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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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〜♪

んんぅ…

お決まりのモーニングコールから始まる僕の朝

はしたない声を出しながらのそのそと布団から出る

このモーニングコールを聞くのも、 もう11年目

一定の時間になるとだいぶ騒がしくなってくる病院内

るぅとくん、おはよ

おはようございます、ころちゃん

こら、先生って付けて

えぇ、笑

僕の担当のころちゃん 僕と莉犬だけ呼んでるあだ名

窓開けるよ

窓を開ければ少し蒸し暑い風が部屋に入ってくる

暑い

冷房逃げちゃう

換気、換気

風でふわっと舞うカーテン ここ11年間白いカーテンは変わらないまま

はい、朝ごはん

食べれる?

不味そ、

病院食ってそんなもんだよ

これ11年食べてる僕褒めてほしい

…偉いね

そろそろ僕の担当変わんないんですか?

あのねぇ、笑

るぅとくんが素っ気ない態度とるから

いつまでも担当が僕なんだよ?

…綺麗なお姉さんがよかった

思春期じゃん

僕もまぁまぁなイケメンだよ?

確かに、11年間見ててブサイクとは思ったことない

大きい瞳 透き通ってるようなブルーの髪 細長い指 身長は僕の方が若干低い

そういうとこムカつく

るぅとくん?

そんなころちゃんを無視して 朝ごはんを食べ始めた

おっはよー!

んっ、莉犬

もぉ、院長って付けてよー笑

食べているとこ申し訳無いという気持ちもなさそうな顔で入ってきたのは

この病院の院長、莉犬 莉犬はお父さんの跡継ぎ

莉犬も顔が整ってる 相変わらず大きな瞳 撫でたくなるような可愛さ まるでお人形さん

うんうん、体調も良さそうだね

ちょっと血液が足りないかもです

うーん…じゃあ足しといて

分かりました

いつも思うんですけどほんとに幼馴染なんですか?

え、そうだよ?

病院では立場が上だからね

あ、そっか

くだらない話をしながら 朝ごはんも平らげる

ご馳走さま

はーい、運んどくね

その次点滴変えるから

やだなんだけどぉ…

わがまま言わなーい

11年経った今でも点滴…というか 注射が苦手

あははっ笑

頑張れるぅちゃん!

莉犬ぅ…

ばいばーい

はい、腕出して

新人看護師がやるよりマシでしょ

何度も針刺さるの痛いじゃん

まぁ、そうだけどさ

てかこれ意味あるの?

ぁ、っ…

11年前約束したこと… 今まで言ったことあるのは数回

今回は無意識だ

…あるよ

必ず治るから

前に莉犬が 「俺の夢はね、誰1人タヒさせない」 って自慢気に話てた

あらから、言わないって決めた 医者の人達にとって今の言葉は心にくる

、っん

はい、終わったよ

何かあったらナースコールして

まぁ分かるか笑

何年いると思ってんの?笑

じゃあねぇ

なのは

るぅとくーん!

なのはちゃん

りゅうた

るぅと兄ちゃん元気?

うん!元気!

この幼い2人は僕の友達 2人共6歳 なのはちゃんは骨折 りゅうたくんは発作

なのはちゃんは退院したと思ったら骨折して帰ってくる りゅうたくんの発作はよく分からない

患者さんの大事な個人情報だしね

なのは

るぅとくん!これ読んで?

りゅうた

後でお絵描きしよっ!

分かった分かった笑

順番ね?

じゃあなのはちゃんから

なのは

これっ!シンデレラ!

りゅうた

またそれかよー…

ふふ、それ好きだね

よし、むかーしむかし…

なのは

はぁ…私の前にもいつか王子様

なのは

こないかなぁ…

りゅうた

来ないだろ

なのは

酷いわねぇ!

なのは

じゃあるぅとくんが王子様は?

僕?笑

僕よりころん先生じゃない?

なのは

あ、ころん先生もいい!

なのは

わんわん先生も!

わんわん…

りゅうた

おれは?!

なのは

頑張れ、りゅうたくん笑

まるで、病気を持ってることなんて忘れてしまいそうなくらい

楽しい日々 僕が病気なんて持ってなければな…

あのときは今でも覚えている

寒い冬だった 雨が降っていて凄く寒かった

あのとき16歳の僕らは 勉強終わりだった

雨降ってんの最悪

まじそれな

あぁさみぃ

コート持ってくれば…

ってあ?

ん?

あれ、人?

え、どこどこ

雨のなか、人が倒れていた 暗くてよく見えなかった

近くに行ってみれば その子は傷だらけ

ちょ、病院!

汗か分からなかったけど るぅとくんの頬に雫が落ちた

お父さんに電話してみるっ!

お願い!

どんな状況?

脈は触れてるけど弱い
全身傷だらけ
高熱の疑い

了解

痛々しい姿だった まだ幼いのに、その子の親の事なんて頭になかった

んっ…

あ、莉犬くん!

お、起きた…

ふっ…えぇん…

うわぁぁんっ

2日も目覚めなかったるぅとくんが 目覚めた

と思ったら急に泣き出した

おー…よしよし

大丈夫だよ、

お父さんに電話してくるっ

ごめっなさい

叩かないれぇ、っ

ひくっ、うぅ…

叩かないよ

…虐待

僕らの頭にはそのキーワードだけ

とりあえず親に連絡…

やだっ、ままとぱぱに言わないで!

また怒られちゃうっ、

っ、

じゃあ児童施設

いや、この子精神的にやばいから

病院で預かるだって

…そっか

ぼく、お兄さんと一緒?

うん、ずーっと

ふへっ笑

一緒!

涙でぐしょぐしょの顔が当時 愛しく見えた

僕が守りたい 守ってあげたい 例え、退院しても

大変っ!るぅとくんの親御さんが

っえ

タッタッタッ

やだぁ!帰んない!

親御

うるさいっ!帰るわよっ!

親御

ほら!はやく!

親御

こっちはストレス溜まってんだよ、っ

ふぇぇんっ!ううっ

やだぁっ

あの!お引取りください

るぅとくんはもう、あなたの子供じゃない

僕達が愛情を注いでる弟です

親御

はっ、あげるよ兄ちゃん

親御

そいつがいても役立たずだから

おい、とっとと失せろ

それと、病院ではお静かに

親御

っち

そのあともるぅとくんは夜中まで泣いた

僕だって怖かった でも僕の何倍もるぅとくんのほうが怖いんだろう

ころちゃん…

るぅとくん、精神的にもだめ

それと心臓病も見つかった

は、え?

理解が追いつかなかった こんな可愛い"弟"がいつかタヒぬ

そんなこと考えたくもなかった

月日が経ち、僕らは医者と看護師に るぅとくんに事実を伝え、ようやく落ち着いた今

11年間も病院にいさせてしまってるのを申し訳なく思う日々

今では生意気になった? まぁしょうがないか

莉犬くんは 「俺、るぅちゃんの病気治すよ」 と僕に誓った

僕は 「その手伝いする」 と2人でるぅとくんを支える事にした

君の愛が僕の生きた証

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コメント

5

ユーザー

う わ ぁ 好 き な タ イ プ だ ぁ

ユーザー

心臓病って治らない病気なの? 続き楽しみ( ・ᴗ・ )

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