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ボスキと主様

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ボスキと主様

94 - 第94話 残された想い、託された願い 第2章

♥

29

2025年04月22日

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主は食事を終えると屋敷内の 広い大浴場へと来ていた。

ちゃぷんっ

ふぅ~…。
温まる…。でも、何から何まで規格外だな~。

(明日は早起きだし、寝なきゃならないけど…。)

あんなに寝たあとじゃ寝れないよ~…。
はぁ…。

主は、独り言を言い、ため息をつきながら、ゆったりとお湯に浸かっていると、人の視線を感じ、急いで振り返る。

バジャンッ

だれ?!

シーン…

気のせい…?

(でも、まだ誰かに見られてるような気がする…。そういえば、依頼主さん、昔から霊的なものが見えるって…まさか、ここにもいるの?!)

主は慌てて上がるとバスタオルを巻いた状態で急いでみんなの元へ走った。 主がいなくなった後、柱の影から 人が出てくる。

何者か

宝は誰にも渡さない…。

そして、何者かはその場を 立ち去った。

廊下を走っていると、目の前から ハナマルが歩いてくるのが見え、主はハナマルに助けを求め、ハナマルの胸に飛び込む。ハナマルは、そんな主を抱きとめ尋ねる。

ハナマル!!

ハナマル

っと!主様どうした?!
何かあったのか?!
てっ、なんて格好してんだよ?!///

目のやり場に困りながらも、主が尋常じゃないほど怯えているのに気づき、自身の上着を脱ぎ主の肩にかけると、ゆっくり、主の話を聞く。

ハナマル

それで、どうしたんだ?何があった?主様。

実は…お風呂入ってたんだけど、誰かの視線を感じて…。それで、怖くなって、お風呂を出て逃げてきたの。

ハナマル

誰かの視線?まさか…
依頼主のやつか…?

と怒りを抑えながら、震える主の左肩に左手を回し、右手で主の手を取り、寄り添い、急いでハナマルは主を別邸の執事が泊まる部屋へと連れていく。

別邸の執事達が泊まる部屋

ユーハン

あ、主様?!
どうされたのですか?////そのようなお姿で?!////

テディ

何かあったのですか?!ハナマルさん!

ハナマル

あぁ。お風呂場でどうやら覗きにあったらしい。悪いがテディ、ユーハン主様のこと頼めるか?俺はちょっと行ってくる。

と怒りを抑えながら、真剣な表情で テディとユーハンに告げるハナマルに2人はうなずく。

ユーハン

えぇ。かしこまりました。主様は私たちで保護致しますのでお任せ下さい。ハナマルさん。

テディ

俺は、2階の執事の人達にも知らせてきます!

ハナマル

あぁ。頼む。
そうしたら、主様はここで待っててくれよな。

そういい、主の頭を右手で撫でると優しい微笑みで精一杯、怒りを抑え主を安心させるとハナマルは部屋を後に する。 そして、テディは急ぎ、2階の執事達へ知らせに行く。残された主とユーハンはユーハンが主を落ち着かせるために、自身の掛け布団を持ってきて、主の体へかけ、主の左手を自身の左手で包み、主の背を右手でさすって 告げる。

ユーハン

大丈夫ですよ。〇〇さん。私がついておりますから。ご安心ください。

ありがとう。ユーハン。
温かい…。

ユーハン

そのような格好では、
お寒かったでしょう。
ただ今、温かいお茶をご準備いたしますから、こちらでお待ちください。

そう、主から離れようとするユーハンの左手を主は右手で掴む。そんな主に中腰になりかけていたユーハンは一度しゃがみこみ主の目線に合わせると微笑み、右手で主の頭を優しく撫でこう言った。

ユーハン

大丈夫ですよ。〇〇さん。このお部屋にはコンロもありますから、私は、お部屋におりますから。何かあっても、すぐ〇〇さんをお守り致しますから。ご安心くださいね。

…うん。わかった。

ユーハン

では、温かいお茶をお持ちするまでゆったりとお過ごしください。

うん。ありがとう。
ユーハン。

ユーハン

いえいえ。お気になさらずに。〇〇さん。

そうして、主から離れ、お茶を入れに行くユーハン。そして、その直後、慌てて、2階の執事達とテディが別邸の執事達が泊まる部屋へと入ってきた。

ボスキ

〇〇!大丈夫か?!

そして、直ぐにボスキが主の傍に 来て、掛け布団にくるまる主の両肩 あたりに手を当て掴むと心配そうに 主の顔を覗き込む。

大丈夫だよ。ボスキ。

ボスキ

本当か?怪我したり、
襲われたりしてないか?

うん。大丈夫。ただ、
お風呂場で誰かの視線を感じて怖くなって、そのまま飛び出してきちゃって...///

ボスキ

そうか…。〇〇が何もされてないなら良かった…。だが、〇〇を覗いてたそのふてぇヤツが許せねぇ…。

そんな怒り顕なボスキは 主から離れ立ち上がると

ボスキ

見当はついてる…。
あの野郎、許さねぇ…。

そういうボスキは拳をギュッと握ると怒り全開で部屋から飛び出していく。その姿を見てハウレスがボスキを 追いかけていく。

ハウレス

ボスキ!主様を置いてどこへ行く気だ!?

ボスキ

決まってんだろうが!
依頼主のヤツのとこだよ!!

廊下から聞こえてくるその声に 主は近くにいたフェネスに言う。

お願い。ボスキを止めて!フェネス!

フェネス

わかりました!主様。

そういうと慌てて、ボスキとハウレスの後を追って部屋を飛び出す フェネス。

テディ

大丈夫でしょうか?

アモン

ハウレスさんもフェネスさんもいますから大丈夫っすよ。
それより、主様、本当に大丈夫っすか?

うん。大丈夫。

ユーハン

しかし、何者でしょうか…。主様を覗いていたという方は…。私はどうも依頼主様とは考えにくいのですが…。

テディ

俺もそう思います。あのお優しい方がそんな大それたことをするようには、とても考えられません。

アモン

でも、相手は男っすよ?魔が差して良からぬことを考えたっておかしくはないはずっす!

ユーハン

確かに…それは否めませんが…。

テディ

そうですね…。男なら…そういうことに興味を持つのは、俺も男ですからわかりますが…///主様はお綺麗な方ですし…///
でも、俺はやっぱり、あの方ではないと思います!

と執事達が論争をする中で、 ユーハンは、そっと主にお茶を渡すと

ユーハン

どうぞ。温かいうちにお飲みください。

ありがとう。ユーハン。

そして、かけ布団から両手を出し、 お茶を受け取ると、掛け布団がズレ 落ち、ハナマルの上着を肩からかけ、タオル一枚で太ももまで見える 主の姿が表れる。

アモン

って、〇〇さん、服きてなかったんすか?!/////

テディ

慌てていたので、忘れていました…////

ユーハン

私が、掛け布団をかけていますので…///
ゆっくりお茶を飲まれてください…///

あ、うん…///ありがとう。でも、大丈夫だよ。みんななら別に。

テディ

よ、よくないです///

アモン

そうっすよ///
その覗き魔以前に俺たちが〇〇さんを襲ってしまうっす!///

ユーハン

そうですよ///〇〇さん。
私たちも男なのですから、もう少し考えてからお話ください…///

あ、うん///ごめん。でも、誰かわからない人に見られるよりは、みんなの方が安心できるっていうかなんていうか…///

アモン

はぁ…。〇〇さん。そうやって、俺たちを信頼してくれてるのは、すごく嬉しいっすけど、さっき言った通り、俺たちは男なんすから、簡単に男を信用しちゃいけないっすよ?

ため息混じりにそういい、主の頭を優しく撫でるアモンにテディとユーハンも頷きいう。

ユーハン

アモンさんのおっしゃるとおりですよ。〇〇さんは、男性に対しての警戒心が低すぎます。もう少し、私たちであっても警戒なされてください。

テディ

そうですよ。〇〇さん。俺たちだって、時には狼になってしまうことだってあります。それこそ、さっきアモンさんが言ってた魔が差すってことだって十分ありえます。ですから、信頼をしてくれるのは俺も嬉しいですし、その信頼を裏切るようなことをする気はありませんが、そのためには〇〇さんがもっと自身を大切にして、〇〇さん自身も身を守ってくださらないと…。

うん。わかった。

(今更な気もするけどな…。テディがいうのはわかるけど、アモンもユーハンも私としてるのに…///)

アモン

(今、絶対、〇〇さんは今更何を言ってるのかと考えてるっすね。でも、別邸の執事たちの手前、それは俺の口からは言えないっす!///)

ユーハン

(〇〇さんは、先日、私と致していますから、今更何を言っているのかと思っているのでしょうね。でも、私たちに限ったお話ではありませんし、ちゃんと男性という生き物を理解していただかなければなりません。)

テディ

(〇〇さんは、俺たちを信頼してくれているのはすごく伝わりますし、それに俺だって応えたいですが...。男性の欲がどれほどのものかわかっていないのですね…。〇〇さんは、みなさんが彼氏だからこそ、気にしていないのかもしれませんが、俺は〇〇さんとまだ付き合えていませんし、そんな俺の前で、そんな姿をさらされたら、俺は本当に抑えが効かなくなってしまいますよ?///
〇〇さん。)

そんな悶々とする執事3人を他所に お茶を飲む主であった。

依頼主の書斎

ゴンゴン

ビクッ

強く扉がノックされ、びっくりする依頼主。それにいち早く対応をする メイド。

依頼主のメイド(メアリー)

どちら様でしょうか?

ハナマル

悪魔執事のカワカミ・ハナマルだ。
アンタのとこの上司に用がある。
通してくれ。

依頼主のメイド(メアリー)

いかが致しますか?
旦那様。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

何か緊急の用かもしれないから、急いで入れてあげてくれるかな?

と慌てて書斎から立ち、机の前に立つ依頼主にメイドが扉を開くと、ハナマルは勢いよく入ってズカズカと依頼主の前までくると怒りの形相で依頼主の胸ぐらを掴み尋ねる。

依頼主のメイド(メアリー)

だ、旦那様!!

ハナマル

俺たちの主様に不定を働いたのはお前か?

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

ま、待ってください!!
何のことですか?!
私は、みなさんと別れたあとずっとこの書斎にいましたよ?!

依頼主のメイド(メアリー)

は、はい。私もそれは、ずっと見ていましたので間違いありません。ですから、旦那様からお手をお離しください!

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

やめるんだ!君まで怪我をする!頼む!私はどうなってもいいが、彼女には手を出さないでくれ!!

とメイドは怯えながらも必死に依頼主の胸ぐらを掴むハナマルの腕にしがみつき、依頼主からハナマルの手をどかそうとする。そんなメイドを必死に庇おうとする依頼主のその姿に、ハナマルは一旦怒りを抑えると依頼主から手を離し、依頼主に向き直り謝る。

ハナマル

悪かったな…。
依頼主様。

その声を聞き、依頼主はメイドを自身の後ろに庇いながら、身なりを整えると

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

一体何があったのですか?
ご説明ください。

ハナマル

あぁ。実は…。

そういい、説明をする。そして、ハナマルの説明が終わる頃、また、扉が強くノックされる。その音にメイドは扉の近くまで行き告げる。

ゴンゴン

依頼主のメイド(メアリー)

どちら様ですか?悪魔執事のどなたかですか?もし、そうならお引き取りください。

メイドは、依頼主に尋ねることなく、相手を引き返させようとするが、相手も引き下がることなく、強い口調で言う。

ボスキ

んなこと言われて、黙って戻れるかよ!お前らんとこの上司が俺らの主様にしたことを制裁させるまではな!!

フェネス

ちょっ!ボスキ落ち着いて!

ハウレス

そうだぞ!まだ、依頼主様がやったと決まったわけじゃないだろ!落ち着け!ボスキ!

と扉の前で必死にボスキを押さえる フェネスとハウレスの状況を聞いて、依頼主はメイドに言う。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

通してあげて。

依頼主のメイド(メアリー)

しかし!!また、旦那様に危害を加えられたら!!

ハナマル

俺から話す。頼む。通してくれ。何があっても今度は俺が止めるから。

依頼主のメイド(メアリー)

………。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

大丈夫だよ。私も何かあったとしても、メアリー、君だけには危害がいかないようにするから。

依頼主のメイド(メアリー)

旦那様……。
わかりました。

ハナマル

(こんな奴が確かにそんなことするわけねぇよな…。俺も頭に血が登りすぎてたぜ。恐らく、
ボスキもだろうな。)

そして、扉が開かれ、フェネスと ハウレスに押さえつけられながらも、ズカズカと入ってきたボスキの前に ハナマルは立つ。

ボスキ

何のつもりだ?
ハナマル。

ハナマル

とりあえず、落ち着けよ。やったのは、依頼主様じゃない。

ボスキ

なんでんなことが、ハナマルてめぇにわかんだよ?!

ハウレス

落ち着けと言ってるだろ!ボスキ!

フェネス

そうだよ!!それにここで事を荒立てて、主様に迷惑がかからないとでも
思ってるの?!ボスキ!

ボスキ

ちっ…。わかったよ…。

フェネスの言葉にボスキは一旦、怒りを抑え力を抜く。それで、フェネスとハウレスもボスキを押さえつけていた手をどかす。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

とりあえず、みなさん座って落ち着いて話をしましょう。

ハウレス

はい。依頼主様。

フェネス

はい。依頼主様。

ボスキ

ちっ…わかった。

ハナマル

あぁ。依頼主様。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

ごめん。みなさんに紅茶でもお出ししてくれるかな?

依頼主のメイド(メアリー)

かしこまりました。
旦那様。

そして、メイドが紅茶の準備に部屋を出ていったあと、依頼主とハウレス、フェネス、ボスキ、ハナマルで話を する。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

だいたいの事情は、ハナマルさんからお聞きしました。彼女は大丈夫ですか?お怪我などはされていませんか?

ハウレス

はい。依頼主様。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

そうですか…。
良かったです。

ボスキ

それで、なんでコイツじゃないって言えるんだ?ハナマル。

ハウレス

おい!ボスキ!口を慎め!
失礼いたしました。
依頼主様。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

いや、事情が事情なだけに、疑われている私にそれは仕方ないことです。もし、私が同じ立場ならば、同じことをしていたでしょう。
しかし、私は無実です。
私は、みなさんと別れたあとは、ずっとこの書斎で仕事をしていましたから。

ハナマル

あぁ。それは、さっきのメイドも証言していたから間違いない。

フェネス

そうですか。
では、誰が主様を…。

ボスキ

そのメイドの証言だってアテにならないだろ?
こいつとグルの可能性だってあるんだからな。

ハナマル

いや、俺は違うと思うぞ。
さっき、あのメイドは依頼主様に掴みかかった俺に対して、自分だって怖いだろうに必死に俺を止めに来た。何より、そのメイドに危害がいかないよう庇うやつがそんなことをするとは、俺には思えない。

ハウレス

ハナマルさん!あなたまでそんなことをされていたのですか?!

と頭を抱えるハウレスに 依頼主は言う。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

仕方ないですよ。あなた方の主、ましてや女性の入浴を覗かれたとなれば、この屋敷でみなさん以外の男性と言ったら、私しかいませんし、まして元平民の私が疑われたとしてもしょうがないお話です。

フェネス

依頼主様。この度は勘違いとはいえ、ハナマルさんとボスキが大変失礼致しました。

そう、頭を下げるフェネスにボスキ以外のみんなが頭を下げる。

ハウレス

ボスキも頭を下げろ!

ボスキ

ちっ…。悪かったな。
疑って。依頼主様。

そういい、ボスキも頭を下げた。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

いえ、みなさん頭をあげてください。

そこへ、紅茶を持ったメイドが戻ってきて、みんなの前へ静かに紅茶を置こうとするが、その手が震えているのに気づいた、依頼主がメイドの横に来て、紅茶ののったおぼんを手にとると優しく微笑み告げる。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

あとは、私がやるから、メアリー、君は先に休んでていいよ。怖い思いをさせてごめんね。

依頼主のメイド(メアリー)

し、しかし!

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

大丈夫だよ。気にしないで。紅茶を入れてきてくれてありがとう。

そして、依頼主は、メイドのメアリーを下げさせると依頼主自身がみなの前へ紅茶を置こうとするのを見て、 ハウレスが言う。

ハウレス

俺が変わります。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

いいですよ。大した人数じゃありませんし。

ハウレス

いえ、こういったことは、執事やメイドの役目ですので変わらせていただきます。

そう頑として下がらないハウレスに おぼんを渡す依頼主。

依頼主の男性(亡くなった大富豪の孫)

では、お願いします。

ハウレス

はい。依頼主様。

そして、ハウレスがみんなに紅茶を 配り終えると、ハウレスも席につき、話し合いがされた。

一方、主たちはというと

ふぅ~…。

ユーハン

落ち着かれましたか?
〇〇さん。

うん。ありがとう。
ユーハン。

アモン

それなら、俺、〇〇さんを〇〇さんのお部屋にお連れしにいくっす。服を着てもらわないと、そのままじゃ、風邪をひかれたら困るんで。そして、そのまま俺は〇〇さんの部屋の前で〇〇さんを警護するっす。

テディ

わかりました。では、俺はみなさんが戻って来るのをユーハンさんとここで待ちます。そして、みなさんが戻られたら、アモンさんのこともお伝えします。

アモン

よろしくお願いしますっす。テディさん。

テディ

はい。お任せ下さい。
アモンさん。

ユーハン

では、〇〇さん、後はゆっくりお休み下さいね。

うん。ありがとう。
ユーハン。
あと、アモンやテディもありがとね。

アモン

気にする必要はないっすよ。〇〇さんをお守りするのが、俺の役目っすから。

テディ

はい。俺もです。〇〇さんが安心してこの地で過ごせるように全力でお守りします。

ユーハン

〇〇さんは、1人ではありませんよ。私たちがついています。

うん。ありがとう。
みんな。

そして、主はアモンと共に 部屋へと戻って行った。

主が泊まる部屋

ムー

主様。おかえりなさい。遅かったですね…って!
何かあったのですか?!

アモンに連れられ、ハナマルの上着を肩からかけ、タオル1枚を体に巻いた主を見てムーは驚く。

あ、うん。ちょっとね。でも、みんながいるから大丈夫。

ムー

そうですか…。
わかりました。

アモン

ムー。主様はお着替えをされるから一緒にお部屋を出て待つっすよ。

ムー

わかりました。
アモンさん。

ありがとう。アモン。

アモン

いえ、着替え終えたらお声をかけてくださいっす。
ムーに部屋に戻ってもらいますっすから。

わかった。

そして、部屋に1人になった主は、 着替えながら考える。

(あの視線…。イヤらしい視線というより何かを探るような…それでいて、敵意のあるような視線だったな…。いったい、なんだったんだろう…。)

終わったよ~!

アモン

ほら、ムー。主様のとこ戻るっすよ。それで、ちゃんと主様を中からお守りするっすよ。俺はここで主様を守るっすから。

ムー

わかりました。
アモンさん。

扉の外からそんな声が聞こえてきて、主はなんだか微笑ましくなる。

ふふっ。

(まるで、父と子の会話みたい。)

ムー

主様。お待たせしました。

ううん。私が待たせちゃったから、ごめんね。
ムー。
じゃぁ、寝よっか。

ムー

はい。主様。

そして、部屋の明かりを消し、 主とムーはベッドに入り、待ち疲れていたのだろうムーが先に寝てしまう。

ムー

すぅ~すぅ~。

そんなムーの頭を撫で主は呟く。

お疲れ様。待っててくれてありがとうね。

ムー

すぅ~すぅ~。

(でも、私、本当に眠くないな…。どうしよう…。)

主はムーを起こさぬよう、そっと起き上がると扉の前へ来て、小声でアモンに話す。

アモン…。私、昼間寝て眠くなくて、ちょっとそっちいってお話してもいい?

アモン

わかったっす。

小声の主にアモンも小声で返事をし、静かに扉を開く。そして、主は、そっとその扉から廊下へ出ると再び扉を静かに閉め、アモンと壁によっかかり 立ち話をする。

今日は、ありがとうね。

アモン

いえ、全然っすよ。

でも、ボスキすごい怒って飛び出して行ったっきりだけど、大丈夫かな?

アモン

ハウレスさんとフェネスさんがいるから大丈夫っすよ。

それに、ハナマルも結局、部屋を出たっきり戻らなかったし…。

アモン

そういえば、俺たちが駆けつけた時に、ハナマルさんもいなかったすよね。まさか、ハナマルさんもボスキさんと同じ理由っすか?

多分…。ハナマルは、とくだん何するとかは言わないで、部屋を出ていったから…。

アモン

そうっすか…。
でも、きっと同じ理由っすよね。

うん。なんか、私のせいで大事になっちゃってごめんね…。

そういい落ち込む主にアモンは優しく主の右肩に右手を回し、自身へ 引き寄せ肩を抱き告げる。

アモン

〇〇さんは、何も悪くないっすよ。覗きをしたやつが悪いんす。だから、謝る必要なんて微塵もないっす。それに、俺だって、〇〇さんを怖がらせて、〇〇さんの生身のお姿を見たそいつが許せないっす。〇〇さんは、俺の彼女なのに…彼女のそんな姿を見られて怒らない彼氏がいるわけないじゃないっすか。

アモン…。

アモン

だから、〇〇さんは何も気にしなくていいっす。次は、必ず俺が〇〇さんを守るっすから。

ありがとう。アモン。
愛してる。

アモン

俺も〇〇さんを愛してるっすよ。

そして、しばらく2人は、肩を寄せ合いながら、静かに互いの熱を感じ続けるのだった。そんな中で主はふと、 以前のもう1人の自分からの言葉を アモンに伝えるのを忘れていたことを 思い出す。

アモン。

アモン

なんすか?〇〇さん。

実はね、以前、私、もう1人の私からアモンに言伝を頼まれていたんだよね…。

アモン

もう1人の〇〇さんにっすか…?

少し、戸惑うような暗い顔になる アモンは1度、主の肩から手を離し、自身のわきに手を降ろす。それに主も少し胸に痛みを感じながら、正直に 伝えた。

彼女はこう言ってた…。
私は、もう1人の私の中で生きていると。だから、アモンが愛した私はもう1人の私の中にいるのだから、何も変わらないのだと…。

アモン

…そうすっか…。

アモン……。

アモン

大丈夫っすよ。前も話したっすけど、どちらの
〇〇さんも俺にとっては〇〇さんその者に変わりないんすよ。
それに、俺は変わらずに〇〇さんを愛しているっす。
〇〇さんは、どうっすか?

もちろん。アモンを愛してるよ!
でも、ただ1人だけをって見ていた彼女とは、私は違うから…。

アモン

それでも、俺には〇〇さんは〇〇さんなんすよ。例え、俺だけを見てくれなくとも、俺は〇〇さんだけを見ているっす。
それで、〇〇さんが気に病む必要もないっす。
安心して欲しいっす。
この先も他の執事だけじゃなく、俺も見てくれるなら、俺はそれで十分なんす。
これが、俺の今の気持ちっす。

アモン…本当にいいの?
私……。

アモン

何も言わなくていいっす。
俺は、そのままの〇〇さんを好きになったんすから。だから、何も言わなくてもいいんすよ。

そういうとアモンは、主に向き直り、正面から主を強く抱きしめ、右手で主の頭を撫でた。そんなアモンを主も強く抱きしめると告げる。

うん。私は変わらず
アモンを愛してる。
私もずっとこの先も
アモンと一緒にいたいよ…。

アモン

はいっす。俺は、ずっと〇〇さんのお傍にいるっすよ。これからも変わらずに…。愛しているっすよ。〇〇さん。

こうして、2人は互いの愛を再確認 するのであった。

次回へ続く

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