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"気をつけ、れい"
さようなら、
とクラスの人の声が綺麗に揃うと、
"はいさようなら。"
と丁寧に返してくれる先生。
その合図で私達は荷物を持って帰り出す。
今日はいつもより一段と騒がしく、
帰りのチャイムが鳴った瞬間、
"やったぁぁぁ!!"
と言いながら教室を出ていく男子や、
"明日遊ぼうね〜"
と手を振ってバイバイする女の子達が見えた。
…あぁ、
そういえば明日土曜だったっけ。
1週間早いなぁ〜
あっという間。
この週の休みは何をしよう。
…貴重な2日だからね、
頑張ったご褒美でも考えよう。
みなみ
西村拓哉
西村拓哉
西村拓哉
西村拓哉
みなみ
西村拓哉
"じゃ、ちょっと行ってくるな"
と可愛らしく天使っぽく手を振って、
ドタドタと廊下に出ていった拓ちゃんを見送り、
そのまま近くの席に座った。
拓ちゃん来るまで暇になるな〜、
と思いつつ、鞄を下ろし、
机の横のフックに掛けて、
"はぁ"
とため息をこぼした。
こんにゃく風雅くん
みなみ
みなみ
後ろのドアから顔を覗かせたこんにゃく風雅くん。
鞄は肩にかけてあって、
これから帰るところ、
なのかな?
"どうしたの?"
と私が聞く前に、
"拓ちゃんは?"
というこんにゃく風雅くんの声の方が先で、
私の声はかき消された。
みなみ
みなみ
みなみ
みなみ
みなみ
こんにゃく風雅くん
こんにゃく風雅くん
みなみ
みなみ
みなみ
少しの沈黙も苦しくて、
咄嗟に出た言葉がそれだった。
ちょっと噛んだ…恥ずかし、
もう既に誰も居ない教室と廊下、
嫌でも私の声が響いて。
ちょっと噛んだだけでも凄い恥ずかしく思える。
こんにゃくくんは、
"あぁ、…きょうは1人やねん"
と苦笑しながら頭を搔く姿に、
一緒に帰りたいのかな、
…なんて、意味の分からない思考が頭をよぎる。
いや、そんなわけないか。
鈴木さんにも申し訳ないしね。
そう考えると胸の何処かがチクッと痛むけれど、
あえて無視して、
"1人で帰る時寝ないでよ?"
とクスクス笑いながら返した。
こんにゃく風雅くん
みなみ
みなみ
こんにゃく風雅くん
こんにゃく風雅くん
ふにゃっと笑ったこんにゃく風雅くんは、
肩からズレた鞄を持ち直し、
"じゃあ"
と後ろを向いた。
コメント
6件
やばいードキドキするー こんにゃくくんーー
ニシタク担だけど風雅担になりそう… うぅぅぅぅぅぅこんにゃくぅぅぅぅぅぅ
何これ、好き。←