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凄い、良いお話でした!
やっぱ、最高です。 流石ですね! いつも、カサミネさんの作品を見させて頂いています!!✨ これからもよろしくお願いします! 応援してます💪👍💕✨📣( ・ᴗ・ )⚐⚑⚐゛📣✨💕👍💪
いえいえ
20歳の誕生日。
大人の仲間入りをするこの日、
私たちは決められなければならない。
いるか、いらないか。
生きるか、死ぬか。
20歳になると、必要な人間と いらない人間に分けられる。
駄目な人間はあっけなく 切り捨てられ、
政府から始末することが命令される。
優秀な人間だけが生かされ、
その大人たちで、これからの街の未来を担っていくことになる。
そして、ついに私も
明日、20歳の誕生日を迎える。
一葉
母
父
母
母
一葉
母
一葉
母
母
父
父
父
一葉
父
父
父
なんだろう、なんだか物凄く 違和感があった。
その正体はすぐ分かった。
一つは、明日が誕生日なのに
今日プレゼントをもらうこと。
二つは、
今日は何故か両親がすごく優しい。
うちは昔から、厳しかったのに。
今日はにこにこした笑顔で私に 接してくる。
そう、言うならば、
〝気持ち悪い〟程に。
一葉
一葉
馬鹿な私でも
それははっきりと分かった。
私は、〝いらない側の人間〟と 判断されたのだ。
父
父
一葉
一葉
一葉
お母さんから貰ったお金を手に
私は家を出た。
一葉
一葉
家を出て冷静になると、
余計にそれが怖く感じられた。
一葉
一葉
一葉
行くあてもなく街を歩いていると、
私は特にしたいことも無かったのだなと気づく。
それでも歩き続ける。
一葉
一葉
一葉
一葉
逃げよう。
そう、頭に一度よぎると、
それはもう離れてはくれなかった。
いつのまにか、駅に来ていた。
列車を発車するという車掌の声が 響き渡る。
一葉
一葉
車掌の、私に向けた怒鳴り声を 無視して
列車に飛び乗った。
一葉
一葉
先程大声を出した自分に驚きながら
ふぅ、と一息ついた。
逃げよう。
この街から離れた遠い場所へ。
それからどうなるのかなんて 分からないけど
死ぬよりも怖いことは、
きっとないと思う。
生きていたら何とかなる。
生きていたい、そう決めたんだから。
列車は勢いよく発車し、
やがて、私が縛られ続けていた この街を
あっけなく抜け出していた。
一葉
開けた窓から、心地よい風と共に
見たことのない風景が飛び込んで来る
一葉
一葉
一葉
一葉
一葉
一葉
一葉
空は快晴だった。
とりあえず、
1日でも、1秒でも長く
生きてやろう。
列車の窓から空を見上げて、
私はそう決断した。