ぶ。それは彼が遠い昔、付けてくれた...

赤い”少年”

はっ...は...はは...Smileが...僕の名前...呼ぶのも...ここでハジメテ...だね...

Smile

ッ...~~~~...

そっと手を握る。分かっていたように彼は力無く握り返してくる。

そんな些細な気遣いも、他人の俺の事だけで、生きる事より嬉しそうに笑う姿も

全てが好きで、幸せで、堪らなかった。

Smile

ふっ...うぅ...■■■■...

赤い”少年”

えへへ...今日...は...久しぶりに...特別な日だね…

赤い”少年”

...ねえSmile...

赤い”少年”

僕はきっと...もう...耐えられなくなる...

Smile

ッそんなっ!

赤い”少年”

...あはは

赤い”少年”

僕からSmileに...最後のお願い、聞いて欲しいな

Smile

なん、だよ

赤い”少年”

”これ”が終わったら、もう終わりにしよう...?

赤い”少年”

Smileの心が壊れてしまう...から、僕を...お願い...

赤い”少年”

忘れて...お願いします...ッ

Smile

なん...で...

赤い”少年”

本当にこれで最期にしよう...?素敵なまま終わらせて...

Smile

ッ!■■■■!!!!

ピーピーピーピー ...ピーーーーーーーー

音が鳴り響く。それはまさに、彼が無くなった証拠だった。

Smile

ま、た...またっ...

Smile

もう二度とっこんなっ事...

Smile

■■■■...

Smile

...ここはもう、終わりにしよう

Smile

■■■■の願い...聞ける訳が無い...

Smile

次はまた、もう間違えないから。次は...もっと早く思い出すからッ...■■■■も早く思い出して...またここで...

Smile

...じゃあな、”今の俺”

赤い”少年”

このままだとSmileの方が先に寿命が無くなっちゃうんだよッ...

Smile

...誰だ、お前

赤い”少年”

...ニコッ

赤い”少年”

僕は...

赤い”少年”

「君に、逢いに来たよ」

”少年”は、泣いていた

...少年、が。

The END

...?

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110

コメント

24

ユーザー

何度も繰り返す…みたいな感じですかね( ˙꒳˙ )←?

ユーザー

え。神

ユーザー

んんんんん、めっちゃ好きです やばい、なんかとてもどタイプです、付き合ってくだs((((((((((((

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