正志
あぁ...
正志
いよいよだな
正志
人生あっという間だった
正志
あの時あぁしてればな...
正志
なんて考えても今更しょうがないか...
俺はこうしてこのまま病院の一室で密かに死を迎えるんだ...
???
正志さん?
???
???
あなたは人生後悔してますか?
正志
正志
え...あなたは...?
???
死を迎える方へ最後の望みを与える者です
正志
...
正志
そんなこと本当にできるのか?
???
はい 叶えましょう
正志
正志
なら...!この体を不死身に...!
正志
いや、
正志
過去に戻って何もかもやり直したい
正志
全てやり直したい
???
本当にそれが望みですか?
正志
そうだ...高校からやり直したい...
???
???
いいでしょう
???
では、今日はそのまま寝てください
???
朝起きたら望み通りのものが待ってます
正志
わかった
正志
(これで過去の過ちも正せる...)
お母さん
正志〜起きなさーい
お母さん
遅刻しても知らないわよ!
正志
(ん...?本当に過去へ戻ったのか...?)
正志
(頭がボンヤリしてよくわからない)
正志
とりあえず支度して学校へ行かないと
正志
あーマジだるい
正志
でも体は軽いし頭も冴えてる
正志
そんで、半年後には千尋と付き合う頃合いだな
正志
それまで頑張ろう
千尋
千尋
ねぇ、学校終わったら遊ぼうよ!
千尋
暑いしかき氷食べたいな〜
正志
あーいいね笑 じゃあ終わったら外で待ってるよ!
正志
(彼女との関係も順調だ。本来なら高校卒業後にはそれぞれ別の道を歩むってことで別れたけど今はそんな気配はない)
千尋
なんか正志さ、最近元気ないよね
千尋
付き合い始めた頃はもっと喋ってくれたし、今より明るかった
正志
ごめん
正志
進学とかでちょっと最近忙しくてさ
千尋
はぁ?そんなの私だって同じこと言えるよ...
千尋
千尋
最近そんな態度ばっかじゃん
千尋
もういいよ 別れよう
正志
それは違うって
正志
今だけだからもう少し待ってくれ...!
正志
千尋、考え直してほしい
正志
(おかしいおかしい 俺はただ...真面目にやってるつもりなのにこれじゃあ何も変わらないじゃないか!)
正志
クソ。なんで過去に戻ったのに
正志
まぁいい。花が咲くのはこれからだ。見てろ。
俺はひたすら勉強に集中して大学へ進学し、無事に卒業もした
同僚 : 真司
おれら結構勝ち組だよな
同僚 : 真司
あと3年もしたら昇進だぜ?余裕すぎ
正志
まぁな でも気抜くなよ笑
正志
上司に嫌われたら居場所なくなるからな〜
同僚 : 真司
ご機嫌取っとくから大丈夫大丈夫
そう言って真司は3年後に上司とのトラブルで辞職した
一方で俺は仕事をこなし、昇進もして社内関係もいい感じだった
正志
正志
うー今日は結構飲んだな〜
先輩 : 彩
正志君って結構飲むよね〜w
先輩 : 彩
最近仕事の方はどうなの?
正志
楽しいし うまくやってますよ
先輩 : 彩
そっかwそれはよかった
先輩 : 彩
じゃあそこの歩道渡ったら左だよね
正志
(たしかこの直後、俺はこの歩道で信号無視の車にはねられて車椅子になる...)
正志
正志
あ、いや、ちょっと寄り道して帰るのでお先にここで
先輩 : 彩
ホントに?もう遅いし気をつけて帰ってね
正志
はーい!お疲れ様です
正志
うわ...マジかよ
正志
もし俺が渡ってたら...あ...先輩...
正志
(まさか...ウソだ!俺はなんて酷い人間なんだ。わかってたのに彩先輩を庇ってやれなかったなんて...)
帰宅してからは後ろめたい思いからかすぐに寝てしまった...
正志
未だ彩先輩と連絡がつかない
正志
とりあえず仕事に行く準備をしよう
正志
ハァーハァー...会社は目の前だってのに横断歩道の信号が長すぎる
幼児
ねぇママー、向こうに可愛いワンちゃんがいるよ
幼児
まってー!ワンちゃん
正志
危ない!!!
正志
あれ...?ここは病院か...?
正志
何があったんだ
正志
ボンヤリして記憶が...
正志
正志
下半身の感覚がない...
正志
ウソだ...ウソだろ
正志
なんでこんなことに...!!こんな足じゃ仕事ももうできないし、まだ23なのに人生真っ暗だ。
正志
正志
こんな願いするんじゃなかった
正志
何一つ変わってないじゃないか。俺のやり直した人生は今まで無駄だったのか?なんでだろう。
正志
考えるのが辛い。もう死のうかな
???
過去を変えたって未来は変わりませんよ。
???
生まれた時から未来は決まってる。つまり、いくら過去を変えようと同じ道を辿る運命。
???
人生は一度きり。2パターンは存在しないんですよ、正志さん。