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1ヶ月後 フロア
りこ
"今年で開店20周年を迎えるレストラン・ノワールに革命が起きた。豪華なコース料理に加え、新人パティシエが作る最高のスイーツが私たちを迎えてくれる"だって！あれ？でもあんなに結衣の名前聞いてたのに書いてない
ゆい
私があの後書かないでくださいって言ったの
りこ
えー！なんで？結衣の名が知れ渡るチャンスだったのに
ゆい
私はただ食べた人に美味しいって思ってもらえればそれでいいから
りこ
もったいなーい
木崎料理長
いつまでも雑誌見てないで手を動かせ
りこ
はい。じゃあまた後で
ゆい
うん
社長室前
ゆい
(待ってる)
ようた
そんなとこで何サボってんだ
ゆい
サボってるんじゃありません。新しいスイーツ作ったので、社長に試食してほしくて
ようた
そんなの料理長に頼めばいいだろ
ゆい
よう、、社長は的確ではっきり言ってくれるから、、昔みたいに1番に食べて欲しくて、、
ようた
、、昔の俺を探すな
ゆい
、、
ようた
、、入らないのか
ゆい
え？
ようた
社長だからな。下手なスイーツを客に出されたら困る
ゆい
😊ありがとう
さやか
陽太
ゆい
？
ようた
紗弥加、どうした？
さやか
近く通ったから寄ってみた。この方は？
ようた
新しく入ったパティシエだよ
ゆい
白石結衣です
さやか
あぁ！あなたが雑誌に書いてあった新人パティシエさんね。はじめまして、柊木紗弥加です
ゆい
柊木って
ようた
柊木財閥のお嬢さんだよ
ゆい
え！すごい
さやか
全然。私じゃなくて父がすごいだけ。あ、そういえばお父さんが今度陽太に会いたいって。陽太の経営力が凄いから色々聞きたいんだって
ようた
別に大した事ないよ
ゆい
、、
ようた
入らないのか？
ゆい
あ、、はい。料理長に確認してもらうので大丈夫です。失礼しました(行く)
さやか
あの坂本彩葉さんが絶賛したスイーツを作ったなんて、あの子すごい子ね
ようた
、、
お昼休憩 屋上
ゆい
、、
りこ
はぁぁぁ疲れたー！あれ？どうしたの？
ゆい
あ、いや別に。、、さっき社長のところに柊木紗弥加さんって人が来てた
りこ
あぁ、柊木財閥の御令嬢ね。社長が来るとよく訪ねてくるのよ
ゆい
親しいの？
りこ
よくは知らないけど、高校時代の友人って聞いた。まぁ私が見るに柊木御令嬢は社長のことが好きって感じだけど
ゆい
そうなんだ
りこ
ねぇ、結衣ってさぁ
ゆい
ん？
りこ
社長のこと好きなの？
ゆい
え？！なんで？！
りこ
だってよく社長のこと聞いてくるし
ゆい
別にそんなんじゃないよ。ただ気になっただけ
りこ
ふーん
閉店後 調理場
ゆい
(片付けてる)
坂本彩葉
こんばんわ
ゆい
坂本さん！なんでここに
坂本彩葉
あなたのスイーツがまた頂きたくてね。けど、営業時間に間に合わなかったわ
ゆい
少しでよければ余りがありますけど、食べますか？
坂本彩葉
頂くわ
屋上
坂本彩葉
(食べる)あなたが作るものは全て美味しいわね
ゆい
ありがとうございます。、、あの
坂本彩葉
何？
ゆい
坂本さんはこのレストランができる前にあったパティスリーをご存知ですか？
坂本彩葉
えぇ。評論家として駆け出しの頃よく通ってたわ。社長のご両親が作るスイーツはどれも格別だった
ゆい
昔のこと知ってますか？
坂本彩葉
パティスリーとしてこの地域では大人気で。社長のお父様がもっとたくさんの方に喜んで欲しいって言うことで今のロワールを創ったの。けど、そんな中社長のご両親は事故に遭われて
ゆい
ご両親は、、
坂本彩葉
、、お母様は即死だったそうよ
ゆい
！
坂本彩葉
お父様は事故の後遺症で下半身に麻痺が残ってしまって、、、
ゆい
そんな、、
坂本彩葉
今はお父様が会長で、息子の陽太さんがその意思を継いで社長をやってるの
ゆい
そうだったんですね、、
坂本彩葉
どうしてパティスリーのこと？
ゆい
あ、、小さい頃よくここに通ってたので
坂本彩葉
そう。あなただったの
ゆい
え？
坂本彩葉
社長がよく言ってたわ。将来有望な女の子がいたって。どこで何をしているのかわからないけどって
ゆい
社長がそんなことを
坂本彩葉
だからあなたを見つけた時嬉しかったんじゃないかしら。あの人、なかなか顔には出さないけど
ゆい
☺️
ロワール前
ゆい
(待ってる)
ようた
(歩いてくる)
ゆい
！しゃちょ
さやか
陽太！待ってよ
ようた
(待ってる)
さやか
まさか今日お父さんに会ってくれると思わなかった
ようた
おじさんには色々聞きたいことがあったから
さやか
早く行こ！お父さん待ってる
ようた
あぁ
ゆい
、、、
結衣の部屋 ガチャ
ゆい
(入ってくる)、、
そうすけ
おかえりー
ゆい
あれ？いたの？
そうすけ
今日休みだったから
ゆい
そっか
そうすけ
そういえば見たぞ！月刊スイーツ！名前は載ってなかったけどすごいな！おじさんとおばさんも喜んでたぞ！
ゆい
実家に行ったの？！
そうすけ
あ、いやぁ、、たまたまあっちに帰る用事があって。そしたらたまたま2人に会っちゃって
ゆい
わざわざ見せにいったんでしょ
そうすけ
😅でも、おじさんとおばさん、ほんとに喜んでたぞ。やっと自分の場所見つけたんだって
ゆい
、、別にそうゆうんじゃないし、、
そうすけ
？そういえばなんか帰ってきてから機嫌悪くないか？
ゆい
別に。ただ疲れてるだけ
そうすけ
そっか
ゆい
、、
そうすけ
？、、
翌日 調理場
ゆい
(準備中)、、
ようた
何ぼーっとしてんだ、ちびすけ
ゆい
！社長。別にぼーっとしてなんか
ようた
あの新作ケーキ、悪くなかった
ゆい
え？！食べたの？
ようた
昨日そこに置いてあったから
ゆい
そういえば置いて帰ったかも
ようた
ただクリームが甘すぎるからもう少しさっぱりさせた方がいい
ゆい
ありがとう、、ございます
ようた
で？不機嫌の原因はなんだ？
ゆい
別に
ようた
昨日紗弥加のお父さんに会った
ゆい
知ってます
ようた
え？
ゆい
いえ
ようた
その時そのケーキを食べてもらった
ゆい
え？！まだ試作段階なのに！
ようた
すごく美味しいと喜ばれてた。実際にここに食べにきたいって。よかったな
ゆい
なんで
ようた
？
ゆい
なんでいつもそんな自分勝手なんですか
ようた
何が
ゆい
私の前では食べてくれないし、いつもそっけないし、紗弥加さんとは2人でいるし、一緒に出かけるし、、
ようた
何が言いたいんだ？
ゆい
とにかくもう試食はいいです。これからは他の人にしてもらいます(行く)
ようた
(腕掴む)ダメだ
ゆい
！
ようた
お前のケーキを最初に食べるのは昔から俺だっただろ
ゆい
！
ようた
、、わかったらさっさと仕事しろ(行く)
ゆい
！
仕事後
りこ
はぁぁ！疲れたー！！今日もお客さんたくさん来たね！
たぐち
これも優秀なパティシエのおかげだな
ゆい
そんなことないよ
りこ
そんなことあるよ！お客さんの半数以上がこの間の月刊スイーツ見て来てくれてるし、デザートだけを食べに来たって言う人も増えて来てるし！
たぐち
そろそろクリスマスもあるし、より一層お客が増えるな！
ゆい
少しでも力になれてるなら良かった
りこ
それに、社長もよく来るようになったよね！今までは週に一回くれば良い方だったけど、今はほぼ毎日来てるし。ほんとびっくり！
たぐち
店が繁盛して嬉しいんだろ
ゆい
、、
そうすけ
結衣！
ゆい
蒼介？！なんでここに？
りこ
誰？
ゆい
私の幼なじみ
ようた
仕事終わってたまたま通りかかったら姿が見えたから
ゆい
私の幼なじみの渡辺蒼介。こっちが一緒に働いてるフロア担当の田口くんと笹尾莉子さん
りこ
はじめまして
たぐち
どうも
そうすけ
いつも結衣がお世話になってます。こいつ迷惑とかかけてないですか？
りこ
全然！むしろ来てもらえてすごく助かってます
ゆい
ちょっとやめてよ
そうすけ
そういえば、寒いから今日は鍋にしようと思ってるんだけどいいか？
ゆい
いいね！
りこ
え？！2人って付き合ってるの？！
ゆい
違う違う、ただよく蒼介がうちに転がり込んできてるだけ
そうすけ
お前がいつも家の鍵開けっぱなしだからだろ！俺がいなかったら今頃襲われてるぞ！
ゆい
はいはい、すいませんでした
そうすけ
あの、もしよかったら2人も一緒に鍋どうですか？
りこ
え！？良いんですか？！じゃあお邪魔します！
たぐち
すいません
そうすけ
いえいえ、みんなで食べたほうが楽しいので
ようた
(歩いてる)
りこ
あ、社長だ
ゆい
、、
たぐち
社長、お疲れ様です
ようた
おつかれ
りこ
これから結衣の家で鍋パーティーするんですけど社長も一緒にどうですか？
ゆい
ちょっとりこ
そうすけ
、、
ようた
、、嬉しいけど今日はこれから会議があるんだ。みんなで楽しんで(行く)
りこ
お疲れ様です
そうすけ
あれが社長？ずいぶん若いんだな
たぐち
俺らと同い年なんだ。若いのによくやるよ
ゆい
、、
そうすけ
、、
翌日 休憩室前
りこ
昨日は誘ってくれてありがとう。とーっても楽しかった！
ゆい
喜んでもらえたならよかった
りこ
結衣と蒼介くんってさぁ、なんかお似合いだよねぇ
ゆい
え？
りこ
だって息もぴったりだし、お互いのことよくわかってるし、なんか側から見てたらカップルみたいだった！
ゆい
やめてよ、蒼介とはそうゆうんじゃないから
りこ
なーんだ、残念
ようた
(来る)
りこ
あ、社長。おはようございます
ようた
おはよう
ゆい
、おはようございます
ようた
おはよう(行く)
りこ
カップルと言えば社長と紗弥加さん、もう付き合ってるのかなぁ？
ゆい
え？
りこ
紗弥加さんは絶対社長が好き。社長はもし紗弥加と付き合えば事業拡大できるチャンス！win-winな関係じゃない？羨ましい
ゆい
、、
社長室 コンコン
ようた
はい
ゆい
失礼します
ようた
なんだ
ゆい
クリスマスに出そうと思ってるケーキを持ってきました
ようた
じゃあそこに置いといてくれ
ゆい
いやです
ようた
？
ゆい
私のケーキは社長が最初に食べるって言ったじゃないですか。食べるのを目の前で見るまで戻りません
ようた
、、いつからそんなに頑固になったんだ
ゆい
べつにそんなんじゃ。社長だっていつからそんなに冷たい人間になったんですか。紗弥加さんには優しいのに、、
ようた
、、だったら、(腕を引く)
ゆい
！
ようた
お前にも優しくしたらお前も態度を改めるのか？
ゆい
！
ようた
、、そうゆうのは彼氏の役目だろ。家でやってもらえ
ゆい
え？
ようた
昨日いたの彼氏だろ
ゆい
あ、あれはただの幼なじみで彼氏じゃない
ようた
、、そうか
ゆい
社長は、、社長は紗弥加さんと付き合ってるんですか？
ようた
、、なんで気になる
ゆい
それは、、どうなのかなってただ思っただけで、特別な意味はありません。でも、、
ようた
でも？
ゆい
社長のこの２０年間のことを知りたいです。どうしてこのお店がレストランになってしまったのか、どうして社長をやってるのか、どうしてそんなに冷たくなっちゃったのか、、
ようた
お前には関係ないって言っただろ
ゆい
関係あるよ！
ようた
、、
ゆい
私は、あの日陽太くんと約束したから頑張って勉強してパティシエになった。陽太くんとあのお店で一緒に働きたくて
ようた
、、
ゆい
おばさんが亡くなったって聞いた
ようた
！
ゆい
おじさんも怪我をしたって。一体何があったの？
ようた
、、あの時の俺とは違う。関係ないって何度も言ってるだろ
ゆい
私は陽太くんの力になりたい。頑張ってケーキを作ってお客さんたくさん呼ぶし、もしおじさんのことで困ってることがあるなら
ようた
やめろよ！
ゆい
！
ようた
さっきから何なんだよ！力になりたいだの、俺のために頑張っただの、しらねぇよ！頼んでもないのに、お前の感情勝手に押し付けんなよ！
ゆい
！
ようた
頼むから、、これ以上踏み込んでくるな
ゆい
！、、(行く)
ようた
、、
屋上
ゆい
(泣)
木崎料理長
はぁぁぁぁ。、、え？！
ゆい
、、すいません。ちょっと目にゴミが入っちゃって
木崎料理長
びっくりしたぁ、、
ゆい
私ってダメですね、、お店の力に全然なれてない、、
木崎料理長
そんなことは、、白石、この店なんでレストランになったか知ってるか？
ゆい
え？
木崎料理長
社長のお父さん、まぁつまり会長が社長の可能性を広げたかったから作ったんだってよ
ゆい
可能性？
木崎料理長
会長はパティシエで、将来社長はパティシエになりたかったらしいんだけど、社長には好きなことをして欲しいってレストランに変えたんだ。そうすればパティシエにもシェフにもフロアスタッフにも何にでもなれるだろ？
ゆい
たしかに、、
木崎料理長
会長は社長に好きなことをさせてやりたかったんだよ。けど、事故にあって自分の体が動かなくなって。相当ショックを受けてたよ。そんな姿を1番近くで見てたから自分が守らなきゃって社長は思ったんだろうなぁ
ゆい
どうしてそんなに
木崎料理長
このお店ができた時、初めて雇ってもらえたのが私なんだ。だから、あの2人のことは他の奴らよりもわかってるし、私もこの店を守りたいって思ったんだ。けど、私はスイーツのことはよくわからない。だからデザートの評判は最悪だった
ゆい
そうだったんですね
木崎料理長
だから、こんなこと言いたくなかったけど、、白石が入ってくれてよかった。店の感じはだいぶ変わったし、お客さんも増えた。生意気だと思って落とす気だったが、社長のおかげだ
ゆい
え？
木崎料理長
社長が白石のケーキを食べて採用が決まったんだ
ゆい
そう、、なんですか？
木崎料理長
だから、、社長が1番白石を信頼してるよ
ゆい
！
木崎料理長
もし信じられないならここに行けば良い
ゆい
！、、
病院
ゆい
(探す)707、、、ここか
コンコン
陽太父
はい
ゆい
失礼します
陽太父
君は？
ゆい
お休みのところすみません。お久しぶりです、白石結衣です
陽太父
白石結衣、、あぁ、もしかして昔よくうちの店に来てくれた結衣ちゃんかな？
ゆい
そうです、ご無沙汰してます
陽太父
まさかこんなに美人さんになってるなんてびっくりだよ
ゆい
いえ、そんなこと。木崎料理長にこの病院のことを聞いて
陽太父
木崎に？なんで君が
ゆい
今、ノワールで働いてるんです。パティシエとして
陽太父
そうなのか！新しいパティシエが入ったとは聞いたけど、まさか結衣ちゃんだったとは。陽太は何も言わないから。夢を叶えたんだね
ゆい
はい。どうしてもあのお店で働きたくて
陽太父
そうだったのか。そう言ってもらえて嬉しいよ。でもすまないね。こんな体になってしまったから
ゆい
事故に遭われたって聞きました
陽太父
私も突然のことでびっくりしたよ。陽太にはもう会ったかな？
ゆい
はい
陽太父
ずいぶん変わっただろう
ゆい
そう、ですね、、
陽太父
高校生までは昔と変わらずよく笑う子だった。けど、私たちの事故を自分のせいだと思ってしまっててね
ゆい
どうゆうことですか？
陽太父
陽太が高校2年生の時、バイト代を貯めて私たちに旅行をプレゼントしてくれたんだ。ずーっと働き詰めだったからね、気を遣ってくれたんだと思う。けどその旅行中、居眠り運転をしていたトラックとぶつかってね。助手席側から突っ込まれて家内は即死だった。私も大怪我を負ったがなんとかこうして回復できた。後遺症は残ってしまったけど
ゆい
そうだったんですね、、
陽太父
事故以降、陽太は笑わなくなった。自分が旅行に行かせてしまったせいだって
ゆい
陽太くんは何も悪くないのに
陽太父
私もそう思ってるよ。ただ、陽太はずっと自分を責め続けてる。夢だったパティシエも諦めて大学に行って経営学を学んで私の代わりにレストランを守ってくれてる
ゆい
私に、何か出来ることはないでしょうか
陽太父
ありがとう結衣ちゃん。けど、陽太はもう変わらないかもしれない。私も色々手を尽くしたのだが
ゆい
、、陽太くんには感謝しかないです
陽太父
え？
ゆい
小さいころ、おじさんとおばさんのケーキが大好きで、いつか2人のようになりたいっていっぱいケーキを作って。その度に陽太くんはケーキを食べておいしいって言ってくれました。それがあったからケーキを作ることが大好きだったし、仕事にすることもできました。今の私がいるのは全部陽太くんのおかげなんです。なのに、陽太くんが困ってる時に何もできないなんて、、
陽太父
そんなに考えてくれてたんだね。本当にありがとう。それならパティシエとして陽太を支えてくれないか？
ゆい
パティシエとして？
陽太父
あいつは何も言ってこないが、経営で行き詰まってる時があると思う。支えてやりたいが今の私には出来ることが限られてしまう。だから、私の代わりにあいつのそばにいて支えてやってほしい
ゆい
私に出来るんでしょうか
陽太父
結衣ちゃんになら出来るよ。陽太のそばにいたのは結衣ちゃんなんだから
ゆい
、、、頑張ってみます
陽太父
ありがとう
ガラ
ようた
父さん、着替え持って、、お前なんで
ゆい
！
ようた
なんでここにいるんだ
陽太父
見舞いに来てくれたんだよ
ゆい
ごめんなさい、ここに入院してるって聞いて勝手に来たの
陽太父
結衣ちゃんと一緒に働いてるなら言ってくれれば
ようた
来い(引っ張る)
ゆい
ちょっと！、、おじさん、失礼します
陽太父
また来てね
ゆい
はい
病院外
ようた
、、
ゆい
陽太くん、痛い
ようた
(離す)なんでここにいるんだ
ゆい
おじさんがここに入院してるって聞いてどうしても会いたくて勝手に来たの
ようた
お前が父さんに会わなきゃいけない理由ってなんだよ
ゆい
おじさんが心配だったから。事故にあって後遺症もあるって聞いたし
ようた
会ってどうする
ゆい
わからないけど、何かできればって思って
ようた
お前に出来ることなんてない
ゆい
どうしてそんなこと言うの？どうしてそんなに私に冷たいの？昔の陽太くんは
ようた
俺たちは経営者と雇われ。それ以上でもそれ以下でもない。もうここには来るな(行く)
ゆい
、、、
クリスマスイブ
りこ
今日はクリスマスイブかぁ。お客さんいっぱいなんだろうなぁ
たぐち
そうだなぁ
りこ
次こそはぼっちクリスマス卒業する！って思ってたのになぁ。こんなはずじゃなかったのに！
たぐち
残念だったな
りこ
え？あんたもでしょ？
たぐち
残念だな、俺は今年はぼっちじゃない
りこ
え？！いつのまに！抜け駆け！！
ゆい
莉子、そこの箱取って
りこ
ねぇ結衣、クリスマス一緒に過ごそ♪
ゆい
私クリスマスケーキ作りで残業しなきゃいけないから
りこ
😨
たぐち
残念だったな笑
クリスマス 夕方
たぐち
いらっしゃいませ
女性
あの、クリスマスケーキを予約した近藤なんですが
たぐち
近藤様ですね、少々お待ちください。。。あれ？
りこ
どうしたの？
たぐち
いや、クリスマスケーキを予約された近藤様が来てるんだけどリストに無いんだ
りこ
え？そんなことないでしょ。ちゃんと探したの？
たぐち
何回も見てるけど無いんだよ
りこ
お客様、ケーキを予約したのはいつ頃でしょうか？
女性
12月5日です。あの方に予約をお願いしました
新人
！すみません！あとでリストに書こうと思ってて忘れてしまいました！
たぐち
え？！
りこ
どうするのよ
新人
ほんとにすみません！
女性
忘れたってどうゆうことですか？！ちゃんとお願いしたじゃないですか！
ようた
(来る)どうした？
りこ
社長。新人さんが予約リストに名前を書くのを忘れてしまったみたいで
新人
本当に申し訳ありません！！
ようた
、、わかった。お客様、大変申し訳ございません。こちらのミスでケーキのご用意ができていませんでした。申し訳ございません
女性
謝罪ならいいです。ケーキをどうにかしてください
ようた
本日はご予約の方のみの販売でして、ご用意することが難しいです。お代はお返ししますので
ゆい
(来る)？
女性
お金とかそうゆう問題じゃないんです。今日は娘の誕生日で。昔からここのケーキが大好きだったから娘にも食べさせてあげたかったんです。すぐ無くなってしまうって言うから早めに注文しに来たのに
ようた
申し訳ございません
女性
、、もういいです。他を探します。ケーキ屋さんの頃はすごく丁寧に接してくれたのに残念です。(行く)
新人
本当にすみませんでした！！
ようた
起きてしまったことは仕方ない
ゆい
何が仕方ないの？！
りこ
結衣
ゆい
あのお客様はここのケーキが大好きで、ここのケーキがいいから来てくれたんです。なのに、こちらのミスで仕方がないって、そんなのおかしいです！(走る)
りこ
結衣！
ようた
、、
ロワール前
女性
(歩いてる)
ゆい
お客様！
女性
？
ゆい
あの、私ロワールのパティシエの白石と言います。本日は本当に申し訳ございませんでした
女性
もういいんです。他を探すので
ゆい
ダメです！
女性
え？
ゆい
せっかく来ていただいたのにそのまま帰すわけにはいきません。まだ誕生日が終わるまで6時間ぐらいありますよね
女性
あるけど、でも
ゆい
待ってていただけませんか？必ず今日中に娘さんへのケーキお届けしますから
女性
、、わかりました。お待ちしてます
ゆい
はい！
調理場
ゆい
(冷蔵庫を見る)これしかないけど、なんとかなるか
りこ
結衣、もしかして今から作る気？
ゆい
もちろん。今日中に届けるって約束したから
りこ
でも材料は予約分だけしか仕入れてないし、無理だよ
ゆい
無理でもやる。もう決めたから
りこ
結衣
木崎料理長
ボサっとするな、手の空いてるフロア組は買い出し行ってこい
ゆい
料理長
木崎料理長
やるんだろ。ならとっとと手を動かせ
ゆい
はい！
新人
白石さん、本当にすみませんでした！
ゆい
失敗なんて誰にでもあることだから。買い出しお願いしてもいいかな？
新人
はい！
ようた
、、
3時間後
ゆい
(作ってる)
りこ
結衣、私たち上がるけど大丈夫？
ゆい
うん、もうちょっとで終わりそうだから。みんなありがとう
たぐち
頑張れよ！
りこ
おつかれ
ゆい
おつかれ。料理長も上がってください
木崎料理長
俺のことは気にするな
ゆい
でも奥さんと娘さん待ってるんですよね。クリスマス、3人で楽しんできてください
木崎料理長
わかった。あとは頼んだぞ
ゆい
はい
。。。
ゆい
出来た！10時か
ロワール前
ゆい
(来る)
ようた
(待ってる)
ゆい
社長？どうしてここに
ようた
乗れ
ゆい
え？
ようた
今日中に渡さなきゃいけないんだろ。乗せてく
ゆい
、、ありがとうございます
女性宅 ガチャ
女性
はい
ゆい
お待たせしました。ご注文のケーキです
女性
ほんとに作ってくれたのね
ゆい
材料がどうしても足りなくてご注文のケーキとはちょっと違うものですが
女の子
ママ？
女性
このお姉さんが誕生日のケーキ作ってきてくれたのよ
女の子
うわー！フルーツいっぱいのケーキだ！！
女性
フルーツ大好きだもんね
女の子
うん！お姉ちゃんありがとう！
ゆい
どういたしまして。あと、誕生日おめでとう
女の子
ありがとう！
女性
あ、お金
ようた
お代は結構です。こちらのミスで不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした
ゆい
申し訳ございませんでした
女性
やっぱりロワールさんにケーキを頼んでよかったわ。また利用しますね
ようた
ありがとうございます
ゆい
お待ちしてます
女性宅前
ゆい
失礼します
ようた
、、
ゆい
、、じゃあ私はここで。乗せてくれてありがとうございました
ようた
送ってく
ゆい
いや、そこまでは
ようた
いいから
ゆい
、、
車内
ようた
(運転中)
ゆい
、、
ようた
今日は
ゆい
え？
ようた
助かった
ゆい
、、別に。私が勝手にやったことですから
ようた
わかってなかった。あの家族がどうしてうちのケーキを求めてたのか
ゆい
ケーキには人を幸せにする魔法がかかってるんです
ようた
？
ゆい
おじさんとおばさんのケーキがそうでした。友達と喧嘩した時、親に怒られて泣いた時、お気に入りのおもちゃが壊れた時、悲しいはずなのにあのお店のケーキを食べたら自然と笑顔になれました。あの子も誕生日にケーキが食べたいはずなのに私たちのせいで一年に一度しかない誕生日が台無しになるところでした。一度しかない8歳の誕生日に嫌な思い出を残してほしくなかったんです
ようた
、、俺もまだまだだな
ゆい
、、社長だって協力してくれたじゃないですか。もし社長が車に乗せてくれなかったら今日中にケーキを渡すことはできなかったと思います。社長もあの子に悲しい思いをさせたくなかったんですよね
ようた
お前は変わらないな。昔からそうだった
ゆい
社長だって変わってないですよ？だって私が困ってる時はすぐに助けてくれた
ようた
、、
ゆい
、、私、何も出来ないって思ってたんですけど見つけました。パティシエとして社長とロワールを支えます
ようた
、、
ゆい
いいですよね？
ようた
勝手にしろ
ゆい
勝手にします😊
ようた
、、
アパート前
ゆい
今日はありがとうございました(行く)
ようた
、、ちび
ゆい
え？
ようた
、、俺
そうすけ
結衣！
ゆい
蒼介
そうすけ
遅かったな、千夏と夕飯準備して待ってたんだよ
ようた
、、
そうすけ
そちらは？
ゆい
うちのレストランの社長
ようた
こんばんわ
そうすけ
なんか見たことあるなぁって思ったらこの前会いましたよね。こんばんわ。でもなんで社長がここに
ゆい
送ってもらったの、ちょっと今日仕事で色々あって
そうすけ
そっか。いつもうちの結衣がお世話になってます。こいつそそっかしいからご迷惑かけてるんじゃないですか？
ゆい
ちょっと
ようた
よくやってくれてますよ。いてくれてとても助かっています
ゆい
！
そうすけ
、、そうですか。それはよかった
ようた
じゃあ私はこれで
ゆい
社長
ようた
、、
ゆい
今日は本当にありがとうございました
ようた
、、また明日(行く)
ゆい
、、
そうすけ
、、イケメンだな、お前んとこの社長は
ゆい
うん、そうなのかな
そうすけ
ま、結衣とは釣り合わないけどなぁ
ゆい
わかってるよ
そうすけ
行くぞ！
ゆい
うん
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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