時透
霞の呼吸
時透
伍ノ型
時透
霞雲の海
無一郎の刃先が鬼の頸に当てた瞬間、鬼は壺から壺へと移動した
玉壺
素早いみじん切りだが
玉壺
壺の高速移動にはついてこれないようだな
時透
そうかな?
玉壺
何?
時透
随分感覚が鈍いみたいだね
時透
何百年も生きてるからだよ
無一郎がそう言った瞬間、鬼の頸にズバッと斬れ目がついた
時透
次は斬るから
時透
お前のくだらない壺遊びにいつまでも付き合ってられないし
時透
ね、千夜
星宮
…そうだねぇ
玉壺
……
玉壺
舐めるなよ、小僧ども
星宮
私女だよ
玉壺
五月蝿い!
時透
別に舐めてるわけじゃないよ
時透
事実を言ってるだけで
時透
どうせ君は僕たちに頸を斬られて死ぬんだし
時透
だって、何だか凄く俺は調子がいいんだ今
時透
どうしてだろう
星宮
私も〜
星宮
体がいつもより軽く感じるんだよね
玉壺
その口の利き方が舐めていると言ってるんだ
玉壺
糞餓鬼共め
玉壺
たかだか十年やそこらしか生きてもいない分際で
星宮
…十六年は生きてるもん
時透
そう言われても君には尊強できる所が一つも無いからなあ
時透
見た目も喋り方もとにかく気色が悪いし
玉壺
私のこの美しさ、気品…優雅さが理解できないのはお前が無教養の貧乏人だからだ
玉壺
便所虫に本を見せても読めないのと感じ
星宮
君の方が便所に住んでそうな見た目してるじゃん
玉壺
黙れ便所虫共
玉壺
お前らのような手足の短いちんちくりんの刃
玉壺
私の頸には届かない
星宮
さっき無一郎の届いてたじゃん
星宮
ていうか君の方が手足短いよ
星宮
君の手足をくっつけても私の手の長さに勝てないんじゃない?
時透
ああ、もしかして自分に言ってる独り言だった?
時透
邪魔してごめんね
玉壺
ヒョッヒョッ
玉壺
安い挑発だのう
玉壺
この程度で玉壺様が取り乱すとでも?
玉壺
勝ちたくて必死なようだな
玉壺
見苦しいことだ
時透
うーん
時透
うーん
時透
気になっちゃって……
時透
なんかその壺形歪んでない?
時透
千夜もそう思うでしょ?
星宮
最初見た時からずっと思ってたよ〜
星宮
なんか、左右対称に見えないんだよね
星宮
下っ手くそだなぁ〜
時透
ほんと、下っ手くそだよね
玉壺
それは貴様らの目玉が腐っているからだろうがァァァ!!
玉壺
私の壺のォォォォ!!
玉壺
どこが歪んでいるんだァァァ!!
玉壺
血鬼術
玉壺
一万滑空粘魚!!
玉壺
一万匹の刺客がお前らを骨まで喰いつくす!
玉壺
私の作品の一部にしてやろう!!
時透
霞の呼吸
時透
陸ノ型
時透
月の霞消
星宮
花の呼吸
星宮
弐ノ型
星宮
御影梅
玉壺
(ぜ、全部斬りおった…!)
玉壺
(この速度と攻撃範囲!!
私の毒は何処へ行った)
玉壺
(想定外だが、しかし問題はない)
玉壺
(日輪刀で斬られ塵となる前に粘魚が撤き散らす体液は毒だ)
玉壺
(しかもこの毒は経皮毒…皮膚からも吸収される)
玉壺
(浴びれば終わり)
時透
霞の呼吸
時透
参ノ型
時透
霞散の飛沫
星宮
花の呼吸
星宮
肆ノ型
星宮
紅花衣
玉壺
(何ィィィ!!)
玉壺
(回転で全て弾き飛ばされた!!)
星宮
…んもー!
星宮
めんどくさい!!
時透
本当に面倒くさいな
時透
避けて木の上に逃げるのやめてくれないかな
玉壺
お前らには私の真の姿を見せてやる
星宮
はいはい
星宮
早くしてよ
玉壺
この姿を見せるのはお前らで三、四人目だ
時透
結構いるね
玉壺
黙れ
玉壺
私が本気を出した時生きていられた者はいない
星宮
……
時透
すごいねー
玉壺
口を閉じてろ馬鹿餓鬼共が!!
玉壺
この透き通るような鯖は金剛石よりも尚硬く強い
玉壺
私が壺の中で練り上げた
玉壺
この完全なる美しき姿に平伏すがいい
星宮
……
時透
……
玉壺
何とか言ったらどうなんだ
この木偶の坊共が!!
玉壺
本当に人の神経を逆撫でする餓鬼共だな!!
時透
いや、だってさっき黙ってろって言われたし…
時透
それにそんな吃驚もしなかった…
時透
後…ほら見て
時透
千夜なんか吃驚もせず、ただ君の姿に吐きそうになってるよ
時透
可哀想…
そう無一郎が言った瞬間、鬼は私の顔面を殴ろうと襲ってきた
玉壺
木の上に逃げるなと己が言わなかったか?
玉壺
面倒なことだのう
無一郎は魚から、私は魚と鬼から逃げる為、木の上に避難した
時透
いや、単純に臭かったから
時透
鼻が曲がりそうだよ
星宮
…
星宮
……
時透
!?
玉壺
?
星宮
…
玉壺
お前はもう既に頭が狂ったようだな
玉壺
やっと私のこの美しい姿に魅了されたか
星宮
…いや
星宮
普通に気持ち悪くて吐きそうだから
星宮
さっさと死んで欲しいです
玉壺
糞餓鬼が…💢
玉壺
…それより
玉壺
どうだね私のこの神の手の威力
玉壺
拳で触れたものは全て愛くるしい鮮魚となる
玉壺
そしてこの速さ!!
玉壺
この私の柔らかくも強靱なバネ
玉壺
さらには鱗の波打ちにより
玉壺
縦横無尽、自由自在よ
玉壺
震えているな
恐ろしいか、糞餓鬼共
玉壺
先程の攻撃も本気ではない
星宮
…
星宮
でも、私たちその攻撃に当たってないよ?
時透
どんな凄い攻撃も当たらなかったら意味ないでしょ
玉壺
血鬼術
玉壺
陣殺魚鱗
二(星宮と時透)対一(鬼)で素早い攻撃・守備の繰り返し
玉壺
さあどうかね私のこの理に反した動き
玉壺
鱗によって自由自在だ
予測は不可能
玉壺
私は自然の理に反するのが大好きなんだ
星宮
じゃあ重力に逆らってみてよ〜
玉壺
それは宇宙の力だ馬鹿が!!
玉壺
お前らをどのように料理してやろうか
玉壺
醜い頭を続き取り美しい魚の頭をつけてやろう
玉壺
(お終いだ!!)
時透
霞の呼吸
時透
漆ノ型
星宮
…!
時透
朧
玉壺
(消えっ…いや、あそこだ!!)
玉壺
(見つけた!)
玉壺
(いない!)
玉壺
(あそこか!)
玉壺
(ヒョヒョ、遅い!)
玉壺
(!?)
玉壺
(何だ、何故消える!?)
玉壺
(どういうことだ!?)
玉壺
(奴はどこへ行った!?)
玉壺
(これはまるで、まるで)
玉壺
(霞に巻かれているような…)
時透
ねぇ、君は
時透
君はさ
時透
何で"自分だけが本気じゃない"と思ったの?
星宮
よっと、、
玉壺
(何だ、何だ?)
玉壺
(天地が逆だ、何が起きてる
感覚が消えた)
玉壺
(あの餓鬼共やっと姿を見せた)
玉壺
(早くカタをつけて無惨様に報告せねば)
時透
お終いだね
時透
さようなら
時透
お前はもう二度と生まれて来なくていいからね
星宮
そーだそーだ!
玉壺
くそォォォ!!
あってはならぬことだ!!
玉壺
人間の分際で、この玉壺様の頸をよくもォ!
玉壺
悍ましい下等生物めが!!
玉壺
貴様ら石人の命より、私の方が価値がある
玉壺
選ばれし!!
優れた!!
生物なのだ
時透
…
玉壺
弱く!!
生まれたらただ老いるだけの!!
玉壺
つまらぬくだらぬ命を私がこの手!!
神の手により高尚な作品にしてやったというのに
星宮
…
玉壺
この下等な蛆虫共…
玉壺
がっ…
ずっとぐだぐだ喋っていた鬼の頭をさらにら細かく斬る
時透
もういいからさ
時透
早く地獄に行ってくれないかな
鉄穴森
星宮さん、時透殿!
大丈夫ですか
鉄穴森
私にはもう何が何やら分かりませんでしたよ
星宮
私は全然軽傷なので大丈夫です、それより無一郎が……
時透
大丈夫大丈夫
時透
すごく今気分がいいんだ
時透
それにすぐ炭治郎の所へ行かないと
星宮
…顔色悪いから休んだ方がいいと思うよ
時透
全然大丈夫だってば
時透
僕の話聞いてる?
星宮
聞いてるから言ってるんだよ
鉄穴森
んっ?
鉄穴森
何かハァハァして…
鉄穴森
体も震えていませんか!?
鉄穴森
ちょっとあなた……
時透
いいからさ
時透
きみはこてつくんのところへいってくれないか
時透
おえっ
星宮
横向きにしましょう
鉄穴森
うわああ時透殿ーっ!!
星宮
鉄穴森さん聞いてます?