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ドゴーン!!
苗穂すうあ
るいのがこの世界で起こったことを話そうとした時、大きな物音と悲鳴が聞こえた
吟羽舞夢
六月真奈
真奈は上を指差す
白町凪紗
その場の全員、上を向いて固まる
何故なら、見上げた先には青空が広がっていたから
優來はる
るいのの家は、上半分が吹き飛んで屋根が無くなっていた
影
無くなった屋根に気を取られていると、雄叫びが聞こえる
吟羽舞夢
舞夢達が雄叫びの方を向くと、予想通り影が見えた
影はこちらに向かって腕を伸ばしており、手からは煙のようなものが少し出ていた
白町凪紗
吟羽舞夢
風音るいの
るいのは少しため息を付きながら部屋の隅へ向かい、弓矢を取り出す
そして、すうあも弓矢を手に取り、影に向かって矢を射ち始めた
吟羽舞夢
白町凪紗
舞夢達も影の元へ向かう
吟羽舞夢
白町凪紗
影
舞夢と凪紗がそれぞれ風で切り裂く魔法と火炎魔法を放つと、影は衝撃波のようなものを放つ
白町凪紗
吟羽舞夢
影の近くにいた2人は吹き飛ばされる
優來はる
六月真奈
パシュッパシュッ
風音るいの
るいのとすうあは弓矢を射っているが、それは当たらなかったり、当たっても掠る程度だったりしていた
優來はる
六月真奈
優來はる
はるは雷を誘発させる魔法
六月真奈
真奈は水を勢いよく放射する魔法を唱えた
影
防ぐつもりなのか、影の目の前にはシールド魔法が形成される
白町凪紗
その背後から凪紗は投石魔法を唱える
投石魔法によって形成された石はクナイのような形になり、勢いよく影の背後に迫る
影
そして、それぞれの魔法が影に直撃した瞬間
ドゴーン!!!!
六月真奈
白町凪紗
爆音と地響きが鳴り、舞夢達は全員数メートルほど飛ばされた
吟羽舞夢
舞夢達は起き上がり、辺りを見渡すと
吟羽舞夢
風音るいの
苗穂すうあ
るいのの額にはクナイのような形をした石が刺さっており、すうあは舞夢達同様衝撃により吹き飛ばされ、怪我を負っていた
ただ、魔力を持たず魔力による攻撃に耐性が無いためか、舞夢よりも酷い怪我を負っていた
吟羽舞夢
舞夢と真奈がすうあに駆け寄り、それぞれ回復を試みる
優來はる
白町凪紗
舞夢達がすうあを回復している隙にはると凪紗が影に魔法を放つ
はるの放った爆発魔法と凪紗が放った誘雷魔法は影の近くで大きな爆発を起こし、ようやく影の動きが鈍くなる
影
優來はる
白町凪紗
はるは鎖を影に鞭打つように叩きつけ、凪紗は大鎌を振り下ろした
そして、影は消滅する
白町凪紗
優來はる
2人が駆け付けると、舞夢達は青ざめた顔をしていた
六月真奈
吟羽舞夢
それはつまり、回復が意味を成さない状況──死を意味していた
白町凪紗
優來はる
六月真奈
六月真奈
吟羽舞夢
白町凪紗
舞夢達は、るいのとすうあの死体を埋め、悠穂と風亜のいた山に戻ることにした
これからどうしようと考え、とぼとぼと歩いていると小さな石像の前にしゃがみこむ人影があった
石像とは言っても、立方体の石がいくつか縦に積み上げられているもので、何かを意味してはいるのだろうが、文字もなければ何かが描かれているわけでもなく、何を意味しているのかはわからなかった
六月真奈
白町凪紗
人影に近付いてみると、その人はただしゃがみこんでいるのではなく、何かを食べているようだった
吟羽舞夢
優來はる
六月真奈
さらに近づくと、人影が食べていたものは人間の手足や臓器であるのが見えた
六月真奈
吟羽舞夢
白町凪紗
六月真奈
真奈は気持ち悪さのあまりしゃがみこんでしまう
吟羽舞夢
4人がただ呆然と立ち尽くしていると、人影は舞夢達に気が付いたようだった
食べるのをやめ、ハンカチで口元と手を拭き、立ち上がって舞夢達の方を向いて言った
由叶
由叶
白町凪紗
凪紗が呟くと相手は胸に手を当てながら言う
由叶
優來はる
はるは目を見開きながら呟き、直後跪いた
由叶 ユト
《神の眷属》 はるが信仰しているリドール教の神である“ルン・リドール”の眷属。 神は神の世界から出ることはできず、眷属である由叶が各世界に赴いて宗教を広めたり、お供え物を食べて力を付けている。
六月真奈
真奈は突然跪いたはるに驚きながら声をかける
由叶
由叶
由叶ははるの頭を撫でる
優來はる
何故はるがこのような態度を取るのか
それは、はるの信仰する宗教こそが、ルン・リドールを崇めるリドール教だからだ
由叶
由叶
由叶
吟羽舞夢
それよりも、さっき食べていたものはなんなのか?
舞夢が聞こうとするよりも早く、はるが口を開いた
優來はる
白町凪紗
普段と様子の違うはるの言動に、3人とも困惑を隠しきれなかった
由叶
由叶
由叶
由叶は舞夢達3人の顔をじっくりと見た
吟羽舞夢
白町凪紗
六月真奈
少しの間沈黙が流れ、舞夢がコクリと頷くと、由叶はフっと息を漏らして近くの空き地を指さした
由叶
由叶
六月真奈
六月真奈
ベンチがある訳でもない空き地を指さしたことに大して困惑を抱く真奈達
由叶
由叶
勿体ぶるように言うと、由叶は指をパチンと鳴らす
すると、何も無かった空き地に木製のテーブルと、5脚の椅子が現れる
由叶
舞夢達は戸惑いながら、由叶に誘導されるまま椅子に座る
由叶
由叶
この世界も昔は他の世界同様魔法が使えたんだ
だけど、それによって魔法戦争が起きた
それに大変遺憾した巫女が魔力を封じた
その巫女は月影神社の巫女だったそうな
だから、この世界では、二度と戦争が起こらないように、魔法で世界が壊れないように
人々の魔力を封じている月影神社を守ってきたんだ
ただ、それも何百年も前の話
今の人々はなんで月影神社を守るのかも、魔法の存在も知らないだろうね
六月真奈
吟羽舞夢
由叶
由叶
由叶
由叶
由叶
六月真奈
吟羽舞夢
白町凪紗
舞夢達が決意を固めると、由叶はニヤッと笑みを浮かべながら言った
由叶
由叶
由叶
由叶はそう言いながらとある方向を指さした
その方角に月影神社があるのだろう
吟羽舞夢
六月真奈
白町凪紗
優來はる
由叶
由叶
舞夢達は月影神社へ向かう──
由叶
由叶
由叶
由叶
由叶