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コメント
1件
神様なにか絶対企んでますよね? 続きが楽しみです🎶
目が覚めた翌日。
青はまだ体が重くてふらついたが、学校に向かった。
時間がない。
神様が言った。
『1ヶ月以内』と。
青は、桃を見るなり、胃に嫌な痛みが走った。
桃は今日も人に囲まれている。
青は無表情を装いながら、内心で舌打ちする。
笑っている。
誰の話にも相槌を打って、
冗談みたいに軽く肩に触れて、
それでいて、誰か一人に深入りするわけでもない。
青
青は、そういう人間が嫌いだった。
誰にでも優しい人間は、
誰のことも本当には見ていない。
少なくとも、青はそう信じてきた。
青
席に着くと、心臓の音がやけにうるさかった。
隣の席。
手を伸ばせば触れる距離。
「昼食をとるだけ」
そう言い聞かせる。
言葉にすれば簡単だ。
でも、その「だけ」が、
今の青には異様なほど高い壁だった。
昼休みが近くにつれて、呼吸が浅くなる。
青
神の声が、頭の奥で反響する。
『達成できなければ、君は死ぬ』
青は、手を強く握りしめた。
昼休みのチャイム。
教室が一気に騒がしくなる。
桃は立ち上がり、友達に囲まれながら出口へ向かう。
ーー今だ。
青は、反射的に立ち上がった。
青
自分の声が、思ったより小さかった。
桃
振り返った桃の顔は、驚くほど自然だった。
桃
その「どうした」が、本当に心配してるみたいで、
青の神経を逆撫でした。
青
言え。
生きたいんだろ。
青
一瞬、時間が止まった。
周囲の空気が、わずかに揺れたのがわかった。
桃は青をじっと見たあと、
少しだけ首を傾げた。
桃
青
桃
その言葉は、驚くほどあっさりしていた。
青の胸の奥が、ぎゅっと縮む。
青
それだけ言って、座り直す。
分かってた。
期待なんてしていなかった。
これは想定内だ。
ーーそれでも。
昼休みが終わるまで、
青は何も食べられなかった。
次の日も、その次の日も。
青は、昼休みになるたびに桃に声をかけた。
理由を変えた。
言い方も変えた。
視線を合わせないようにした日もあった。
それでも、答えは同じだった。
「今日は無理」
「ごめん、予定ある」
「また今度な」
「また今度」は、来ない言葉だと知っている。
周囲はどよめき、噂になり、面倒な視線も増えた。
「え、青が?」
「なんで桃に?」
「そんなに仲良くないよね?」
青の精神がじりじり削られていく。
青
神様の声が、喉に刺さる。
”条件を満たさなければ死ぬ”
それだけで足は動いていた。
そして四日目。
青は、もう開き直っていた。
青
青
昼休み。
いつも通り、もの周りには人がいる。
青は、その輪の中に踏み込んだ。
青がまた「昼飯」と口を開きかけた瞬間ーー
桃
青
青は一瞬だけ、息を忘れた。
桃
桃
その瞬間、青の世界の音が、一気に遠のいた。
屋上。
風が吹いて、弁当の包がかさりと音を立てる。
二人きり。
青は、何を話せばいいのか分からなかった。
青
それしか頭にない自分が、酷く浅ましく思えた。
桃
青
桃が話を始める。
桃
心臓が跳ねた。
青
青
桃
青は何も言えなかった。
桃
桃は空を見上げる。
その時ーー
胸の奥で、”何かがカチリと外れるような音”がした。
『条件1クリア』
神様の声が遠くで響いた気がした。
青
青は、箸を持つ手をそっと握りしめた。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎…♡×300