私は暗闇のトンネルの中から
みんながいる…ところへと 走っているかのように 私は目を覚ました
そういえば…みんなって誰だっけ。
紗倉
…ん。
目黒蓮
紗倉?!
紗倉
…え。
誰この人。
てか、ここどこ…?
紗倉
誰…ですか。
???
…え。嘘だろ。?
紗倉
ここって、どこですか?
???
……。
紗倉
え、大丈夫ですか?
目の前にいる男の人は 涙を流していた
???
あ、いや、
???
えっと。
目黒蓮
俺は、目黒蓮って…言います。
紗倉
…め、目黒さん。
目黒蓮
ここは、病院です。
目黒蓮
え、っと。数ヶ月前に…紗倉、さんは事故にあって。
目黒蓮
頭を強く打って、それ以外は…、
目黒蓮
足の骨折…くらいと、打撲…です。
紗倉
…そうだったんですね。
紗倉
えっと…目黒さんと私の関係…って。
目黒蓮
か…友達です
目黒蓮
俺の事って何も覚えてないんですか?
紗倉
…ごめんなさい
あとからわかった、 約2年間の記憶が消えた
この日から地獄のような日々が 始まった。
病院で眠っていた時のように 暗闇の中をさ迷っている かのようだった
私は家に帰った
家に帰る時もかならず友達とか言う 目黒さんがずっと着いてくる
どうしてもと聞くと
目黒蓮
紗倉さんが心配だからだよ
という。
着いてくるなら別にいい
でも、家に泊まったり。
少し気味悪い
紗倉
自分の家に帰らないの?
と聞いても
目黒蓮
そーだな。
とか言っていつも濁される
そんな目黒さんと過ごしていると 少し気になる存在になっていた
目黒蓮
紗倉さん。散歩行きませんか?
紗倉
いいですね
目黒蓮
じゃー行きましょう!
紗倉
はい!
紗倉
今日は少し寒いですね
目黒蓮
そうですね
紗倉
目黒さんってどんな仕事してるんですか?
目黒蓮
俺ですか?俺は人を笑顔にする仕事をしています
紗倉
笑顔?例えば
目黒蓮
ん〜。まぁ〜笑顔にする仕事です。
また濁された
紗倉
じゃー彼女とかいないんですか?
目黒蓮
…彼女。いますよ。
目黒蓮
とっても可愛くて、優しい彼女が。
紗倉
え、じゃー私と居たらダメじゃないですか?!
目黒蓮
そうですね。でも彼女に会えないんです。
紗倉
…え?
目黒蓮
俺の事…忘れて幸せに暮らしてるので
紗倉
…そうなんですね
私は不思議と涙が流れてきた
目黒蓮
どうして、泣いてるんですか?!
紗倉
なんか分からないです。
目黒蓮
ほら、ハンカチ
紗倉
ありがとうございます
『落ち着きましょっか』と言って ベンチに座った
目黒蓮
天気がいいですね
紗倉
秋ですね
目黒蓮
紅葉が綺麗です。
紗倉
そうですね。
紗倉
目黒さんは今叶えたい夢ってあるんですか?
目黒蓮
そうですね、大切な人とまたひとつ屋根の下で一緒に暮らしたいです。
紗倉
そうですか。
紗倉
もし、私に出来ることがあるならって思って聞いたんですけど
紗倉
目黒さんには大切な人がいるみたいなので私には叶えてあげることできませんね
目黒蓮
どうして…?
紗倉
なんか、今まで目黒さんに沢山助けて貰って
紗倉
今、目黒さんと過ごす最後の時のような、感じがして
目黒蓮
…紗倉さんに、俺の願い叶えることできますよ?
紗倉
…え?
目黒蓮
今まで話してきた大切な人は、紗倉さんなんですから。
目黒蓮
ねぇ紗倉。もう一度、俺の隣で、俺の彼女として笑っていてくれませんか?
目の前にいる目黒さんは 瞳から涙を流しながら、笑っていた