死にたい俺と生きたい君

愛される人

愛されない人では

見える世界も変わってくる

俺も愛されたら

ころんみたいに優しい人になれたのかな？

心臓がｷﾞｭｯてなった

その瞬間世界が変わった

俺にとってころんが"何か"に変わった

ころんの笑顔が眩しくて

輝いていて

俺の心を照らしてくれた

その笑わせるも

終わりが来ることを知っている

誰しもが人生に終止符を打たなければならない

でもころんは短すぎる

俺ところんが一緒にいれるのは

あと何ヶ月だろうか…

ﾄﾞﾝｯ

僕の足は震えていた

想像を絶していたから

助けれなかった

助けれたのに

僕がさとみくんを支えないと…

さとみくん…壊れちゃうよ…

結局親が深夜までうるさくて寝れなかった

2階でも聞こえる大声

鳴り止まない音

まさに地獄だった

いつもより綺麗に整えて

いつもよりもかっこよくして

"君"にかっこいいって

そう思われるために

昔の自分じゃ想像出来ないだろう

こんな自分を

さすが人気者

周りに一瞬で囲まれた

俺とは大違いだ

ころんは…凄いな

授業中

頭が痛い

耳鳴りが聞こえる

先生の声を聞く度頭がキーンってする

さとみくんに心配かける訳にはいかない

さとみくんの家庭を見た僕は支えなくてはならない

自殺までしようとした人だ

絶対死なせない…

さとみくんは変な顔をしてた

困ってるような

怒ってるような

そんな顔をしていた

頭痛いのに頭使わせんなよぉ

えっえっ…わかんない

それに…頭が…

さとみくんは目線をそらし

と言った

きっと「友達」として

僕のことを見てくれるようになったんだろうな

好きになってくれたんだな

嬉しい

でも君と僕の「好き」は違うよ

だから

僕はさとみくんのシャツを掴む

ほらね

君の好きと

僕の好きは違うんだ

実際僕もどんな「好き」か分からない

同性だからかな？

わかんない

ただ分かるのは

難しいってことと

胸が苦しいことだけ…

目の前には真っ白い世界が広がっていた

腕には点滴を付けられている

物静かな場所

僕は倒れたんだな

やっぱ体が弱くなっている

悪い知らせだと確信した

僕は手を握り

動揺を抑え

震えた声で聞いた

僕は白い部屋の中

物音もない静かな部屋で

静かに泣いた

こんなにはやいとは思わなかった

先生いわく夏休みが終わった後にはもう………と

さとみくんと思い出を作るため

僕は君にこのことを話さないことにした

だから心の支えもいない中

1人で泣いていた