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???

......

サリサ

お前は...ッ?!

???

後ろ、伏せて。

そう言われた瞬間、サリサは自分の後ろから魔法の球体が凄まじい速さで迫るのを 感じた。

サリサ

ッ!?

サリサはすぐ真横に転がり、その攻撃を どうにか避ける。

謎の人物

…勘づかれましたか。

謎の人物

早く撤退した方が良さそうですね…

謎の人物に視線を向けると 謎の人物に振るった刃を手で防がれながらも、その防いだ手ごと首を掻き切ろうとする小柄な少女が居た。

???

フーッ......

サリサ

ローラ…こやつらは一体何者だ!?

オーロラ

その子達はアーロとエウィの眷属ッ!

オーロラ

思い切って二人に協力をお願いしようとしたら、元々してくれる気だったみたい…!

アーロガント

ローラッ!そっちかッ!

エウレカ

ローラ〜ッ!

奥からオーロラに続いて走ってきたアーロガントとエウレカの声が聞こえる。

謎の人物

ッ!!
(嗚呼…!なんという
失態…!)

謎の人物

…チッ!

謎の人物は一瞬にして姿を消した。

エウレカ

あぁっ!あの子居なくなっちゃった!?

アーロガント

…逃げられたか。とにかく、
サリサは無事か?

オーロラ

...あの子には逃げられて
悔しいけれど、二人共ありがとうね。お陰でサリサを助けられた。

オーロラ

...一番あの子の傍に居ないといけない私が、助けになれなくてとても不甲斐ないわ…

アーロガント

そう自責するな。お前は今の自分にできる最善の行動をとった。

アーロガント

それが何よりも価値のある事だろう?

エウレカ

それに、貴女があの子を攻撃したら、「自身の眷属の被害を自作自演した」と言われる可能性もあったし!

エウレカ

とても賢明な判断だと思うよ!

アーロガント

俺とエウレカが証人となった今、お前が疑われることも、サリサが批難される事も無い。

オーロラ

...ありがとう、二人とも...

オーロラ

…サリサの元に行かないと。

サリサ

……うぐッ…

オーロラ

サリサ…ごめんなさい。私の不注意で、貴女をあんな危険な目に遭わせてしまって…

サリサ

ッハハ!なんて事はない!失敗してもお前はすぐ人に助けを呼べたようだしな!

サリサ

…妾はお前が人に頼れて安心した。

サリサ

お前がこれからも独りで抱え込んでしまわないかと、妾も少し考えておった。

サリサ

故にアイツに攫われた事に気がつかなかったのだ...

オーロラ

…心配をかけてしまってごめんなさい。

オーロラ

皆は私に手を差し伸べてくれていたのに、私がその純粋な思いを疑ってしまった
所為だわ…

サリサ

しかし、お前は人に頼れるようになった!

サリサ

それはお前に気が置けない仲間が出来たという事だ!目覚ましい進歩ではないか!

オーロラ

進歩…そうね、私は頼れる
友達を見つけられた。

オーロラ

これからも、私に歩み寄ってくれる子を受け入れなきゃね。

サリサ

うむ、その意気だ!

???

あ、あのっ!サリサさんを襲った人に逃げられてしまって…追いかけた方がよろしいでしょうか?

アーロガント

大丈夫だ。後で俺達が校長殿にこの件を報告する。

アーロガント

お陰でサリサを助けられた。感謝するぞルマル、シトゥルス。

ルマル

…!いえっ!私なんかがアーロガント様のお役に立てるなんて、身に余る光栄です!

シトゥルス

……?

エウレカ

シィちゃん「ありがとう」だって!嬉しいね〜!

シトゥルス

「ありがとう」…うん。嬉しい。

エウレカ

私からも、ありがとうねっ!ルマちゃん、シィちゃんっ!

オーロラ

私も…ありがとう、サリサを護ってくれて。

サリサ

ふはは!苦しゅうない!
金髪!魚!

オーロラ

ちゃんと名前で呼びなさい!

エレクトの部屋

謎の人物

……ッ

謎の人物

エ、エレクト様…

エレクト

…失望したわ。アブソリュート。

エレクト

サリサを殺し損ねたわね?

ドグマ

も…申し訳ございませんッ!どのようにお詫びしたらよろしいでしょうか…ッ!?

エレクト

そのくらい自分で考えなさいな。

エレクト

まぁ、姿を隠すだけでなく
声や体格まで変える周到さは大したものだけれど。

エレクト

殺し損ねたら意味が無いわ。
もう1回やり直しよ。

ドグマ

…申し訳、ございません……

自責の念に駆られたドグマは、部屋の隅へどんどん引き寄せられる。

エレクト

…あーもう!そうやって隅に寄ってグズグズしていても何も__

コンコンコン…

???

よろしいかな?

エレクト

…オルでしょ?勝手に
入れば?

ノックの後、聞き慣れた声にエレクトは 少し安堵し落ち着きを示す。

オルド

おや?いつもは要件を説明してから入るよう言うのに、今日はいいのかい?

エレクト

どうせまたドグマの事
なんでしょう。

エレクト

私の所有物であるドグマをそちらに差し上げるとでも?

オルド

少なくとも元当主とその他大勢の私の家族がそう信じているだろう。

オルド

私も渋々、君に何度も交渉しているのさ。

オルド

…こんな“気色悪い勧誘”を
何度もしなくてはならないなんて。

エレクト

はぁ…別にアンタを咎めるつもりは無いわ。こっちも事情を知っているし。

オルド

有難い限りだ。では、今回も失敗したというていで報告しようかな。

エレクト

…で、これで話は終わりよね。

オルド

嗚呼、最後にもう一つだけ。

オルド

…オーロラ君にはあまり手を
出さない方がいいよ。

エレクト

…は?

オルド

私はオーロラ君の味方をしている訳では無い。

オルド

君を守るためだ。

エレクト

アンタ…適当言ってんじゃ
ないわよ!!

エレクト

大体アタシはあんなちんけなのに手なんて出していないし!

オルド

君のクラスは特にオーロラ君を嫌悪する人が多い。

オルド

だから君のクラス内の“問題発言”も、あまり表沙汰にはならなかった。

オルド

…ただ、こんな噂が流れているんだ。

オルド

【オーロラにエウレカ伯爵令嬢、さらにはアーロガント皇太子が後ろ盾についている】と。

エレクト

なッ…!?そんなの聞いた事…

エレクト

…ッ!!

エレクトは咄嗟にドグマを睨んだ。

ドグマ

…あっ…!!

ドグマ

そう、だ…アイツら…!!い、言い忘れてしまって…すみ…あぁ…!!

オルド

落ち着いて。深呼吸だよ
ドグマ君。

オルド

…この様子だと、もうドグマ君を向かわせたようだね。

エレクト

ッ…ぁあああもう!!

エレクト

何よ皆して…!!どうして
あんな奴を庇うの…!!

エレクト

そもそも校長もおかしい
でしょ!!何で昨年から急に下位層の入学を許可したのよ!!

オルド

多様な考え方を取り入れる為だと説明会で仰っていた。
とにかく私はオーロラ君も、君も否定するつもりはない。

オルド

ただ君達に安泰に暮らしてほしいだけさ。

エレクト

はぁ…はぁ…

エレクト

よくわかったわよ…アタシには一人も味方なんていなかった!!

オルド

そう躍起になってはいけないよ。…彼女と和解はできないのかい?

エレクト

アタシのこの様子を見て
できるとでもお思い!?

オルド

…いや。それでも、和解した方がいい。

オルド

君が皆に嫌われる姿なんて私は見たくないよ。

エレクト

…出てってよ。なんだか馬鹿らしくなってきた。

オルド

…エリィ

エレクト

出てって!!!

ゴォッ!!!

オルド

…ッ

エレクトが放った風魔法は、ドアを勢い よく開けると同時にオルドを強引に部屋外へ追いやった。

オルド

人を躊躇なく吹き飛ばすなんて…つくづく君らしくないよ。

オルド

ねぇ、一体どうしてそこまで__

バンッ!!!

有無も言わさず、エレクトはまた風魔法で力任せにドアを閉めた。

オルド

……参ったな。

吸血鬼と眷属《栄光たる夜明け》

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