青黄
「君の方が、」
黄
おにぃちゃ、ッ
いつもは大人しく 本を読んでいる彼が 僕の服を少し掴んで 僕を呼ぶ
青
ん、?なーに、?
久しぶりに話しかけられた というのもあり、 僕の声には嬉しさがこもる
黄
あのね、…
黄
さんぽ、行きたいな、?
青
え、
予想外のお願いに 声が漏れる
黄
あ、っッい、いやなら、
黄
大丈夫、だから、…ッ
彼は一瞬にして、 顔をしょんぼりさせる
青
ん、っしょ、ッ
僕は自分の重たい体を ソファーから起き上がらせ 彼の手を握る
黄
へ、ッ?
青
ほら、行くんでしょ、?
青
肌寒いから、上着、着てきな、?
黄
、ッ!
彼は僕に嬉しそうな 笑顔を見せ、部屋へ向かった
ガチャッ
青
ん、ッ寒っ
まだ秋だって言うのに 冷たい風が頬に当たる、
ニギッ
黄
行こ、ッ!
彼は小さな手で僕の手を握り 外へと連れていく、
青
おぉー、
黄
わぁぁぁ、ッ!
もう秋と言うこともあり、
近くの公園の木は 紅葉して綺麗だった、
黄
青ちゃ、ッ!落ち葉いっぱい、!
はしゃぐ君が可愛らしくて ついカメラで写真を撮ってしまう、
黄
ん、?ほらッきて、ッ!
青
うわぁ、ッ
僕は彼に腕をひかれ、 誰も居ない公園を2人で走る、
たまに吹く風で葉が 花びらのようにひらひらと舞う
黄
きれぇ、だね、!
そう言って彼は僕に 万遍の笑みを見せる、
黄
へへ、ッ
カシャッとシャッター音が響くと 彼は僕に近ずいてくる
黄
写真だけじゃ、楽しめないよ、ッ
黄
毎年、秋は来るけど、ッ
黄
今年の秋は今だけだからッ、
本当に彼は小学生なのだろうか、
今日は何度もそう思ってしまう、
黄
わぁぁ、ッ!
黄
また落ち葉降ってくる、ッ!
黄
えへへ、ッわぁぁ、ッ!
その無邪気な姿を見て 癒されていると
黄
ほんとに、綺麗だね、ッ
また彼は僕に言った、
まぁ、
君の方が綺麗だけどね、
そう思いながら 無邪気に走る君を追った
ℯ𝓃𝒹