テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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今宵は君の夢を見て　この夜が明けるまで

第21話 - さよなら

1,032

2025年03月17日

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わわ

紅　優安

青山　直斗

こんなに冷えましたっけ？７月後半ですよ？もうｗ

青山　直斗

ゆあんくん、温めてくれません？

紅　優安

…（（睨

青山　直斗

冗談ですよ、ｗ

青山　直斗

半分本当だと言ったって、信じないですよね？

首を一度、縦に振る

俺はここまで…一言も喋っていない

今は…深夜2時

普段だったら、パソコンの前に座っているところだけど…

…とうとう最近、母さんが帰らなくなった

ここ1週間、一度も帰らない

それを今日なお兄…あ、直斗に話したら、

家事とか、全部やってくれて、

いつもなら7時前に帰るところを…ずっといてくれた

別に、声は自分の好きなときにだしてる

でも最近、ふとした時に喋れたり…

…ずっと直斗が、諦めないで話しかけてくれるから…かな

さっき軽く睨みつけたにしては…軽く体を寄せて、少しだけくっつく

青山　直斗

ふふｯ、ｗ

愛しそうに笑うなお兄

…うれしい、

今は、深夜の散歩中

あんまり運動をしない…ってか、そもそも動かない俺は、すぐに息が切れてしまって、

休み休み、ゆっくりと

それでも、なお兄は隣をゆっくりと歩いて、時折髪を撫でてくれる

紅　優安

…な、おｯ…斗っ…？

青山　直斗

どうしました、？

紅　優安

…さきｯ、いって、い、いからっ…！

息も絶え絶えで…うん…やばいかも

まぁ…返事はしってる

青山　直斗

嫌です

青山　直斗

僕は、ゆあんくんと居たいから今、隣にいるんですよ！

青山　直斗

疲れました？おぶりましょうか？

紅　優安

…わるい…ｯ、てッ…ば

青山　直斗

いいんですよ！

青山　直斗

どうぞ！

紅　優安

…あり…がとっ…

なお兄の背中の上に恐る恐る乗って、

少しだけ目を瞑る

なお兄は俺を軽々しく持ち上げて、

軽く揺れる背中の上で、またあの優しい声を聞く

紅　優安

なお、兄…？

青山　直斗

はい、？

紅　優安

…なお兄、はｯ…さ、

紅　優安

どうしてっ…お、れにｯ…そん、な…

紅　優安

やさし、くｯ…

青山　直斗

…僕も、

青山　直斗

僕も、吃音症でした

紅　優安

えｯｯｯ…?!

青山　直斗

そして、僕は優しくなんかないです

青山　直斗

…前も、言いましたよね？

青山　直斗

僕は…言葉が嫌いです

青山　直斗

なので、ウソとホントをごちゃ混ぜにして、雑に扱ってるんですよ！

青山　直斗

…あんまり…僕のこと、

青山　直斗

信じないほうが…いいと思いますよ

紅　優安

っ…ｯ?!

青山　直斗

…僕は…いつか、

青山　直斗

いつかはっ…ゆあんくんを言葉で…傷つけてしまいます

青山　直斗

それだったら…そもそも、

青山　直斗

僕にｯ…期待しなければっ…

青山　直斗

きっ、と…傷は…軽いはずです

青山　直斗

だからｯ…

…違う

紅　優安

違うｯ！

紅　優安

ちが、うっ…

紅　優安

違うっ！俺はｯ…俺は、なお兄にっ…！

紅　優安

なお、兄にｯ…！

紅　優安

なお兄にｯ、助けられた、からっ…

だけど、それをさえぎるようになお兄は俺の好きな優しい声で、

諦めたように諭す、悲しい言葉を

青山　直斗

だめですよ、

青山　直斗

僕は…自分がそれほどいい人でもないって…自分でわかってます

青山　直斗

だから、だめです

青山　直斗

ゆあんくんは…僕なんか信じちゃだめです

青山　直斗

ろくなことないですって、ｗこんなロクデナシを信じたって

少し揺れるリズムが心地いい

それとは逆に、なお兄の言葉が苦しい

そんな言葉…聞きたくない

だって…ｯ…なお兄はっ…

青山　直斗

僕…ゆあんくんのことが好きだって、バレてます？

紅　優安

っ…?!

青山　直斗

あっ、バレてなかったんですねｗ

青山　直斗

ばらしちゃいました、…ｗ

えっ…?!

ほんと、にっ…?!

ほんとっ…！

青山　直斗

好きですよ、ゆあんくん

青山　直斗

…ゆあんくんも…僕の事、好きなんですよね

紅　優安

?!…///

ﾎﾟｶｯ

青山　直斗

w…怒らないでくださいよ、ｗ

青山　直斗

そういうところ…ですよ、僕を好きにさせたの

紅　優安

ばｯ、か、っｯ…//

青山　直斗

ふふｯ…ｗ…もうっ…やめてくださいよｯ…

青山　直斗

僕っ…ゆあんくんのことｯ…大切にっ…幸せに、できませんｯ…

青山　直斗

大切な人ほど…僕は、…幸せにできる自信がないんです

青山　直斗

きっと…大切な人ほど…大切にできない

青山　直斗

怖くて、…怖くて、大切にできないです

青山　直斗

僕は…僕の役目が終われば…ゆあんくんの前から消えるつもりです

青山　直斗

僕が…ゆあんくんを傷つけないうちに、

青山　直斗

ゆあんくんが、…僕との思い出を笑顔で終わらせられるうちに

紅　優安

…なにｯ、っ…それっ、…

青山　直斗

ゆあんくん

青山　直斗

ゆあんくん…自分の声を、よく聞いてみてください

紅　優安

え、…？

紅　優安

どういうこと…？

青山　直斗

よく…よく聞いてください

紅　優安

えっ?!、何…？どうしちゃったの、ｯなお兄っ…！

青山　直斗

話せてますよ！、ゆあんくん

青山　直斗

”普通”に、っ…ｗ

紅　優安

えっ…！

紅　優安

ほんと、だっ…！

青山　直斗

だから、ずっと言ってましたよ…

青山　直斗

「誰かに、心から伝えたいと思ったときに言葉は出る」って、

青山　直斗

僕は…思ったより、ゆあんくんの心に…傷をつけてしまっていたようです

紅　優安

どういう、こと、…？

青山　直斗

…ゆあんくん

青山　直斗

今度は、その声を自分の大切な人に聞かせてあげてください

青山　直斗

僕は…僕は、ゆあんくんの声が大好きですっ…ｯ…から、っ

ｽﾄﾝ

紅　優安

え、…？

いきなり地面に足が付いた

なお兄は、かがんで俺を下から見つめてくる

青山　直斗

僕が…僕が送れるのはっ…ここまでです

青山　直斗

あとは…ゆあんくんがｯ…幸せになってください

紅　優安

それ、ｯ、ってっ…？

青山　直斗

…ｗっ、さいｯｯｯｯていなにんげんですよねｯ？僕ｯ、

青山　直斗

ほらｯ、僕の事嫌いになってくださいっ！

青山　直斗

僕はっ…僕はｯ、

青山　直斗

あなたをっ…傷つけたくないんですｯ…

すっ、となお兄が立ち上がった

紅　優安

ねｯ、ねぇ、待ってっ…！

紅　優安

行かないでっ、おいていかないでｯ…

青山　直斗

道…わからないですか？

紅　優安

わかんない、わかんないよｯっ…

紅　優安

ねｯ、？だからっ、家まで送って行ってよっ…！

嘘

この道は、何度も何度もなお兄と来た

お見返せば、俺の想いでは、

なお兄とのが、ほとんどでｯ…

青山　直斗

…別れを教えるところまでが…僕の、役目です

青山　直斗

きっと、…ゆあんくんの人生の中で、僕以上に嫌いになる人はいないと思いますよ

青山　直斗

この先はｯ…僕は、いけませんからっ…

青山　直斗

僕は…輝いた世界の住人じゃないんです

青山　直斗

僕は…大好きになってしまったあなたを、あなたの居るべき世界のぎりぎりまで送り届けることまでしか…できません

青山　直斗

ゆあんくんにはｯ…素晴らしい仲間が、もっとたくさんいるじゃないですか！

青山　直斗

前話していた、じゃぱぱさん、のあさん、たっつんさん、うりさん、…どぬく、さんｯ…ヒロくんっ、…

紅　優安

え、っ…？

紅　優安

なお…兄、…もしかして、

青山　直斗

知らないふりをしていてくださいね…？

青山　直斗

僕は、ヒロくんの親友です

青山　直斗

ヒロくんに頼まれて、…今、ここに居ます

青山　直斗

…僕の役目は、ここで終わりです

青山　直斗

あとは…僕の、大切な大切な、…人を大切にできる、

青山　直斗

輝いた世界の、陽気な住人の、…親友に任せることにしますっ…！

紅　優安

待ってっ、！待ってよ…

紅　優安

なんでｯ…

青山　直斗

…ごめんなさい

ただ、優しくて哀しい笑顔を浮かべたなお兄

引き留めて、抱き着こうとして、

…拒絶された

紅　優安

っｯ…なん、でっ…

青山　直斗

さよなら、ごめんなさいっ…

青山　直斗

…でもｯ…

青山　直斗

こんな僕、でもっ…

青山　直斗

大好きです、…ゆあんくん

紅　優安

ねｯ、待って、まってっ…！

紅　優安

ねｯ…最後にっ、…最後にｯ…

向けられた背に、必死に呼びかける

ぴたりと足が止まって、こちらに進んでくる

安心して、気が抜けて、力が入らなくて、膝をつく

青山　直斗

僕…ゆあんくんに、「なお兄」って呼ばれるの…大好きでした

青山　直斗

もう一度…最後に、呼んでください

青山　直斗

そしたら、もう二度とその名前を口に出してはいけませんよ

紅　優安

っｯ…なん、でっ…?!

青山　直斗

…ごめんなさい

紅　優安

なお兄ｯ…なお兄っ…

青山　直斗

…笑ってください

青山　直斗

親友に、怒られてしまいます

困ったように、へらりと笑って、

俺の頬に落ちた水滴を、そっと手で拭う

紅　優安

なんでｯ…？なんでっ…？

青山　直斗

…ごめんなさい

紅　優安

嫌だ、やだｯ…！

紅　優安

傷つけたっていい

紅　優安

なお兄がいなくちゃ、やだｯ…っ！

青山　直斗

…っｯ…やめて、くださいっ…ｗ

そう言って、自分の唇を俺の唇にそっと当てた

それがきっと…「さよなら」、のｯ、…

青山　直斗

大好きです、ずっとっ…

ずっ、と、…

今度こそ、何度呼びかけたってなお兄は振り返らなかった

まだ温かさと、あの優しい声が残っている

馬鹿じゃん

紅　優安

なお兄、のｯ、

ばかぁぁぁぁｯ…

傷つけたくないって、

さっきのキスが、一番の傷

最後の最後まで、

なんで「大好き”だった”」って言わないのさ…ｯ

紅　優安

なおｯ、兄っ…ｯ

今宵は君の夢を見て　この夜が明けるまで

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なお兄~~😭😭 いかないでぇ〜〜!!

めっちゃ感動、、、涙止まらない、、、

一言で言うと神感動したー😭

わわ

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