2秒でモーニング天宮
2秒でモーニング天宮
2秒でモーニング天宮
注意 ・一次創作です。 ・奇病要素あります。
2秒でモーニング天宮
幻夢病とは?
滅多にかからない奇病の一つ。
かかると、毎日唐突に眠り夢を見るようになる。 次第に夢と現実の境目が分からなくなり、最終的には_
永遠に眠るようになる。
治療法は、見た夢の内容を見た日のうちに現実にすること。 だが、夢の内容は複雑な為、メモしないとすぐに忘れる。
本当に所構わず寝る為、理解してもらえないと困難な病気。
涙飴病とは?
こちらもまた、滅多にかからない奇病の一つ。
かかると、涙が色とりどりな飴になる。 気持ちにより飴の味が違う。
嬉しかったらいちご味だったり、悲しい時は塩味だったり。
最終的には、涙が止まらなくなる。 治療法は、本気で愛している人の前で泣くこと。
この病もまた、理解を貰わないと困難な病気だ。
もし貴方の大切な人が。
“奇病”を抱えていたら?
貴方は、何をする?
退屈だ、この日常は。
藤田 玄
藤田 玄
藤田 玄
保健室にずっといて、一人で勉強する毎日は。 この「病」のせいでだ。親が理解してくれるだけマシだった。
藤田 玄
藤田 玄
小学生の時、この病気である事がわかった。 最初はみんなにバカにされた。「いっつも寝てる」ってね。 でも、ある日それを変えてくれた人がいた。
小学生時代
藤田 玄
女子
男子
藤田 玄
授業中に寝てしまい、私の悪口がクラス中に渡っていた時だった。
浮島 累
浮島 累
藤田 玄
浮島 累
先生
浮島 累
先生
女子
男子
藤田 玄
何故か分からないけど、「一匹狼」の異名で知られていた浮島累が、私を庇ったのだ。 これ以来、全く馬鹿にされなくなった。
その一匹狼さは、今も健在らしい。 なにせ私と浮島は中学校は離れ、高校で謎の再会を果たし、同じクラスになったからだ。 クラスに行かなくとも…
浮島 累
藤田 玄
浮島 累
浮島 累
浮島 累
藤田 玄
大体彼がどうなのかはわかる。 でも、本当に何で私のところへ来るのだろう。
藤田 玄
浮島 累
藤田 玄
彼が出ていくと同時に、私は眠った。
浮島 累
浮島 累
浮島 累
校舎裏で、俺はぽつりと呟いた。 誰もいないここでなら、“泣く”ことができる。
浮島 累
浮島 累
涙を流そうとしたが、俺の目から出てくるのは涙じゃない。
浮島 累
浮島 累
地面に転がる飴。俺の昔からの難題だ。 親に隠しているけれど、いつかばれそうな気がする。
浮島 累
浮島 累
浮島 累
浮島 累
浮島 累
想定外の事態だったので、俺はここにいるしか無かった。
藤田 玄
藤田 玄
藤田 玄
今私は、思いもよらない夢を見た。 その内容というのが…
藤田 玄
藤田 玄
「浮島の秘密を知り、その後私が何かを言う」夢だった。 時刻は夕方。あいつもう帰ってるだろ。
藤田 玄
藤田 玄
そう言って私は保健室を出た。
藤田 玄
藤田 玄
その時。先生が通りかかった。
先生
藤田 玄
先生
先生
藤田 玄
先生
藤田 玄
藤田 玄
ハッと見た浮島の靴箱には、浮島の靴が入っていた。
藤田 玄
藤田 玄
藤田 玄
怒られそうなのは分かったけど、今がこの病気…「幻夢病」を治せるチャンスなんだ。
藤田 玄
藤田 玄
そうして私は、靴を靴箱に戻して走った。
藤田 玄
藤田 玄
学校中を探し回ったが、浮島はいない。 夢が合ってなかったのかも、と思った。
藤田 玄
藤田 玄
諦めかけた矢先、奥にある階段の近くに飴が落ちていた。
藤田 玄
藤田 玄
でも、浮島を見つけるのに躊躇いはいらない。 私は飴に導かれ、屋上へと急いだ。
藤田 玄
浮島 累
浮島 累
藤田 玄
浮島 累
藤田 玄
浮島 累
浮島は、涙を浮かべたかと思ったら__何故か、飴が出てきた。 これが、階段の飴の正体だったのか。
藤田 玄
浮島 累
浮島 累
浮島 累
藤田 玄
彼は、私と違うようで同じだった。
浮島 累
浮島 累
藤田 玄
今まで、ずっと一匹狼ぶってるのかと思ってたけど……彼も私と同じく、この孤独に耐えていたんだ。
藤田 玄
藤田 玄
浮島 累
どうしよう、何て言えば良いんだ? 夢でなんて言ったんだ、私は?
藤田 玄
あの日からそうだったのか。
藤田 玄
藤田 玄
浮島 累
藤田 玄
藤田 玄
浮島 累
藤田 玄
藤田 玄
浮島 累
藤田 玄
そう言った途端、私が背負っていた何かが消える感覚がした。 浮…累は、また飴を出した。かと思いきや。
藤田 玄
浮島 累
一粒飴を残してから、普通に涙が出始めた。
浮島 累
藤田 玄
これで、互いに治ったってわけだ。 私はいつもの眠気がなくなっていたから、治ったんだろう。
浮島 累
藤田 玄
浮島 累
藤田 玄
口の中に放り込んだが、味は本当に何とも言えなかった。 甘いのかしょっぱいのか分からないような味だ。まるで、夢を見ているときのふわふわとした感覚。
藤田 玄
浮島 累
藤田 玄
浮島 累
思った。奇跡っていうのは、すぐに起こるものじゃない。
一回で大きく起こるんじゃなく、数回の小さな出来事を重ねて起こるのだ。 だから、もしあの日累が助けてくれなかったら?私がこの病じゃなかったら?
きっと、この結末は迎えてないだろう。
でも、私は一生孤独だったかもしれないのだ。 そう考えると怖いけど…今、隣には私と同じ思いをした仲間がいる。
今はただ、彼と一緒にいたい。
涙の飴は夢の味【完】
コメント
4件
感動です……(
感 動 し た ぁ ぁ ぁ ( 泣