あなたの瞳はどんな色ですか？

俺の秘密が月島にバレそうで、焦っている。

色の区別が出来ないって正直に言ったら、嫌われるだろう。

“前”みたいに。

だから言えない。

それが、好きな人でも、友達でも仲間でも。

ﾀｯ

言えるわけないよ。

これは小学生の頃の話だった。

まだ、色について分かってなかった頃。

先生から【自由】と聞いて、なんでもいいんだと思い、自由に描いていた。

モノクロのワンちゃんを描いていた。

だけど、みんなの世界からは俺のワンちゃんは汚く見えるらしい。

この時から自分が可笑しいと思い始めた。

色んな色を見ても、明るくもないし、暗くもない。

ただのモノクロに見える。

カラーが付いてない。

おれはおかしいんだって···。

自分に自信が無くなっていった。

絵を描くことさえ···嫌いになった。

それからちょっとずつ絵を描き続けた。

それは、もちろん···学校ではなく、家で。

このカードはすごく大切なもの。

俺を元気づけてくれた。

俺の、···秘密は、誰にも言わない。

ｷﾞｭｩｯ

ﾀｯ

月島？

男の人たちと居る···。

誰だろう。

帰ってなかったのかな···？

ぁ、そうだ。

そうだった。

俺の月島はただの友達。

男同士。

付き合うなんて···でき、ない。

友達だから、···俺もそうでなくっちゃ。

帰ろう。

早く、家に。

次の日。

友達···だから。

月島···なんで急に、そんな事っ。

もぅ、バレてるんじゃ···っ。

【次は〜雪ヶ丘。雪ヶ丘でぇござぁいまぁす！】

そうだった。

俺の月島は友達なんだ。

諦めないと。

この恋は、終わらせないといけない。

月島にバレないように。