沖田
沖田
いつの間にか戦闘が激しくなり私たちは屯所の屋根の上にいた。
ヒイラギ燐
沖田
すると下から声がした。
土方
下を見ると土方がかなり怒っていた。 きっと、総悟との喧嘩で屯所を荒したからだ。
沖田
ヒイラギ燐
シュッ────
僕は総悟からのひと振りをギリギリで避けると、 屋根の足場が無いことに気付いたが、 既に急な攻撃でバランスを崩していた体は戻ることが出来ず、下に落下した。
ヒイラギ燐
しかし、下にいた土方が僕をキャッチする。
ヒイラギ燐
土方
沖田
近藤
同じほっぺたに大きな湿布を付けた総悟と私を見て、 近藤さんがガハハと大きな声で笑う。
沖田
ヒイラギ燐
ヒイラギ燐
近藤
近藤
沖田
ヒイラギ燐
近藤
近藤
あれを正式に認めようと思ってな
ヒイラギ燐
近藤
近藤
近藤
ヒイラギ燐
近藤
近藤
どこの隊にも所属しない事にしたんだ。
貰った制服をウキウキしながら広げてみる。 すると、上は普通に近藤さんや土方と同じ制服だが、 下はズボンではなくミニスカートになっていた。
ヒイラギ燐
スカートを見ながら、俯き気味でプルプル震える燐。
近藤
近藤
沖田
ヒイラギ燐
沖田
結局、僕はあの制服を着ておいでと近藤さんに言われ、 別部屋で着替えていた。
ヒイラギ燐
ヒイラギ燐
追加で編み上げブーツとニーハイも渡されていたので、 フルセット着替えると、近藤さんところに戻った。
ヒイラギ燐
近藤
沖田
ヒイラギ燐
ヒイラギ燐
近藤
ドォォン...
ヒイラギ燐
近藤
僕はふざけた事を言う近藤さんの後ろの壁に拳をぶつける。 スカートの下には適当に短パンを履く事にした。 刀ももう短刀ではなく、普通の日本刀を支給され、腰にかけた。
そして僕の真選組での初仕事は地味に町の見回りだった。
僕は1人で歌舞伎町の見回りをしていた。 本当は総悟がついてくる予定だったが、 急に腹が痛くなったとかで、結局1人でいくはめに。
ヒイラギ燐
ガサッとなにかが落ちる音に僕は振り返る。 すると後には長髪の男と、得体の知れないアヒルのような着ぐるみがいた。
桂
ヒイラギ燐
長髪の男はそう呟くと僕の方に近づいてきて、両手をがっしり掴む。
桂
ヒイラギ燐
男から手を振りほどいて後ずさりする。 僕は男から好意を抱かれた事は人生で1度もない。 あまりに急な出来事に頭の中は混乱していた。
桂
彼は僕を改めて下から上へと眺めると、ある事に気がついたらしい。
桂
ヒイラギ燐
桂
何故か男は頭を抱えて崩れ落ちた。
桂
ならば超えて見せよう!!俺と共に来る気はないか?
ヒイラギ燐
僕は隣の壁に貼り付けられた指名手配の犯人の顔を見る。 それは今ここで僕と会話しているそれだった。
ヒイラギ燐
桂
ドガシャアアアン...
銀時
急にスクーターで現れた銀時は目の前の男に思いっ切りぶつかった。
桂
頭から血を流しながら男は答える。
銀時
銀時
ヒイラギ燐
銀時
桂
ヒイラギ燐
銀時
ヒイラギ燐
僕は少し怒り気味に銀時を睨む。
桂
桂
桂
ヒイラギ蓮斗
いつの間にか僕達の後ろには蓮兄、真選組の隊士達と土方が集まっていた。
桂
ヒイラギ蓮斗
土方
ヒイラギ蓮斗
桂
逃げ出す桂を土方の指示で真選組達が追う。
土方
タバコに火を付ける土方。
銀時
銀時が土方を煽る。
土方
ヒイラギ蓮斗
土方
銀時
ヒイラギ蓮斗
そういうと銀時はスクーターに乗り、どこかに帰っていき、 蓮兄は消えた
土方
ヒイラギ燐
沖田
パトカーから顔だした総悟が言う。
ヒイラギ燐
土方
土方が呟く。
ヒイラギ燐
土方
ヒイラギ燐
土方
ヒイラギ燐
そして、その数日後、僕は土方の命令で桂小太郎を捕まえるために、町中を探し回っていた。周りの目を考えて、今日は隊服ではなく近藤さんから用意された女性用の着物をきていた。
土方
内線から土方の声がした。
ヒイラギ燐
ヒイラギ燐
沖田
今度は総悟の声も聞こえてきた。
作戦は僕と桂を会わせ、油断したところを一気に囲みこんで捕まえるらしい。
ヒイラギ燐
桂
後から声をかけられ、振り返ると、 現在捜索中の桂小太郎がタイミングよく現れたのだ。
ヒイラギ燐
ヒイラギ燐
桂
ヒイラギ燐
桂
そして、ズイっと顔を近づける桂。
ヒイラギ燐
桂
高笑いする桂。
ヒイラギ燐
桂
ヒイラギ燐
モブ女
ちょうど今の時間だけお安くなっているんです、ちょっとした休憩にどうですか??
道でティッシュ配りをしていた女の人に話しかけられた。
桂
モブ女
女の人が指を指したお店は明らかにいかがわしい休憩所だった。
桂
ヒイラギ燐
桂
あまり多くの人目に付く場所で会うことは避けるべきだろう。という事で参ろう。
ヒイラギ燐
入るか入らないかで揉めていると、 内線で全ての会話を聞いていた土方たちが、 パトカーのサイレンを鳴らしながらすごい勢いで走ってきた。
近藤
パトカーの窓から顔をだした近藤さんが大声で叫ぶ。
ヒイラギ燐
桂
隣で桂がニヤリと笑いながら呟いた。 どうやら、近藤さんは僕を桂から守るために予定していたよりも早く駆けつけてきたのだ。
桂はその間に用意していたのか、上空のヘリから降りてきたハシゴにつかまると、空高く上がって行った。
土方
沖田
近藤さんの指示に総悟がバズーカをヘリに向ける。 しかし、桂が投げた煙玉のせいで彼の姿がみえない。 霧が消えた頃には桂の姿はなかった。
土方
燐は自分の身くらい守れるに決まってんだろ
パトカーから降りてきてタバコをふかしながら土方が言う。
近藤
ヒイラギ燐
近藤さんたちがそうすれば焦って作戦通りにいかないって初めから分かってたと思う
沖田
総悟にそういわれて?になっていると、頭を指さされる。 触ってみると、髪をくくっているところに何が指に触れ、取ってみる。
それは一輪の椿だった。
ヒイラギ燐
僕はいつもの町の見回りついでに、団子屋で休憩していた。 結構甘党な僕は、みたらし団子を幸せそうに頬張っていた。
銀時
話しかけられ顔を上げると、銀時が立っていた。
ヒイラギ燐
銀時は隣に座るなり勝手に私のみたらし団子を食べていた。
銀時
ヒイラギ燐
銀時
ヒイラギ燐
その言葉に銀時が食いつく。
銀時
ヒイラギ燐
銀時
ヒイラギ燐
銀時
しかし、何だかんだ銀さんも暇していたのか、僕の巡察に同行してくれることに。 2人で並んで歩いていると、前に明らかに怪しい男達が数人で周りを気にしながら話していた。
ヒイラギ燐
彼らは僕に気がつくと、すぐに逃げ出した。
ヒイラギ燐
銀時
ヒイラギ燐
僕は建物の裏に逃げ込んだ攘夷浪士達を追った。 結構な時間追いかけ回していると、入り組んだ路地裏入っていった攘夷浪士たちは、行き止まりになり、僕達に追い詰められる。
ヒイラギ燐
僕がジリジリと歩み寄る。すると、地面に違和感を感じたその瞬間。 地面が崩れて僕と銀時は地面の下に落ちていく。 どうやら落とし穴のようだ。
銀時
上を見上げると、思ってたより穴は深かったらしい。 穴の外からは攘夷浪士たちがケラケラ笑いながらこちらを見下ろしていた。
ヒイラギ燐
モブ男
すると攘夷浪士たちは穴に蓋をした。
ヒイラギ燐
僕が何か言い終わる前に落とし穴の蓋が閉じられてしまった。 真っ暗だが、蓋の隙間から少し漏れる光で、うっすら銀時の顔が見える。
銀時
ヒイラギ燐
僕はとりあえず立ち上がろうとしたが、何故か足に力が入らなかった。 見ると足首のところに大きな青アザができており、 どうやら挫いてしまったらしい。
銀時
ヒイラギ燐
その穴は極端に狭く、高さは5mはあったのだ。 登るには難しい土の壁で、下手に動いても崩れてきそうな感じだった。
ヒイラギ燐
銀時
ヒイラギ燐
銀時
ヒイラギ燐
銀時
そんな言い合いをしていたら、ただでさえ酸素がすくない穴の中にいた僕たちは息苦しいくなった。 僕は酸欠で目眩を感じ、フラっと銀時にもたれかかる。
銀時
ヒイラギ燐
銀時
銀さんはそういうと、自分の木刀を穴の上に向かって投げた。 すると、その勢いで木刀にぶつかった蓋が開いたのだ。
銀時
しかし僕はぐったりしたままだった。 それから数時間経っても誰かが穴の周辺を通る気配はない。 日もくれた頃に不運な僕たちに追い打ちをかけるように雨も降り出した。
銀時
虚ろな目でぐったりしている僕のおでこに手を当てた銀時。
銀時
長い間穴の中にいた疲労に加えて、雨に濡れたせいで僕は熱があったのだ。
ヒイラギ燐
銀時
そういうと銀時は僕をあっためるようにギュッと抱きしめる。 いつもなら急な出来事で殴ってしまう所だが、今の僕にそんな体力はない。
それから数分後、穴の近くで車の音がした。 銀時が大声で助けを求めると、誰かが穴を覗く。
沖田
やっと穴から出してもらえた僕たち。 ほとんど意識のない僕は銀時に抱き抱えられていた。
近藤
近藤さんが僕たちに駆け寄る。
銀時
こいつ熱があるみてぇだから早く屯所に連れて帰ってやれ
土方
珍しく土方が銀時にお礼をいうと、 銀時から僕を受け取り、パトカーに乗せた。 そして、帰りのパトカーで僕は意識を失った。