🌹 第7話 結ばれた運命の糸
夕方の公園。 あの日と同じ、オレンジ色の光が差し込んでいた。
紬はブランコに座り、沈む夕日を見ていた
菜月が話してくれた過去が、 胸の奥で何度も揺れている。
“小2の頃のあれが……菜月だったんだ”
あのとき渡したハンカチ。 取り乱して心配して、必死だった自分。 そして、初めて見た菜月の微笑み。
それが、あの子を救ったんだ
胸の奥がぎゅっと熱くなる
そこに――静かに足音が近づいた
菜月
振り返ると、菜月が立っていた。 夕日が後ろから差して、 影が長く伸びている。
いつもの優しい微笑み…… だけど、今日は少し震えていた。
菜月
紬にだけは、本当のことを知ってほしかった
紬は頷く。 菜月は深呼吸して、言葉を絞り出した。
菜月
菜月
ボロボロになるまで……
捨てられなかったんだ
胸がじんと熱くなる。
菜月は紬の手をそっと取った
菜月
菜月
菜月の瞳がうるんで、声が少し震える
菜月
菜月
愛し方が分からないまま、必死になって……
菜月
君を困らせたよね
紬は首を振った
紬
むしろ……菜月が話してくれて嬉しかった
紬は、そっと菜月の手を握り返す
紬
私ね、ずっと思ってたの。
紬
菜月は驚いたように紬を見る。
紬は続けた。
紬
運命って、“ふたりで結び直すもの”なんだよ
菜月の瞳から涙がこぼれた。
その瞬間―― ふたりの手が重なったところに、 夕日の光が差し込んで。
まるで赤い糸が見えてるみたいに、 温かくて、優しい光だった。
紬は笑った。
紬
紬
紬
そういうことでしょ?
菜月は泣きながら笑った。 初めて見せる、心の底からの笑顔だった。
菜月
菜月
菜月
菜月
ずっと一緒にいてほしい
紬は、ためらいなく抱きついた。
紬
風がそよいで、夕日に照らされたふたりの影が重なり合う。
まるで――
ずっと前から、こうなることが決まっていたかのように。
こうして、 ふたりの赤い糸はもう二度とほどけない。 運命は、ふたりで選び取った。
世界が静かに、優しく包み込む。
ここから先は、 ふたりで紡ぐ新しい未来の物語。






