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ドンッッ
その瞬間、青は世界が裏返るような衝撃を感じた。
体の向きが分からない。
音が遠い。
光が滲む。
空気が重くて、息を吸うことも吐くこともできない。
青
何も無くなった。
痛みも、重さも、熱も、冷たさすら無い。
青は、落ちているのか、浮いているのかも分からない白い空間に立っていた。
ーーいや、立っている「つもり」だった。
足も地面もない。
意識だけがここにある。
そんな空間に、急に声が落ちてきた。
『ようこそ、生と死の境界へ』
穏やかで、どこか楽しんでいるような声だった。
青
自分の声が、ひどく澄んで響いた。
息もしていないのに声は出る。
おかしい。全部おかしい。
白い霧の奥から、人影が近づいてきた。
白い着物を風もないのに揺らす、不思議な男だった。
目元だけが鋭く輝いていて、笑っているのか、無表情なのか判別できない。
『事故だ。もうすぐ君、死ぬよ。』
青
喉が掠れるような感覚がした。
実際には喉なんて無いのに。
男は軽く頷き、
『ただ、君には ”生きる可能性” がある』
と微笑んだ。
青
『5つの条件を満たせたら、君を生き返らせてあげよう。』
青
男は指を一本立てた。
『条件1、隣の席の人と昼食をとる』
青
一瞬、思考が止まった。
隣の席。
あの、よりによって……桃…。
いつも人に囲まれて、
誰にでも優しくて、
誰にでもベタベタして、
しかも八割は気があるような顔をしてくるから 人たらしと言われている男。
青は、心底嫌いだった。
青
男は肩をすくめる。
『それが運命ってものさ。達成したら次の条件を教えるよ』
青
『君は、完全に死ぬ。』
淡々と告げられた言葉が、胸の中心に刺さる。
青
初めて素直な言葉が漏れた。
その瞬間、世界にヒビが入るような音がしてーー
青は、病院のベッドの上で目を覚ました。
𝐍𝐞𝐱𝐭…♡×100