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コメント
3件
今回も素敵なお話ありがとうございます🙇♀ わ、わわ…ここにきて衝撃の事実が…… 今まで沢山伏線もはられていたのですね…全然気づけませんでした…… 次回の桜君視点…彼は一体どうやってここまで辿り着いたのか…続きが待ち遠しいですね✨ Season2終わっちゃいましたね🥲 次はSeason3になるのでしょうか、それとも映画でしょうか、どちらにしろ続きが楽しみですね‼ これからも応援してます💕
蘇枋さんがずっと桜君の表情を目に焼きつけるようなそんな描写が沢山あったと思いますが、それはこの時のためですね。 次回は桜君視点となります。気長にお待ちください😌
ずっとずっと昔から、 言われていたことがあった。
医者
彼との約束をドタキャンしてまで来た場所は、その場所特有のアルコールの香りが漂う全体的に白い内装の部屋ある場所。
蘇枋
朝起きてびっくりした。自分は起きているはずなのに、世界はずっと真っ暗闇で、等々この日が来てしまったのか。なんて意外と冷静な自分もいて、 もう反面は、彼に迷惑をかけてしまう。だなんて弱気な心が顔をのぞかせた。
予想していたよりずっと早く、 その時は来てしまったんだ。 もっとずっと、彼と一緒にいられるんだと思っていたのに。
医者
無意識に爪が白くなってしまうほど手を握ってしまう。そろそろ潮時かもしれない。そう思った。
医者
蘇枋
きっと今から目が見えなくなってしまえば、一緒にいる彼に、大好きな彼に迷惑をかけてしまう。 生活はこれまでと全く違うものになってしまうし、 今までどうり喧嘩だって出来なくなってしまうかもしれない。 もう彼の隣には立てない。
もっとずっと、この時は先だと思っていたのに、 彼とはもう少し一緒にいたかったな。もっと表情をこの目に焼き付けておきたかったな。 お別れを言わないとな。 こんな時だって、自分から涙のひとつもでやしない。本当に彼を愛しているのか、疑ってしまうほどに。悲しいはずなのに。大好きなはずなのに。 それを知らせる涙はこの壊れてしまった目からは流れない。
彼に別れを告げてから学校へは行けていない。行ったとしても、もしこの目が喧嘩中にでも見えなくなってしまえば、彼らの迷惑になりかねないから。
何もやる気が起きなくって、 ただ柔らかい布団に沈みこんだ。
スマホが知らせる通知からは 級友たちの心配そうなメッセージに、 ただ一人、自分が恋人だった人からの個人メッセージ。 どんなことを書かれているだろうか。嫌われてしまっただろうか。 誰もうちを知らないから。 家に来られないのは有難いかもしれない。今の自分の顔は、きっと酷いものだから。 自分はこんなに臆病だったのかと、新たな自分の1面を知った。 彼といると、知らない自分が沢山出てくるな。きっとこの目が暗闇に閉ざされても、見えるのは全て彼の顔なんだろう。こんなにも俺は君が好きなんだから。
蘇枋
誰にも聞こえてない独り言は、 静かに部屋へと消えていった。
昔にあった事故の傷。 その時の代償が、黒い革製の眼帯に覆われた右目だった。
右目はほぼ機能しておらず、 何も見えていない。 その分片目だけに頼ることになる。 片目にかかる負担は、どんどん蓄積されてゆき、いつしかもう片方も見えなくなってしまうと。そう医師に言われた。
だから壁を作るようにした。 親しい人を作らないように。 これ以上自分の世界へ入って来ないように。 迷惑をかけないように。
それでも、気づいてしまったんだ。 自分は彼が好きだって。 彼の自分を曲げないところとか、カッコイイところとか、全部が好きで、 どうしようもなく抑えられなくなってしまったんだ。 いつかきっとこうなるから。 近ずかないようにって。 そう思ってたのに、全部を彼に曲げられてしまって、恋は盲目って、本当なんだなって。
自分のことしか考えられてなかったんだと思う。彼と一緒にいたいって、 欲が出てしまった。 まだ大丈夫。まだこの目は機能してくれるって。
でもいざ見えなくなるって思うと、自分はずっと臆病だった。 彼に迷惑かけたくない。 彼の隣にいたい。 彼から離れないと。 彼のことが好きだ。 気持ちはずっとぐちゃぐちゃで、 整理が付かなくて、 目を閉じれば浮かぶ顔は全部彼の照れた顔や、笑顔で。 どうしようもなく彼が好きで、大好きで、離れたくなくてそばに居たくて、
大好きだから離れたくちゃ行けなくて。
蘇枋
ぐちゃぐちゃ考えている間に、 自宅のインターホンが鳴り響いた。 その音で急に現実へと引き戻されて、 鉛が着いているのかと思われる程重い体を、半ば引きずりながらも無理やりドアまで歩いた。
蘇枋
蘇枋
風に揺られながら髪を揺らす彼。 どこまでもその目は澄んでいて、 真っ直ぐで、 自分が好きになった彼が目の前にいて。
どうして、なんでここに。 そんな言葉を出そうとも、 声にならずはくはくと口を動かすだけだ。
桜
あぁ、俺はきっといつまでも彼には敵わない。