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 ※百合

※この物語はフィクションです

※今回の話は若干百合要素強めです

数年前

ゆの(中学生)

たまきちゃ〜ん、おはよう〜

たまき(中学生)

あ…お、おはよう

なつみちゃんとの朝練の前に、教室に行くといつもたまきちゃんが居た

ゆの(中学生)

朝からお勉強?さすが学年一位は違うな〜

たまきちゃんはいつも勉強していた

今は中学3年生の6月。受験勉強をしているのだろう

ゆの(中学生)

え〜受験勉強?もう始めてるんだ!えら〜い

たまき(中学生)

う…うん…

ゆの(中学生)

たまきちゃんは私と話す時いつも顔が引き攣っている

ゆの(中学生)

(どうしてだろう…こんなに愛想良くしてるのに…)

ゆの(中学生)

(なんか変な事したっけ?)

なつみちゃんに好かれるために勉強して作り上げた完璧な愛想

誰もが私のことを感じの良い子だと認識し、好印象を与える

ゆの(中学生)

(まぁ…なつみちゃん意外どうだっていいけど…)

たまき(中学生)

あ…えぇっと…

ふとたまきちゃんを見るとなんだか気まずそうだ

時計を見ると7時を過ぎていた

ゆの(中学生)

(やば、なつみちゃんとの約束遅れちゃう…)

ゆの(中学生)

…ごめんね!勉強の邪魔しちゃって。じゃあ、頑張って〜

たまき(中学生)

…うん…ありがとう

なつみ(中学生)

おーい、ゆの置いてくよ

ゆの(中学生)

ちょ、ちょっと待って〜

放課後となり、今から部活の時間だ

前を歩くなつみちゃんを追いかけていると、空き教室にたまきちゃんが居た

誰かと話しているようだ

ゆの(中学生)

なつみ(中学生)

ゆのー?何してんの

ゆの(中学生)

…ごめん!トイレ行きたいから先に行ってて!

なつみ(中学生)

はぁー?もう…早く来いよ〜

そう行ってなつみちゃんは行った

ゆの(中学生)

通りすがりにたまたま見えたたまきちゃんの顔

どこか神妙な顔つきをしていた

なんとなく気になって私はバレないように話を盗み聞きした

たまき(中学生)

…そう。ゆのちゃんって子…

ゆの(中学生)

(…?私の話…?)

たまき(中学生)

いい子だってのは分かるの…でも…

たまき(中学生)

なんとなく…

全てが作り物のように感じて

ゆの(中学生)

たまき(中学生)

…少し怖いの…

たまき(中学生)

ご、ごめんね!変なこと言っちゃって…

私はその場にゆっくり座り込んだ

ゆの(中学生)

(作り物…か…)

見抜かれている

私の笑顔も言葉も優しさも

全部作り上げた幻想だということを

ゆの(中学生)

へぇ…たまきちゃん…賢いな〜…

ゆの(中学生)

最近、なつみちゃんがたまきちゃんに勉強を教えてもらっているのをよく見る

ゆの(中学生)

(もしこのまま仲良くなってなつみちゃんに変な事吹き込んだら…)

ゆの(中学生)

…許せない

想像するだけで狂いそうなほど腹が立つ

私は親指の爪を思い切り噛んだ

ゆの(中学生)

(…なつみちゃんと私の関係を邪魔する敵は…排除しないと)

ゆの(中学生)

(排除しないと…排除しないと…)

私はヨロヨロと立ち上がった

私は廊下の窓に反射する自分を見つめた

その顔は憎しみに満ち溢れていた

ゆの(中学生)

(…こんな顔じゃだめだ。もっと悲しそうに…同情を誘うような…)

私は顔を作り変えた

そこには悲壮感漂う「もの」が立っていた

ゆの(中学生)

(…完璧)

私はその顔を維持しながら部活へ向かった

ゆの(中学生)

…それでね〜、こんなことがあって…

部活終わりの帰り道

なつみちゃんと話せる大好きな時間

でも今日はミッションがある

なつみ(中学生)

なつみちゃんはチラチラこちらの様子を伺っている

元気がない私のことを心配しているみたいだ

人の変化に鈍感ななつみちゃんもさすがに気づくようだ

ゆの(中学生)

…なつみちゃん?

なつみ(中学生)

…ねぇ…ゆの、なんかあったの?

なつみちゃんは不器用ながらに声をかけてきた

その様子はたまらなく愛おしかった

ゆの(中学生)

(…嬉しいな…なつみちゃんに心配してもらえるなんて…♡)

私は動揺したふりをして話を続けた

ゆの(中学生)

え?ど、どうして?

なつみ(中学生)

なんか…元気なさそうだから…

なつみ(中学生)

嫌な事でもあったの…?

ゆの(中学生)

え…

私はあからさまに図星をつかれたような顔をした

少しわざとらしいかもしれないがなつみちゃんにはちょうどいい

ゆの(中学生)

そ、そんなことないよ!ちょっと疲れてるだけ…

なつみちゃんの声色が変わる

なつみ(中学生)

…それだけじゃないでしょ

なつみちゃんは私の腕を掴んだ

なつみちゃんと私の体が向き合って、自然と目が合う

なつみ(中学生)

話してよ

ゆの(中学生)

…!

その目は真剣だった

ゆの(中学生)

っっ〜!!♡♡

 そしてたまらなくエロかった

ゆの(中学生)

(口下手だからこうやって強引に話を聞こうとするなんて!!♡♡)

ゆの(中学生)

(不器用なりにも頑張って私に寄り添おうとしてくれるなんて!!♡♡♡)

ゆの(中学生)

(何この亭主関白気味だけど妻のことは本当に大切に思ってる夫みたいなムーブ!!!♡♡♡)

ゆの(中学生)

(だめだ…好きすぎる…結婚したい…♡♡♡♡♡♡)

ゆの(中学生)

(好き♡好き♡好き♡)

私はなつみちゃんに抱きついた

そして目から涙を流した

ゆの(中学生)

うわぁ〜ん!なつみちゃーん!

なつみちゃんは無言で抱きしめ返した

その行動も全部が好き過ぎて感情がオーバーしてさらに涙が出る

ゆの(中学生)

(ごめんね…悲しくて泣いてるんじゃなくて本当は嬉しくて泣いてるの…ごめんね)

なつみちゃんは私が悲しかったことが溢れ出して泣いていると思っている

ゆの(中学生)

(嘘ついちゃってごめんね…ごめんね…♡♡♡)

私はなつみちゃんに謝りながら、幸せの涙を流した

【創作百合】タヒ体が眠るワンルーム

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