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赤ちゃん

「赤ちゃんパンチ」!

ドオン!

盾に拳を中心として衝撃波が生まれるものの、安易に弾き返されてしまう

赤ちゃん

うわあっ!!

盛大に空中で三回転し、受け身が雑だったからかドシンと地に体を打ち付けてしまう

だが彼は、ほんのり…腫れの‪”‬赤‪”‬と言うより血の‪”‬赤‪”‬を肌に滲ませながら立ち上がる

もう…身体中傷だらけだし足元もふらついている

今すぐにでも横にならないと危険だと思われるが、それでも足は地面を力いっぱい踏みつけていた

赤ちゃん

はぁ…はぁ……くっ、

左腕を精一杯動かして斧を担ぐ

赤ちゃん

へっ…俺もそこそこタフな方じゃねぇの?

赤ちゃん

ま……あいつには敵わねぇけどな

赤ちゃん

それと…武器の使い方とか動きとかも…俺よりすげぇ奴いるし

誰かに言う訳もなく、そう呟いた、

直後

赤ちゃん

ぐアッ…!?

赤ちゃん

あ‪”‬、何だッ…これ…!ッ、

頭の中で何かが溢れ出して、脳内を走り回る

例えるなら……せき止めていたダムの水が、一気に流れ落ちる様に。

暫くして。

謎の症状は収まった。「暫く」と表しているものの、本当はそんな長くは無いかも知れない。

また中身が、蓋の内側に戻された様だった。

____いや、「蓋をした」だろうか。

赤ちゃん

(何だよ…あの感じは…!!)

赤ちゃん

(よく分かんねぇのが…頭ん中駆け回って…どっか痺れるみたいに痛くて……)

赤ちゃん

(意味わかんねぇよ…)

赤ちゃん

……んっ?

だが、その事を考える隙間も時間もなかった。

‪”‬暫く‪”‬──────ほら。

ガ……ガガッ………

ズガガガッ!!!

赤ちゃん

んっ!?来たのか…!?

赤ちゃん

…そうか…あの時に敵が動かない理由がねぇ……でも…

赤ちゃん

やっと来てくれたぜ

赤ちゃんはニイッと唇が横に伸びるようにして笑った

来た。前にもあった、盾を使ってイノシシのように突進してくる攻撃。

前は「何とか」防いだが……今は違う。

短時間の間に変わったと、瞳が示していた

ガガガガッ!!!

赤ちゃん

おし…来たっ!

赤ちゃん

いっちょ…決めてやるぜ!!!

タッ!!

増している勢いをものともせず、大地にヒビが入る位踏み込み、ジャンプする

盾を映す瞳は、猛獣のように鋭く、赤かった。

その真ん前に、ギラリと長く光る───爪。

赤ちゃん

「ベイビークロー」!!

ザシュッ!

その爪は盾を真一文字に貫通した

赤ちゃん

おし!上手くいったぜ!…あとは…

赤ちゃん

俺が耐えるしかねぇ!

赤ちゃん

(多分力で勝負したら次は絶対に負ける…!!)

赤ちゃん

(勝ったとしてもどっちかの腕がジ・エンドだぜ!)

赤ちゃん

(根元を狙いやすくするなら…出来るだけ根元を大きく目立たせて、狙える面積を大きくしねぇと…!)

爪が上手い具合に引っかかって、相手が相当力を入れないと抜けないようになっている

気付いた相手…SPも必死になって力を入れている

赤ちゃん

(……力勝負は負ける、って思ってたけどよ…)

赤ちゃん

これどの道俺の爪で綱引きじゃねぇか!!

赤ちゃん

思いっきり力勝負じゃねぇかよ!!

赤ちゃん

………だったら、早く終わらせなきゃ行けないのか

赤ちゃん

SP…!俺の渾身の力、受けやがれ!!ありがたく思えよ!!!

グイッ!!

赤ちゃん思いっ切り腕を後ろに引くと、盾がこちらに少しよって、根元の所が少し伸びた

赤ちゃんはそうなった事を、しっかりと見つめていた

唾が飛びそうな大声で叫ぶ

赤ちゃん

頼んだ!!ブラック!!!

息が詰まる数十秒の攻防の中、彼の感覚が飛びかけている耳に入ったのは

「行った───!」と、聞き慣れている渋い声だった

赤ちゃん

____!

ビュン!!

その瞬間、誰かが放った水色のレーザーが自分の下にある根元を撃ち抜いた

その光は……この先、彼の瞳が宿す記憶から消えることはないだろう。

触手の先に生み出された盾は、根元からボッキリと折れ、空気を震わせながら倒れた

赤ちゃん

…流石すぎるぜ、ブラック

ドオオオン!!

ドオオオン!!

銀さん

うおっ!?すげぇ音じゃねぇか!!?

銀さん

…つー事は…赤ちゃんが盾を倒してくれたって事だよな…

銀さん

…今しかねぇ!!チャンスは今しか!

銀さんは喜びで飛び上がるのを後回しにして、ハンマーを肩にかけ、肉体に向かって走り出す。

疲労で身体が悲鳴を上げているが、彼は気にしなかった

銀さん

皆にも…ここに居て欲しかったんだよ…

銀さん

本当ならここでどうしようかって話し合ってるはずなんだよ…!!

あったはずの未来を掴もうと、下を向きながら手を伸ばす

───もちろん今更掴もうとしたってありもしないし、掴めないけれど。

走る事も忘れて、自責の念を噛み潰した

自分への憎しみの力を込めて、雑に不揃いに噛み砕いた

銀さん

…絶対に…SPを倒してやる…!

銀さん

きっと皆も……それを願ってるはずだぜ…!!

その瞬間、背中に何かが走った

銀さん

っ!?

銀さん

…俺が思いすぎてて、おかしくなってるからかも知れねぇが………

ブラック

行った───!

ドオオオン!!

ブラックが放ったレーザーは、紛れもなく根元を破壊した。

正直彼は、自分が放出しているプレッシャーのせいで、前は出来たのに意識が飛びかけていたが、何を思ったのか一瞬で勝負を決めたのだと言う

相手の最大武器を二度も破壊したレーザーガンを腰に収める

ブラック

謎の反動で先程変な声が出てしまいましたね

ブラック

無事に終わらせてよかった…

ブラック

もう二度と───

ブラックは、一つ長めに息をついて、小さくも心のこもった言葉を吐いた

その拳は、がっちりと固く結ばれていた

ブラック

手放してたまるものですか

スウッ。

仮面の下から浅く息を吸い込む

その直後、なにかに気付いたのか反射的に後ろを振り返った

…誰も、居ない

ブラック

…これは私が敏感になり過ぎているのでしょうか…

ブラック

それか、本当なのか……私の望みか………

赤ちゃん

もう今だよな!今しかねぇよな!?

赤ちゃん

二つ無くなったんだからよ!!コアをぶっ壊してやるぜー!

赤ちゃんはさっき一本触手を足止めしていたとは思えない歩みで、SPに近付く。

流石に体力の限界なのか、歩いているものの…次第に堂々とほんの少し早くなっていた

赤ちゃん

?俺こんな早く歩いてたか?

赤ちゃん

…あー!分かったぜ、俺嬉しすぎてテンション上がりまくってるんだな!

赤ちゃん

よーし落ち着け落ち着け…

深く深呼吸。

これが落ち着く方法だと、すまない先生が言っていたからだ。

しかし

赤ちゃん

…これじゃない…気がするな…

そう感じた時には、ジョギング位の速さになっていた

そこで彼は不意に感じた。…軽口を交わした彼らの温もりを。

赤ちゃん

!?何だ……!?

後ろを見るものの、何も無い殺風景で黒い地面が続いているだけ。

赤ちゃん

…俺が想像してるだけかもな…

赤ちゃん

ちょっと感覚が狂ってるのかもだけど……

「「「‪”‬彼ら‪”‬が…手で背中を押している気がする───。」」」

運命【サダメ】の裏表

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