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スカッとする話!短編集

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スカッとする話!短編集

4 - 盗撮魔にスカッと!

♥

22

2021年05月03日

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結月

はぁ〜、気持ちいい〜

私は川本 結月(17) 普通の高校2年生だ。

父、母、兄、私の4人家族でアパートで暮らしている。

そんな私は、小さい頃からお風呂が大好き♪

湯船に浸かって、鼻歌を歌うのが毎日の日課だ。

しかし、そんな私の平穏を脅かす出来事が起こった。

結月

え、何!?

窓に黒い影が急に現れ、ブーンと音が聞こえる。

結月

あれって…

それは間違いなくラジコンのヘリだった。

結月

きゃっ!!

しかもカメラがついており、お風呂のを撮影している。

私は思わず両手で体を隠し、後ろを向いた。

結月

なんなの〜

結月

どっか行ってよ〜

怖くて恥ずかしくて、涙が込み上げてくる。

ラジコンはお風呂の中を1周周り、窓から外へ出ていった。

結月

………っ

私は訳が分からず、泣きながらお風呂から出た。

リビングに行くと、私の泣き顔を見て驚いた兄が

どうした!?何かあったのか!?

と、尋ねてきた。

私は泣きながら、何があったのか兄に伝えた。

そっか、そんな事があったのか

結月

うん…警察行った方がいいかな

そうだな。明日行くか

ただ、警察は多分パトロールだとかでそこまで真剣には動いてくれないと思う

結月

じゃあ、どうしたら…

俺にいい考えがある

結月

なになに?

ふふふ、二度と痴漢なんて出来ない位ビビらせてやろうぜ

兄はそう言ってニヤリと笑った。

次の日、朝から私は兄と警察へ行き、事情を説明した。

兄の予想通り、警察はパトロールをするということで解決した。

結月

……今日お風呂怖いな

家に帰り、ポツリと呟いた。

結月

大好きなお風呂なのに、こんなことになるなんて…

落ち込んでいると、兄がクシャクシャッと私の頭を撫でた。

結月

???

だ〜いじょうぶだって!

兄ちゃんに任せとけ!

結月

本当??

ああ!!!

ただ2つだけ協力してくれ

結月

なにをしたらいいの?

それは……

その日の晩、計画は実行された。

兄が私に求めた協力とは

その① 今日は兄が先にお風呂に入る

大体我が家では、私が夜、1番最初にお風呂に入り、次に兄、最後に仕事が遅い父、そして母は朝に入っている。

兄の言いつけ通り、今日は兄が先にお風呂に入った。

その② 兄がお風呂に入ったら脱衣場へ行き、鼻歌を歌う。

兄が入浴したことをドア越しに確認し、私は脱衣場で鼻歌を歌った。

結月

〜♪〜♪

一体これで、なにが解決するのだろう?

兄が何を考えているのか分からないが、言われるがままの行動をとった。

すると

ブーーーン

結月

!?

ドア越しに聞こえる、あの嫌な音

その瞬間

ひっかかったな!

ガラガラ!

浴室から窓を閉める音が聞こえた。

私は何が起きているのか分からず、ドアを少し開けて、中を見てみた。

結月

!?

そこには、女性用のウィッグを被る全裸の兄と、行き場を無くしたラジコンが天井の隅で飛んでいる。

今日は結月じゃないんだよ、俺だよw

さぁて、お湯でもぶっかけてやろうかな〜♪

そう言って、兄がシャワーを手にした、その時。

や!やめろー!!!

結月

!?

ふふふ

壁越しに聞こえた大きな男性の声。

この壁の向こうは…

よっしゃ!やっぱ隣か!!

そう言って兄はウィッグを脱ぎ、大急ぎで服を来て家を飛び出た。

私も兄の後をついて行く。

おい!居んだろ!!!!

兄が隣の部屋のドアを叩きながら、住人へ問いかける。

隣の部屋の人とは全く接点がないが、学校へ行く時時々ニヤ〜ッとした顔で私を見ていたのを覚えている。

………

ふ〜ん、居留守使うんだ〜

じゃあラジコン証拠にして警察に行っちゃおうかな〜

!?!?!?

兄がそう言うと、ゆっくりと鍵が開き、中から小太りでボサボサの髪の中年男性が出てきた。

やっぱ居るんじゃん

……あの、警察へは

え、言うよ?

え!?!?

てか、確信あったからもうとっくに通報してるよ

そろそろ来るんじゃね?

そう言っていると、確かに警察のサイレンの音が近づいてきた。

あ……あ………

大事な妹泣かせといて、ただですむと思うなよ、ゲス野郎

そして男は警察に連行されていった。

部屋の中にはやはり昨日の入浴中の盗撮写真と、私が通学している時等の隠し撮りが山ほどあった。

結月

………こんなに

あの野郎、1発殴ってやれば良かった

そうぶつくさ言っている兄。

そういえば…

結月

ねえ、なんでこんなにテンポよくあの人のこと特定できたの?

あーー

あの男がお前のこといやらしい目で見てるの知ってたし、だから俺あいつのこと警戒してたんだ

そしたら1週間くらい前に大事そうにラジコン買ってるの見かけて

んで、昨日あんなことがあって、なんとなく確信持ててたんだけど、どうやって追い詰めるかな〜て思ってたんだ

警察も証拠がなきゃ動かないだろうし

結月

それで今日

そ♪

うちのマンション壁薄いから多分結月の鼻歌であいつ、入浴時間知ってるんだろうなーて思って

俺が身代わりで入ったわけ

まあ、後は大事なラジコン閉じ込めて壊そうとすれば何かしら壁の向こうから声でも聞こえると思ったんだよ

聞こえなかったら、強行突破で中入ろうと思ってたけどな。笑

結月

なるほど…

結月

ありがと、お兄ちゃん…

お礼を言うと、兄は私の頭をグシャグシャと撫で、ニコッと笑った。

俺が結月を守りたいだけなんだから、お礼なんていいんだよ♪

兄の笑顔に、私もつられて笑ってしまった。

その後、隣の男は盗撮の容疑で逮捕。

どうやら私のことが好きだったようで、最初はこっそり盗撮していたが、エスカレートしてしまったようだ。

それで、以前から得意だったラジコンの操縦を利用し、私の入浴姿を盗撮したらしい。

すごく傷ついたし、たくさん泣いた一件だったが、兄があの後も支えてくれたから、私はいつも通りの生活を取り戻せた。

兄が居てくれて良かったし、絆が深まったような気がする。

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お兄ちゃん神!

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