莉犬
おはようございます!

さとみ
ストーカーかなんかかお前は

莉犬
さ、学校行きましょう!さとみくん!

さとみ
...行かないよ、今日は

莉犬
...え、なんでですか?

さとみ
行く気力がないから、それじゃ駄目か?

莉犬
駄目とは言いませんが...

さとみ
じゃあ突っかかってくるな

さとみ
俺はもうひと眠りするから

莉犬
なら、お邪魔させていただきますね

さとみ
...はぁ?

あまりに馬鹿な事を言い出す莉犬に、俺はそんな素っ頓狂な声をあげた
さとみ
何言い出すんだ...お前学校だろ?

莉犬
サボってさとみくんの看護を、と思いまして...

莉犬
どうでしょう?

さとみ
いらないよ、俺は一人が好きだから

莉犬
...本当に一人が好きなら、恋人なんて作りはしないですよ

莉犬の言うその言葉に、俺はほんのわずかに身じろいだ
莉犬
そうやって強がって、他人の手を払いのけないでください

莉犬
...貴方はきっと今、誰かを欲している

莉犬
貴方は孤独じゃ生きれない

莉犬
...そういう人間だと思いますよ

さとみ
お前に何が分かるってんだ...

莉犬
分からないとお思いで?

さとみ
振られた事のないお前が...

さとみ
俺の気持ちなんて分かるはずが__

莉犬
分かりますよ

さとみ
えっ...

莉犬
...分かりますよ、貴方の気持ち

莉犬
愛する人もいなくなって、たった一人になってしまう...

莉犬
多少違うかもしれませんけど、俺と貴方の境遇は似ています

莉犬
それ故に、分かるんです

莉犬
俺には、貴方の気持ちが

さとみ
お前も、振られて一人になったって事か

莉犬
そういうわけじゃないんですけどね

さとみ
あぁ、それとは少し違うのか

莉犬
ほんの少し、ですけどね

さとみ
そっか...

莉犬
というわけで、家に入りましょうか!

さとみ
...なんでそうなる?学校行けよ

莉犬
さとみくんのいるとこ、俺ありです

さとみ
わけがわかんねぇ...

莉犬
それじゃ、失礼します!

さとみ
っておい!勝手に入んな!

と、俺は勝手に家に入っていく莉犬の後を追うのだった