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奈那Ver.
一通り話し終えた私は、熱くなった顔を冷ますように手を パタパタと扇いでいる。
天元と蜜璃は決意する。このふたりを応援しようと。
奈那の想い人──時透無一郎は若くして記憶を失くした少年であり、光の無い虚ろな目を柱は気の毒に思っていた。
無一郎にも大切な人が出来れば 少しは明るい表情が増えると考える。
甘露寺蜜璃
奈那
宇髄天元
奈那
奈那
奈那
宇髄天元
宇髄天元
宇髄天元
うんうん、と興奮気味に頷く蜜璃。
目を見開く奈那。
奈那
宇髄天元
しまった、と天元は口元を抑える。しかしもう遅い。
ふたりは無一郎が柱だと知ると、階級の差や責任の重さなどで諦めてしまうのではないかと心配していた。
奈那
それは杞憂だったが。
しかし柱となるとかなり忙しい。
一般隊士──ましてや、最近入隊したばかりの癸が柱と会うことはかなり難しい。
そんな私の不安を読み取った蜜璃がぱちん、 と手を叩いて提案する。
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
奈那
宇髄天元
宇髄天元
鬼殺隊に確実な明日の保証はない。
蜜璃と天元の言う通り、確実に会うなら今しかないのだ。
私はそう自分を納得させ、屋敷に向かうことを決意した。
"偶然"蜜璃の屋敷の前を通りかかった伊黒小芭内という柱も同行することになった。
小芭内も蜜璃から奈那の様子がおかしいことの相談に乗っていた。
蜜璃からの頼みでしぶしぶではあるが協力するようだ。
傍から見れば、癸の隊士一人を柱三人が囲んでいる異様で恐ろしい光景であった。
あまりの異常さにすれ違った隠は震え上がっていたが、この四人の中でそれに気付いたものは居なかった。
暫く歩き、霞柱の屋敷に着いた。
それと同時に奈那は動けなくなったが。
奈那は当然四人で話しかけに行くだろうと思っていた。
蜜璃の
甘露寺蜜璃
という言葉を聞くまでは。
奈那
宇髄天元
甘露寺蜜璃
伊黒小芭内
伊黒小芭内
伊黒小芭内
奈那
宇髄天元
奈那
霞柱の屋敷の影でコソコソと話す癸の隊士一人と柱三人。 不審者でしかない。
???
突然背後から声が降りかかる。
奈那
聞き覚えのない声。思わず大きな声を上げて尻もちを着く。
しまった、と私は口を抑え先程まで無一郎が居たはずの 庭に視線を戻す。
奈那
横を見ると蜜璃は笑顔でこちらを見ている。
天元と小芭内は既にこの場には居なかった。
逃げられた…? と思いきや、木の影からこちらを覗いている。
奈那は白目を剥きそうになった。
時透無一郎