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久しぶりに夢を見た。
空も地面も区別のない、真っ白な空間に立っている。
見覚えがある、来た覚えがある場所だ。
ユウゴ
まだアミキティア魔法学校に来る前に、夢で見た入学試験の会場だ。
アルク
いつの間にか、となりにアルクが立っていた。
他にも白い空間のあちこちに、子供がポツポツとあらわれてきた。
ショウリ
その中のひとりに、ショウリがいた。
アルク
アルク
普段、話はしないけど、授業やアミ戦で見た顔が何人もいる。
ガイド妖精
ガイド妖精
20人くらい集まったところで、ガイド妖精が飛んで来た。
記憶が曖昧だけど、自分自身は寄宿舎のベッドで寝ているはずだ。
ガイド妖精
数日前、リバ戦に挑み、ユトリやショウリの協力のおかげで、クリアできたことを思い出す。
その時いなかったアルクも、ここにいるんだけど。
アルク
ぼくの視線に気づいたアルクが答える。
ガイド妖精
ガイド妖精がぼく達の真上に来て、音声が一段大きくなった。
ガイド妖精
ガイド妖精
ガイド妖精の周囲に白く光る球が無数にあらわれた。
ガイド妖精
ガイド妖精
これは入学試験・第2試験最終問題の再現だ。
あそこでシシロウやユトリは自分の魔法具《マギアツール》を手に入れて、魔法の能力をたしかなものにした。
ショウリ
アルク
ショウリの質問にアルクがこたえる。
ショウリ
ショウリ
メイカ関連の話は、聞けば聞くほど、天才っているんだなって思わされる。
ユウゴ
ぼくが知っている中でも、シシロウやナミスケは剣、ユトリは巨大ハンマーと武器らしいけど、メイカのスケボーやホマレの指輪のように武器とはいえない魔法具《マギアツール》の持ち主もいる。
特に後者は、使用者に魔法の才能があるからこそ強力だけど、ぼくが持っていたとしても使いこなせる気がしない。
ここに集まった20人くらいの生徒も同じ気持ちのようで、ふよふよと浮かぶ光の球を見比べて、どれを選ぶか迷っているみたいだ。
最初に動いたのはアルク。
アルク
目の前に浮いていた光の球に、おもむろに手を伸ばした。
アルクの手が触れると同時に光の球が形を変えた。
数秒後、アルクはその手にクロスボウを持っていた。
アルク
アルク
クロスボウを気に入ったようで、持ち上げたり角度を変えたりして、しげしげと眺めている。
ショウリ
ユウゴ
ショウリ
ショウリ
ユウゴ
ショウリ
ユウゴ
アルクの家庭の事情とかも絡んでくるから、ぼくがしてもいい話だとも思わないし。
ショウリ
ユウゴ
アルク
クロスボウをかまえてポーズを取っているアルクから、声をかけられた。
他にもチラホラと、光の球をとって魔法具《マギアツール》を手に入れた生徒があらわれはじめた。
ユウゴ
アルク
語尾が不自然に小さくなった。
引き金にかけていた人差し指に力が入り、矢が飛び出してしまったのだ。
クロスボウから発射された矢は、ガイド妖精の横ギリギリをかすめて、明後日の方向に跳んでいった。
アルク
ユウゴ
矢に当たりかけたガイド妖精が、アルクの前まで飛んで来た。
ガイド妖精
ガイド妖精
アルクが持っているクロスボウが、また光の球に変わって飛んでいった。
アルク
ユウゴ
ショウリ
ユウゴ
事故じゃなくて故意にだけど、そこは黙っておこう。
アルク
アルクが再び、目の前の光の玉に手を伸ばした。
光の球が変化してあらわれたのは、扇子。
見た目は竹製の骨と白い布で作られた、どこにでもあるような普通の扇子だ。
アルク
アルク
ガイド妖精
ガイド妖精
アルク
アルクが扇子でガイド妖精をパタパタとあおぐ。
ゴオオっとものすごい音がして突風が起こり、ガイド妖精が明後日の方向に飛ばされていった。
アルク
ユウゴ
ガイド妖精
ガイド妖精
アルク
ガイド妖精
ガイド妖精は腹を立てた様子で背を向けて飛んでいった。
ショウリ
ユウゴ
ショウリ
ユウゴ
ユウゴ
ショウリ
ショウリが手に持っている数本のダーツの矢を見せてくれた。
アルクがガイド妖精とヤイノヤイノやっている間に引いていたらしい。
ぼくも余計なことを気にしていないで、さっさと引こう。
宙に浮いている光の球は、残り5個くらい。
ガイド妖精は『魔法具《マギアツール》は各人の能力に合わせた物が選出される』と言っていたから、どれを選ぶかはあまり意味は無いのだろう。
アルクの扇子は強風を起こせるし、ショウリのダーツもスタイリッシュなイメージにあっている。
無心。
何も考えず、運命に身を委ねるつもりで、目の前の光の球に手を伸ばした。
手のひらの中に熱を感じ、熱がかたい感触へと変わる。
目を開けると、ぼくの手の中には、ピストルがあった。
ユウゴ
アルク
アルク
ユウゴ
ピストルは鉄の塊だからずっしりと重いと聞いたことがあるけど、この魔法具《マギアツール》は水鉄砲のように軽い。それでいて存在感があり、オモチャっぽさや安っぽさは感じない。
ガイド妖精
ぼくが引くのが最後だったみたいで、ガイド妖精がみんなに向かって話しはじめた。
ガイド妖精