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由美
もー、お母さんったら何なの？
由美
っと、ここがお母さんが言ってた葬式の場所...
由美
うわぁ、
由美
知ってる人がたくさんいる
由美
先生に、クラスメイト、おばあちゃんも！？
由美
誰の葬式なんだろう？
由美
あ、ユイ！
ユイ
由美！
ユイ
由美も来てたの？
由美
そっちこそ、どうしてここに？
ユイ
お母さんが電話で話してるのを聞いたの
ユイ
でも、私には何にも言ってくれなかったから
ユイ
気になって後を追って来たの
由美
ユイもそうなの！？
ユイ
ってことは由美も！
由美
一体誰の葬式なんだろう？
ユイ
うーん
浩太
おーい
浩太
由美ー！ユイー！
由美
浩太！
由美
浩太も来てたの！？
ユイ
浩太君はどうしてここに？
浩太
いや、母さんが電話で話してんのを聞いてよ
浩太
俺が話しかけても何にも言わないから、
浩太
気になって後をつけて来たんだよ
ユイ
やっぱり浩太君も…
浩太
「も」って…
浩太
まさかユイも！？
ユイ
うん、由美もそうなんだよ
由美
そうなの
浩太
って、これ、
浩太
誰の葬式なんだ？
ユイ
それが分からないの
由美
…
ユイ
由美？
浩太
どうしたんだ？
由美
私、これが誰の葬式か分かったかも
ユイ
えっ…
浩太
誰のなんだ？
由美
多分…
由美
ケイの葬式なんじゃないかって思う
ユイ
ケイって啓介君？
浩太
まさか、ケイに限ってそんなはずあるわけ無い！
由美
私も嘘だと思いたいよ
由美
でももしケイの葬式なんだとすれば、ここにいる人たちの説明がつく
浩太
でも、それじゃあ、どうして母さんは俺たちにその事を伝えてくれなかったんだ？
由美
…多分、私たちがショックを受けると思ったからじゃないかな？
啓介
あっ、
啓介
浩太！由美！ユイ！
由美
え、
由美
ケイ！
由美
あんた生きてたの！？
啓介
ちょっ、いきなり「生きてたの！？」は無いだろ
浩太
おまえ、本当にケイか？
啓介
はい！？
啓介
なんだよ浩太まで
ユイ
ケイ君は生きてる、つまりケイの葬式じゃないって事？
啓介
いや、勝手に殺すな！
ユイ
よかったぁ
由美
啓介もお母さんの電話でここのこと知ったんでしょ？
啓介
え
啓介
おまえなんでそれ知ってんの？
ユイ
私たちがそうだからだよ、ケイ君
浩太
って、ケイが生きてるってことは誰の葬式なんだよ、これは
由美
わからない
由美
ケイはなんか分かる？
啓介
分かるわけねーよ
啓介
それとよぉ、
啓介
浩太たちに会う前に色んな人に話しかけたんだ
浩太
あー、先生とか友達とかめっちゃいるもんな
啓介
でもよ、答えてくれるどころか、誰もこっちを見ないんだ
ユイ
え？
由美
誰も？
啓介
あぁ
啓介
これっておかしくね？
浩太
確かにおかしい
ユイ
おかしいって言うか怖い…
浩太
ドッキリってゆうのは？
由美
にしては大掛かりすぎない？
浩太
そっかぁ…
ユイ
葬式台の遺影見れば分かるんじゃない？
啓介
なるほど
浩太
その手があったか
啓介
あったまいー！
由美
でも、見て
由美
遺影、まだ出てないの
ユイ
本当だ
啓介
棺も出てない
啓介
どうする？
浩太
どうするって言っても何もすることないんじゃね？
由美
まぁ、そうだけど
由美
それよりみんな、昨日と同じ服なんだね
ユイ
え？
ユイ
あ、本当だ
浩太
由美もだけどな
由美
分かってるよ
浩太
ケイ、昨日の汚れ、付いたままだぞ
ユイ
昨日は派手に転んでたね
啓介
うわ、かっこわるぅ
浩太
かっこわるぅ
由美
あれは足を引っ掛けた浩太が悪いよ
浩太
そうだっけ？
啓介
おい！
ユイ
また昨日みたいに遊びたいねぇ
浩太
そうだなぁ
由美
ねぇ、
由美
昨日の帰りにさ…
ユイ
あっ！
ユイ
遺影出てきたよ！
浩太
本当だ
浩太
棺も運ばれて…
啓介
1、2、3、4個も！？
ユイ
遺影も四つあるよ
啓介
一体誰の葬式なんだよ…
由美
ねぇ、
由美
私たち、昨日ちゃんと家に帰ったよね？
ユイ
え？
ユイ
由美何言ってるの？
ユイ
ちゃんと帰ったに決まって…
ユイ
あれ？
浩太
いや、俺らまだ帰ってなかったよな？
啓介
あぁ
由美
私、思い出した
由美
帰ろうとしたら、トラックが突っ込んで来たんだよ
ユイ
…そっか、思い出した
浩太
そうだ、トラックが突っ込んで来て、
浩太
それで
啓介
死んだ、のか？
由美
うん
由美
それに、遺影を見て
ユイ
え、
ユイ
なんで？
浩太
嘘だろ
啓介
あ、あれって、
由美
私たちの写真、だよね
由美
これは、私たちの葬式なんだ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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